物置にしまっていたポータブル電源を使おうとしたら電源が入らないし充電もできない、といった状況になることもあります。
しばらく使っていないので「過放電」が原因と思われますが、過放電となったポータブル電源を復活させることはできるのでしょうか?
過放電のポータブル電源を復活させるには
過放電となったポータブル電源を復活させることは難しいですが、まったく方法が無いわけではありません。
これからいくつか過放電となったポータブル電源を復活させる方法を紹介します。紹介した方法を試しても復活しないこともありますが、諦める前の最後のあがきとして試してみてください。
充電ケーブルを挿しっぱなしにする
過放電となったポータブル電源を復活させるには、「充電ケーブルを挿しっぱなしにする」という方法があります。
ポータブル電源を長期間使用せずに放置して過放電となると、自動的に安全機能が作動して充電できないようにロックがかかることがあるのです。ロックがかかったままだと充電はできませんから、いつも通りに充電ケーブルをポータブル電源本体に挿しても充電は始まりません。
充電ケーブルをポータブル電源に挿しっぱなしにすることで、ロックが解除されて充電が開始されてポータブル電源が復活するかもしれません。
長時間がどの程度かはポータブル電源の機種や過放電の状況にもより、数時間で充電開始されることもあれば24時間以上かかることもあります。
ただし、過放電でロックがかかっているとしても、ポータブル電源を長時間充電するのには危険も伴います。過放電のところにいきなり大量の電気が流れ込むと、バッテリーが膨張して発火する恐れがあるのです。
ロック解除のために長時間充電する場合は、目の届く範囲にポータブル電源を置いておき、何かしら異常が発生したらすぐに充電を中止しましょう。
何度も充電してみる
一度充電ケーブルを挿して充電が始まらないからと言って諦めるのではなく、何度も充電ケーブルを挿しなおすことも過放電から復活させるのに有効です。
過放電の状態になってから時間が経つに連れて復活が難しくなりますが、過放電になってからすぐだと復活する可能性が大いにあります。特に、充電ケーブルを挿すといったん充電ランプが点くもののすぐに消えてしまう場合には充電ケーブルの挿しなおしは有効な方法です。
充電ケーブルを挿してすぐに充電ランプが消えたらケーブルを挿しなおす、を何度か繰り返してみてください。ケーブルの抜き挿しを繰り返している内に充電ランプの点灯時間が長くなり、通常通り充電できるようになることがあります。
ポータブル電源をリセットする
ポータブル電源が充電できなくなって過放電が疑われる場合は、ポータブル電源をリセットすることでも復活が期待できます。
リセット方法はメーカーごとに違っており、詳しい方法は説明書で確認するかメーカーに問い合わせてください。
また機種によってはリセットできないものもありますから注意してください。
大手メーカーのポータブル電源のリセット方法は
・Jackery 「DISPLAYボタン」と「DCボタン」を同時に10秒長押し
・EcoFlow 「Lightボタン」と「DCボタン」を同時に長押し
・JVC 「ディスプレイボタン」を長押し
となっています。(Jackery:https://helpcenter.jackery.com/hc/ja/articles/22149733932443-%E3%83%AA%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B%E3%81%8B#:~:text=DISPLAY%E3%83%9C%E3%82%BF%E3%83%B3%EF%BC%8BDC%E3%83%9C%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%92,%E3%81%8C%E5%8F%AF%E8%83%BD%E3%81%A7%E3%81%94%E3%81%96%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82)(EcoFlow:https://potadenlabo.xsrv.jp/ecoflow_version-up/#:~:text=Eco%20Flow%E3%81%AF%E3%80%8CLight%E3%83%9C%E3%82%BF%E3%83%B3,%E8%B5%B7%E5%8B%95%E3%81%8C%E5%AE%9F%E6%96%BD%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82)(JVC:https://faq3.jvckenwood.com/jvc/web2/faq/Detail.aspx?id=106966&isCrawler=1)
Ankerは機種によってリセット方法が違っており、PowerHouseⅡ400と800は
1.AC、DC&USB、シガーソケットのいずれか1つのボタンを押す
2.シガーソケットボタンと側面の丸い(フラッシュライト)ボタンを同時に押す
3.ACボタンと側面の丸い(フラッシュライト)ボタンを同時に押す
4.AC、DC&USB、シガーソケットの3つのボタンを10秒長押し
でリセットできます。(https://www.ankerjapan.com/blogs/faq/powerhouse-ii-400)
PortablePowerStationシリーズは、製品の背面もしくは正面にリセットホールがあり、クリップなど先端の細いものを差し込むとリセット可能です。
ACアダプタをDC入力に挿す
ネット情報なのでどこまで信憑性があるか分かりませんが、ACアダプタをDC入力に挿すことでポータブル電源が復活することがあるそうです。
ポータブル電源に関する知識があまりないのでよく分からないのですが、過放電となったバッテリーに直接外部から電圧を加えると復活するとのことです。本来は、ポータブル電源を分解してバッテリーに特殊な設備を使って直接電圧を加えるのだとか。
専門知識もスキルも無いのにポータブル電源を分解するのは危険ですし、バッテリーに直接電圧を加える設備も持っていないのが普通です。ACアダプタをDC入力に挿すことで、バッテリーに直接電圧を加えるのと同じ効果が期待できるとのことです。
3~5秒おきに挿しては抜いてを数十回繰り返せば、過放電のポータブル電源が復活することがあります。
メーカーサポートへの問い合わせ
これまでに紹介した方法を全て試しても復活しない場合は、最後の手段として「メーカーサポート」に問い合わせましょう。
メーカーサポートはあらゆる事態を想定して、充電できるようになる可能性がある方法を提案してくれます。ここで紹介した方法はもちろん、ネットで調べても出てこないような方法を教えてくれることがあるかもしれません。
提案してくれた方法をすべて試してもダメな場合は、バッテリーの交換もしくは買い替えが必要です。
保証期間内であれば、無償で修理・交換してもらえる可能性もあります。
ポータブル電源が過放電になるとどうなる?
