キャンプ用・防災用・節電用として注目を集めている「ポータブル電源」ですが、
ネットなど一部では「買ってはいけない」と言われることもあります。
では、ポータブル電源を「買ってはいけない」という理由は何なのか
詳しく見ていきましょう。
ポータブル電源を買ってはいけない理由その1
ネットなどでポータブル電源を買ってはいけない理由として挙げられているのが、
「発火のリスク」です。
ポータブル電源は内部に大量の電気を溜めますから、
回線がショートしたり外部から大きな衝撃が加わると発火する恐れがあります。
「製品評価技術基盤機構(NITE)」によると、2020年までは年間数件ほどだった
ポータブル電源の発火事案が2021年以降は15~20件前後と増えています。
(https://safe-lite.nite.go.jp/)
また消費者庁の「事故情報データバンクシステム」のよると、
2017年以降ポータブル電源関連の火災が約240件発生しています。
(https://www.jikojoho.caa.go.jp/ai-national/accident/list)
2024年だけでも30件以上発生しているのです。
ただし消費者庁のデータは、
ポータブル電源の発火が火災の原因かは不明の事案も含まれています。
ポータブル電源の充電池として使われているのは「リチウムイオン電池」で、
充電池としては比較的安全性が高いです。
それでも回線のショートや外部からの大きな衝撃などによって、
内部で異常発熱が起こって発火してしまうことがあります。
わざわざ火災のリスクを高くする必要は無いので、
発火のリスクがあるポータブル電源は買ってはいけないというわけです。
使い方さえ間違えなければ発火のリスクは高くない
確かにポータブル電源には発火のリスクはありますが、
「正しい使い方」さえしていればそれほどリスクは高くありません。
NITEや消費者庁のデータを詳しく見てみると、
充電中にポータブル電源が発火しているケースが多くなっています。
同じリチウムイオン電池を充電池として使うスマホでもそうですが、
ポータブル電源を充電しすぎると発火する恐れがあるのです。
バッテリーが100%になっているにも関わらず充電を続けていると、
内部電圧が高まってリチウムイオン電池の状態が不安定になります。
比較的新しいポータブル電源であれば、
過充電の状態になってもリチウムイオン電池が劣化するだけで済みます。
しかし既にリチウムイオン電池が劣化しているポータブル電源が過充電になると、
内部で異常発熱が起こって火が出てしまうのです。
ポータブル電源の充電中に発火した事案の多くは、
リチウムイオン電池の劣化と過充電による異常発熱が原因と思われます。
普段から過充電にならないように注意していれば、リチウムイオン電池の劣化も
起こりにくいですし内部で異常発熱が起こることもありません。
充電の仕方を気を付けていれば、
ポータブル電源の発火リスクは抑えられるというわけです。
車内に放置も危険
ポータブル電源の発火事案で、
充電中の次に多かったのが「車内に置いていた」ケースです。
キャンプなどアウトドアで使用するだけの場合、
ポータブル電源を車内に置きっぱなしにしていることがあります。
またキャンプなどで使用する時も、
ポータブル電源を車に乗せたままということも少なくありません。
夏場になると、昔はライターやスプレー缶を車内に置きっぱなしにしていて
発火したというニュースをよく見聞きしました。
最近でもスマホやモバイルバッテリーを車内に置きっぱなしにすることで発火した、
といったことを時折見聞きします。
夏の炎天下に車を停めていると車内温度は50度以上になりますし、
春や秋でも日の当たる場所の駐車していると車内温度は40度を超えます。
ポータブル電源の稼働温度は‐10度から40度ぐらいですから、40度を超える
車内に置きっぱなしにすると充電池が劣化して発火するリスクが高くなるのです。
先の過充電と車内への放置の2点を気を付けるだけでも、
ポータブル電源の発火リスクはかなり抑えられます。
ポータブル電源を買ってはいけない理由その2
ポータブル電源を買ってはいけない理由として2つ目に挙げられるのが、
「寿命が短い」ということです。
スマホでもそうですが、リチウムイオン電池は繰り返し充電をすることで
容量が減ってバッテリーの持ちが悪くなってしまいます。
ポータブル電源もスマホと同様に、
数年でバッテリーの持ちが悪くなる恐れがあります。
その割に価格は容量によっては10万円を軽く超えることもあり、
価格と使える期間が見合わないので買ってはいけないというわけです。
最新のポータブル電源は約10年使える
確かに容量の小さかったり価格の安いポータブル電源は、
スマホと同じですぐにバッテリーの持ちが悪くなる恐れがあります。
しかし最新で容量600Wh以上、価格もそれなりのポータブル電源は、
約10年はバッテリーの持ちが悪くなりません。
ポータブル電源に使われているのはリチウムイオン電池ですが、
実はスマホに使われているリチウムイオン電池とは種類が違います。
(https://www.wsew.jp/hub/ja-jp/blog/article_30.html)
スマホに使われているのは「リチウムポリマー系リチウムイオン電池」で、
大体500回ぐらいの充電サイクルでバッテリーの持ちが悪くなります。
小容量や価格の安いポータブル電源にはリチウムポリマー系が使われているので、
それほど寿命が長くありません。
ところが中大容量でそれなりの価格のポータブル電源には、
「リン酸鉄系リチウムイオン電池」が使われています。
リン酸鉄系はリチウムポリマー系と比べて6~8倍ほど長寿命で、
大体3000~4000回の充電サイクルに耐えられます。
