家電探しの旅が終わらぬ今日この頃、最近はリサイクル品を扱うサイトも
閲覧しており、そこで「Daewoo(デーウー)」というブランドの家電を見つけました。
聞いたことあるような無いようなブランドですが、
Daewooはどこの国のメーカーなのでしょうか?
Daewooはどこの国のメーカー?
「Daewoo(デーウー)」は韓国にルーツがあるメーカーのブランドです。
「韓国のメーカー」ではなく「韓国にルーツがあるメーカー」としたのは、
Daewooというブランドを持っている企業が変遷しているからです。
元々Daewooというブランドで家電を発売したのは、
韓国の「大宇(テウ)財閥」の「大宇電子」でした。
大宇財閥は韓国の10大財閥の1つで、
1990年代には「現代(ヒュンダイ)」に次ぐ韓国2位の企業グループでした。
大宇電子以外にも
・重工業
・建設
・造船
・精密工業
・自動車
・証券
などのグループ企業が存在していたのです。
自動車に至っては、
・キャデラック(ゼネラルモーターズ)
・フォルクスワーゲン
・アウディ
といった高級外国車の韓国での販売権を持っていました。
ところが1997年に発生した「アジア通貨危機」のあおりをまともに受けて、
大宇財閥全体の経営が苦しくなります。
ゼネラルモーターズから大宇自動車への出資話が立ち消えとなり、
1999年に日本円にして90億円を超える負債を抱えて大宇財閥は倒産します。
韓国政府によって大宇財閥は解体され、
大宇財閥のグループ企業は韓国企業や外国企業に買収されたのです。
Daewooの持ち主の移り変わり
Daewooを最初に持っていたのは大宇財閥の大宇電子でしたが、大宇財閥の
解体によって大宇電子はインドの「ビデオコン」という電機メーカーに買収されます。
大宇財閥が解体された1999年にビデオコンに買収され、
ビデオコンが運営する「大宇エレキ」にDaewooブランドが引き継がれます。
2013年にはビデオコンから「東部グループ」によって韓国に買い戻されて、
「東部大宇電子」がDaewooブランドの持ち主となりました。
Daewooブランドの漂流はまだ終わらず、2015年に東部大宇電子と
シーエスロジネットという会社が「シーエス大宇販売」という合弁会社を作ります。
シーエスロジネットについて調べてみましたが、
同名の会社がいくつか存在しているので確かなことは分かりませんでした。
ただシーエス大宇販売の設立によって東部大宇電子ジャパンが解散しているので、
恐らくシーエスロジネットは日本の会社だと思われます。
現在は2016年に設立されたシーエス大宇販売から社名変更した大宇販売が
Daewooブランドの所有者となっています。
Daewoo製品は販売されていない?
紆余曲折を経て現在のDaewooブランドは大宇販売が持っていますが、
Daewooブランドの製品はすでに販売されていない可能性があるのです。
一応大宇販売の公式サイトは残っており、
Daewooブランドの製品に関する情報も掲載されています。
(http://www.daewoosales.jp/)
ただサイト自体の更新は2021年で、
製品の情報は2017年で更新が止まっているようです。
トップページに記載されている最新のお知らせが「2021年の夏季休業」について
ですし、プレスリリースは2017年の社名変更についてが最後です。
冷蔵庫など製品によっては省エネ性能の記載がありますが、
2017年度版で目標達成年度が2021年となっています。
大宇販売の親会社は「テクタイト」で、
テクタイトの公式サイトは2024年も現在進行形で更新されています。
ただテクタイトの事業内容やグループの項目に、大宇販売の名前がありません。
ひょっとすると大宇販売は開店休業状態で、
Daewooブランドの家電などはすでに販売されていない可能性があるわけです。
取り扱っている通販サイトも少ない
大手通販サイトで「Daewoo」と検索しても、ほとんど商品がヒットしません。
Amazonや楽天市場ではDaewooブランドの洗濯機がヒットしますが、
いずれも中古品となっています。
(Amazon:https://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A7%E5%9E%8B%E5%AE%B6%E9%9B%BB-Daewoo/s?rh=n%3A2277724051%2Cp_89%3ADaewoo)
(楽天市場:https://search.rakuten.co.jp/search/mall/DAEWOO/562637/)
大手家電量販店のジョーシンの通販サイトには該当商品が無く、
ビックカメラのサイトは販売終了でDaewoo製品が購入できません。
(ジョーシン:https://joshinweb.jp/outlet/551.html?MKN=DAEWOO)
(ビックカメラ:https://www.biccamera.com/bc/category/001/153/005/005/?entr_nm=DAEWOO%81b%91%E5%89F&sold_out_tp2=2)
これまで色んな海外メーカーについて調べてきた中では、
日本での取り扱いが少ないだけというケースもありました。
Daewooに関しては、海外製品に特化した通販サイトでの取り扱いも
ありませんから、恐らく韓国でも販売されていないと思われます。
詳しいことは分かりませんが、
2024年現在はDaewooブランドの家電を新品で購入するのは難しいです。
テクタイトも電化製品を開発しているが・・・
Daewooブランドの所有者である大宇販売の親会社テクタイトも
オリジナルブランドの電化製品を開発販売しています。
テクタイトは電化製品の卸販売がメインで
・ソニー
・エプソン
・キヤノン
・シャープ
・マクセル
など大手メーカーの電化製品を家電量販店やホームセンターなどに卸しています。
卸販売だけでなく、
テクタイトではスマートウォッチなど自社製品の開発販売もしているのです。