これまでに紹介した方法などで復活したとしても、過放電による影響がポータブル電源に残っていることが考えられます。
では、ポータブル電源が過放電になるとどういった影響が出るのでしょうか?
バッテリーの劣化が早まる
ポータブル電源が過放電になると、バッテリーの劣化が早まって製品の寿命が短くなってしまいます。
ポータブル電源のバッテリーには、スマホなどと同じ「リチウムイオン電池」が使われています。
リチウムイオン電池には「正極」と「負極」という2つの電極があり、それぞれ電解液に浸かっています。
充電する時は、正極から負極に向かってリチウムイオンが電解液の中を移動、負極にリチウムイオンが蓄えられることで充電できるのです。反対に放電する時は、負極から正極に向かってリチウムイオンが移動、正極にリチウムイオンが溜まることで充電切れとなるわけです。
過放電の状態になると、負極に使われている銅箔が電解液の中に溶けだしてしまいます。銅箔が溶けることで負極に蓄えられるリチウムイオンの量が減り、いわゆる「バッテリーの持ちが悪く」なってしまいます。
過放電の状態が長く続いて銅箔の溶け出す量が多くなると、負極にリチウムイオンが蓄えられなくなって充電できなくなるのです。
小容量のポータブル電源やスマホに使われるリチウムポリマー系リチウムイオン電池なら、大体500回の充電サイクルに耐えられます。大容量のポータブル電源に使われるリン酸鉄系リチウムイオンだと、2000~4000回の充電サイクルを繰り返しても大幅には劣化しません。
しかし過放電の状態になるとバッテリーの劣化が早まり、リチウムポリマー系でもリン酸鉄系でも少ない充電サイクルでバッテリーの持ちが悪くなってしまうのです。
復活すれば良いというものではなく、過放電になることで4~5年使えるものが1~2年、10年使えるものが4~5年で使えなくなってしまうかもしれません。
安全性の問題も発生
ポータブル電源は過放電になることで「安全性の問題」も発生します。
ポータブル電源が過放電になることで、リチウムイオン電池内部の電極帯が劣化します。充電することで劣化した電極帯に電気が流れると、電極帯が発熱して可燃性のガスが発生するのです。
さらに過放電によって溶け出した負極の銅箔が、ショートを引き起こすデンドライト(針状結晶)を形成します。デンドライトによってショートすると、劣化した電極帯の発熱により発生した可燃性ガスに引火して発火するというわけです。
過放電になってから時間を置かずに充電すれば大丈夫ですが、過放電の状態で長期間放置してポータブル電源を充電すると発火のリスクが高くなります。ですからポータブル電源を安全に使うためには、過放電にならないように注意しなければならないのです。
ポータブル電源が過放電にならないようにするには
ポータブル電源を安全に使うには過放電にならないようにしなければいけません。
ではポータブル電源が過放電にならないようにするはどうすれば良いのでしょうか?
こまめに充電する
当たり前すぎる方法ですが、ポータブル電源を「こまめに充電」すれば過放電になりません。
充電した状態でポータブル電源を保管していたとしても自然放電して、いずれは過放電となってしまいます。
例えばスマホの充電を100%にしてそのまま使わずに放置しても、しばらくすると充電が減っています。スマホの場合は電源が入っているからでもありますが、自然放電によっても充電が減っているのです。
長期間ポータブル電源を使用しない場合は、フル充電とは言いませんが少なくとも60~80%は充電がある状態にしておきましょう。その上で1か月に1回は電源を入れて充電がどのぐらい残っているか確認、20%前後まで減っていたら充電します。
充電が20%を切るとバッテリーの劣化が早まるので、20%を切らないように注意することで長期間使わなくてもポータブル電源を長持ちさせられます。
リン酸鉄系リチウムイオン電池のポータブル電源を選ぶ
これからポータブル電源を購入するあるいは買い替える場合は、バッテリーが「リン酸鉄系リチウムイオン電池」のものを選ぶと良いでしょう。
そもそもリチウムイオン電池は鉛蓄電池に比べると自然放電率が低いのですが、リン酸鉄系リチウムイオン電池は特に自然放電率が低いです。
バイクなどのバッテリーに使われる鉛蓄電池は月に20%ほど自然放電しますが、リン酸鉄系リチウムイオン電池は月に1%ほどしか自然放電しません。月に20%も自然放電するとかなりこまめに充電しないといけませんが、月1%程度ならある程度長期間放置していても過放電にはならないです。
リン酸鉄系は長寿命でもありますから、頻繁に使うにしろ長期間使わないことがあるにしろリン酸鉄系リチウムイオン電池のポータブル電源がおすすめです。
まとめ
過放電の状態のまま長期間放置したポータブル電源を復活させることは、不可能と言っても良いぐらい難しくなっています。
しかし過放電になってからそれほど時間が経っていなければ、今回紹介した方法で復活する可能性があります。
ただ復活しても一度過放電になるとポータブル電源には良くない影響があるので、できるだけ過放電にならないようにすることが重要です。