ポータブル電源を毎日充電したとしても約10年は使える計算です。
寿命が短いことを理由に「ポータブル電源を買ってはいけない」というのは
正しくありません。
またリン酸鉄系はリチウムポリマー系より安全性も高いので、
リン酸鉄系のポータブル電源を使うことで発火リスクも抑えられます。
ポータブル電源を買ってはいけない理由その3
ポータブル電源を買ってはいけない理由の3つ目は「充電時間が長い」ことです。
実際に容量の小さいポータブル電源でも、
家庭用コンセントでフル充電するのに8~10時間かかることがあります。
キャンプなどのアウトドアで使おうと思ったら、
出かける前日に充電しておかないと間に合いません。
防災用や節電用にしても、充電に長時間かかると使いたい時に使えなくて
役に立たないので買ってはいけないというわけです。
最新のポータブル電源は急速充電対応
ポータブル電源の充電に数時間かかるのは過去の話で、
最新のポータブル電源は急速充電が可能となっています。
例えば大手メーカーJackeryの容量2000Whクラスのポータブル電源は、
2時間でフル充電可能です。
(https://www.jackery.jp/products/explorer-2000-new)
600Whクラスや1000Whクラスだと、
家庭用コンセントを使うと1.7時間ぐらいでフル充電できます。
2時間程度でフル充電できるなら、キャンプに持って行く場合でも
当日の朝の準備中に充電すれば間に合いますし、普段使いでも困りません。
ただし、急速充電できるのは家庭用コンセントを使う場合だけで、
ソーラーパネルや車のシガーソケットで充電する場合は時間がかかります。
ソーラーパネルは発電量や枚数にもよりますが大体6時間以上、
シガーソケットだと15時間以上フル充電するのにかかります。
停電が発生して家庭用コンセントが使えない場合は充電に時間がかかるので、
防災用としてポータブル電源を使う場合は注意してください。
ポータブル電源を買ってはいけない理由その4
ポータブル電源を買ってはいけない理由の4つ目は「サポートが不十分」
ということです。
ポータブル電源市場は比較的新しい市場なので、
ポータブル電源を作っているのは比較的新しいメーカーが多くなっています。
ポータブル電源の世界シェア1位であるJackeryも2012年設立で、
10年ちょっとの歴史しかありません。
また海外メーカーの製品が多く、海外メーカーはサポートを最小限にして
価格を抑えるといったことをするケースが多くなっています。
比較的新しい海外メーカーがポータブル電源市場には多いため、
現状では十分なサポートが受けられないケースが少なからずあります。
実際に消費者庁のデータでは、
メーカーや販売業者と連絡が取れないケースがちらほら見受けられるのです。
それなりに価格が高く、低いとは言え発火のリスクがあるにも関わらず
サポートが不十分なので買ってはいけないというわけです。
大手メーカーはサポートも充実している
確かにサポートが不十分なメーカーは存在しますが、
大手なら比較的新しい海外メーカーでもサポートは充実しています。
何度か名前の出ているJackeryは、
ポータブル電源の世界シェア1位でアメリカのメーカーです。
Jackeryには日本法人があり、
日本語でのサポートが受けられるようになっています。
また公式サイトでポータブル電源を購入すれば最大5年の長期保証です。
「比較的新しい海外メーカーはサポートが不十分」というのはあくまで一般論で、
ポータブル電源メーカーにはサポートが充実しているところも少なからずあります。
サポートを犠牲にしているメーカーに比べると価格は少し高いですが、
「安心も一緒に買う」と思って大手メーカーの製品を選ぶようにしましょう。
ポータブル電源を買ってはいけない理由その5
ポータブル電源を買ってはいけない理由の5つ目は「廃棄が面倒」ということです。
最新のポータブル電源は長寿命と言っても、
繰り返し使っているといつかは廃棄することになります。
大きな衝撃を加えると発火する恐れのあるリチウムイオン電池を
搭載していますから、普通ゴミとしてはもちろん不燃ごみとしても処分できません。
自宅がある自治体のホームページで廃棄方法を確認して、
ルールに従って処分しなければいけないので面倒です。
処分が面倒だからと言ってずっと置いておくわけにもいかないので、
ポータブル電源を買ってはいけないというわけです。
不要なポータブル電源はメーカーが無料で回収してくれる
使わなくなった、
使えなくなったポータブル電源はメーカーに無料で回収してもらえます。
全てのメーカーではありませんが、
・Jackery
・EcoFlow
・BLUETTI
・Anker
といった大手メーカーは自社ポータブル電源を無料で回収しています。
(https://potaden.net/portablepower-dispose/)
送料は自己負担となりますが、ゆうパックなら2,000~3,000円台、
宅配便でも3,000~4,000円台といったところです。
自治体で粗大ゴミとしてポータブル電源を処分する場合は5,000円ほど
かかりますから、メーカーに回収してもらった方がお得です。
購入の際は価格や容量だけでなく廃棄方法についても確認しておく必要があり、
できれば無料回収を行っているメーカーのポータブル電源を選びましょう。
まとめ
ポータブル電源を買ってはいけない理由をいくつか紹介しましたが、
古い知識や間違った知識で買ってはいけないとされているケースも多いです。
私個人としては「絶対必要ではないけど有ると便利」ぐらいで、
買ってはいけないとは思っていません。
ただポータブル電源は決して安い買い物ではありませんから、
後悔しないように慎重に検討した方が良いですよ。
(私は慎重すぎるのでまだ購入していません)