テクタイトが開発販売しているのは、
スマートウォッチやゴルフの距離計測器、ウェアラブルセンサーなどです。
スマートウォッチは「Actino」、ゴルフ関連の機器は「ShotNavi」、
ウェアラブルセンサーは「Knows」というブランドを使用しています。
ちなみにウェアラブルセンサーは、運動中に身に付けておくと
運動量や心拍数などを瞬時に計測してデータ化してくれる機器です。
(https://know-s.com/)
主にサッカーチームで使われている機器で、高校や大学のサッカー部、
ユースチーム、Jリーグのトップチームでも使われています。
テクタイトではDaewooブランドは使用しておらず、
いわゆる家電も取り扱っていません。
Daewooの日本での知名度が低い理由
Daewooは韓国発祥の家電ブランドですが、正直なところ私はリサイクル品を
扱う通販サイトを見るまでDaewooというブランドを知りませんでした。
私が特に家電に疎いだけかもしれませんが、
韓国の家電メーカーでも「Samsung」や「LG」は知っています。
Daewooの日本での知名度が低いのは、
恐らく日本市場でのSamsungやLGとの競争に負けたからではないでしょうか。
Daewooブランドを所有している企業は、
早い段階から日本法人を作って日本市場に製品を投入しています。
情報が残っているだけでも、
冷蔵庫・電子レンジ・洗濯機といった家電を日本市場で販売しています。
日本メーカーの家電に比べると安価だったとのことですから、
リーズナブルな家電を求める人には一定の人気があってもおかしくありません。
「ハイセンス」や「TCL」などの中国メーカー、「アイリスオーヤマ」や「山善」など
日本メーカーでも安価な家電を販売するメーカーは一定の人気があります。
安価にも関わらずDaewoo製品が日本での人気が獲得できなかったのは、
Samsungなど他の韓国メーカーとの競争に負けたからだと考えられるのです。
ジェネリック家電に駆逐された?
Daewooは「ジェネリック家電」に駆逐されたために、
日本市場で人気が得られなかったとも考えられます。
ジェネリック医薬品になぞらえて、日本の中小家電メーカーが販売している
比較的安価な家電をジェネリック家電と呼びます。
先にも名前を挙げた「アイリスオーヤマ」や「山善」、他にも「オリオン電機」
「小泉成器」「トヨトミ」「ドウシシャ」などがいわゆるジェネリック家電メーカーです。
パナソニックや日立などの大手メーカーの家電に比べると安価なので、
中国や韓国のメーカーと勘違いされることも少なくありません。
しかしジェネリック家電メーカーは日本の中小家電メーカーです。
バブル経済が崩壊して大手メーカーをリストラされたり、
定年などで退職した技術者を受け入れています。
大手メーカーで培われた技術を生かした家電が作られており、
安価でも品質にはまったく問題がありません。
大手メーカーの家電のように多機能ではなく、
機能を絞ることでコストを抑えて低価格が実現できているのです。
日本人は日本メーカーの製品に対して絶大な信頼を置いており、同じ安価な
家電なら海外メーカーより日本メーカーの製品を購入するケースが多いです。
ジェネリック家電が注目され始めたのが2010年代の初めころで、
ちょうどDaewooブランドが東部グループに買収されたころでした。
ブランドの所有者が変わった時期で、
日本での家電販売に注力できていなかったのではないでしょうか。
Daewooブランドの混乱期にジェネリック家電メーカーが台頭して、
「安いだけの海外メーカー」として駆逐されてしまったと考えられるわけです。
Daewoo製品に関する情報がとにかく無い
リサイクル品を扱う通販サイトでDaewooの家電を見つけてDaewooについて
調べてみたのですが、とにかく情報がありません。
韓国の家電メーカーで破綻した大宇財閥のグループ企業だった、
冷蔵庫や洗濯機などの白物家電を製造販売しているぐらいの情報です。
Daewoo製品を実際に使った人のレビューのようなものを何件が見つけましたが、
いずれも10年以上前に投稿されたものでした。
数年前に投稿されたものでも7~8年前に購入したDaewoo製品についての
ことだったりして、最近購入した人のレビューは見つからなかったです。
正直Daewooに関する情報が無さすぎて、
Daewooをブログ記事の題材にするのを止めようと思ったほどです。
まあでも、よくわからない家電メーカーを題材にするのも面白いかと思って
取り上げてみました。
リサイクル品を扱う通販サイトなどでは、
現状でもDaewoo製品を購入することは可能です。
容量が大きめの冷蔵庫は程度の良いものでも1~2万円、
小さいサイズなら数千円で購入できます。
ただ、既に大宇販売が機能しているかも怪しい状況ですから、
たとえ新品でDaewoo製品を購入してもサポートはほぼ期待できません。
中古品だと当然メーカーのサポートは受けられませんから、
ハッキリ言ってこれからDaewoo製品を購入するのは止めた方が良いでしょう。
わざわざDaewoo製品を選ばなくても、
中古なら大手メーカーの製品でもかなり安く手に入ります。
ジェネリック家電メーカーや中国メーカーの家電だと新品でも格安ですし、
安い家電が欲しいとしてもDaewoo製品は選択肢を入れる必要はありません。
まとめ
Daewooは大宇販売という韓国がルーツの家電メーカーのブランドです。
元々は韓国の財閥グループのブランドでしたが、
財閥が解体されたことでDaewooブランドは所有者が転々としました。
現在は韓国企業と日本企業の合弁会社が所有していますが、
公式サイトを見る限りは開店休業状態のようです。
家電量販店や大手通販サイトはDaewoo製品を取り扱っておらず、
2024年現在は新品のDaewoo製品を手に入れることは難しくなっています。
中古品なら手に入りますが、新品で安く買える家電も他にありますから、
わざわざ中古のDaewoo製品を買わなくても良いですよ。