やりがいを感じて前向きに仕事に取り組んでいる人も居れば、
「金さえもらえればいい」といった姿勢で仕事に取り組んでいる人も居ます。
(私はどちらかと言えば後者・・・)
与えられた仕事を淡々とこなしているだけで給料がもらえれば最高だと思うのですが、
こういう考え方はビジネスパーソンとしてダメなのでしょうか?
仕事は金さえもらえればいいと思う理由
私、もとい「金さえもらればいい」という姿勢で仕事に取り組んでいる人は
「自分が頑張っても会社に与える影響は小さい」と考えています。
従業員が10人以下の小規模な会社であれば、
従業員1人の働きによって会社の業績が大きく変わることもあります。
しかし従業員が数十人数百人も居る会社だと、
従業員1人の働きで会社の業績が大きく変わることはまずありません。
1人の従業員がとんでもない不祥事を起こしても会社が傾くことまでは無いです。
(巨額横領が発生している有名企業もあるhttps://www.manegy.com/news/detail/7846/)
反対に1人の従業員がとんでもない業績を上げたところで、
その会社がいきなり業界トップに躍り出るといったこともありません。
会社の経営状況に大きな営業を与えないのであれば、必要以上に仕事に
のめり込まずに「金さえもらえればいい」というスタンスになってしまうこともあるのです。
仕事にやりがいを求めたくない、仕事を生きがいにしたくない
仕事にやりがいを求めたくない、仕事を生きがいにしたくないと思っている人は
「金さえもらえればいい」というスタンスになりやすいです。
就活の時に「やりたい仕事」を探して、
そのやりたい仕事ができる会社を選んで就職します。
入社してしばらくはやる気に満ち溢れていますから、
「いずれやりたい仕事ができる」と思って何事にも一生懸命取り組みます。
ところが研修期間が終わって部署に配属されて本格的に仕事を始めると、
「やりたい仕事を全然やらしてもらえない」となることが少なくありません。
実際にやりたい仕事を任せてもらうにはある程度キャリアを積む必要があり、
新人がいきなりやりたい仕事をやらせてもらえることはほとんど無いです。
しかしやりたい仕事がいつまで経ってもできないとなると、
情熱を失って仕事すること自体に嫌気が差してしまいます。
仕事に嫌気が差しても辞めるわけにはいかないので、仕事にやりがいを求めずに
「金さえもらえればいい」というスタンスになってしまうわけです。
私のようなアラフォーの親世代(70代以上)には、
まさに「仕事だけが生きがい」という人が少なくありませんでした。
自分のため家族のため定年まで一生懸命働き抜いたものの、退職して生きがいである
仕事を取り上げられると抜け殻のようになってしまうケースがあります。
私の父親はそういうタイプではありませんが、親戚など両親の周辺には
定年退職で生きがいを失ってしまったという人が何人か居るそうです。
定年後に抜け殻のようになってしまう人を見て、「仕事を生きがいにしたくない」となって
「金さえもらえればいい」というスタンスになることも少なからずあります。
仕事は生きがいを見つけるためのツール
定年後に抜け殻のようにならないためには、
現役の内から仕事以外の生きがいを見つけておかなければいけません。
生きがいを見つけるためには色々なことを体験する必要があり、
色んな体験をするには「お金」がかかります。
また見つけた生きがいを持ち続けるためにも「お金」は欠かせません。
例えば趣味でゴルフを始めるにはクラブを買い揃える必要がありますし、
練習場やゴルフ場を利用するのにもお金が必要です。
ゴルフを通じてできた仲間とゴルフを末永く楽しむには、
それなりにお金がかかってしまいます。
生きがいを見つけるため、持ち続けるために必要なお金を稼ぐツールとして
仕事をしている人も少なからず居るのです。
このような生きがいのために仕事をしているという人は、
仕事に対して「金さえもらえればいい」というスタンスになりやすいです。
職場が原因で「金さえもらえればいい」となることも
自分の生き方や考え方ではなく、仕事をしている職場が「金さえもらえればいい」という
スタンスになってしまう原因となるケースもあります。
職場が原因で「金さえもらえればいい」となるケースで一番多いのは、
「仕事に対する正当な評価が受けられない」場合です。
仕事が生きがいとばかりに一生懸命働いて成果も上げたのに、
昇進や昇格はおろか昇給すら無いとなると仕事に対するやる気を失ってしまいます。
昇進・昇格したものの、
仕事だけ増えて給料が増えないといったケースも正当な評価が受けられていません。
自分とキャリアも能力も変わらない同僚が、
自分よりもはるかに早く出世していくと「正当な評価を受けられていない」と感じます。
いくら頑張って成果を上げても評価されないなら、
クビにならない程度に働いて「金さえもらえればいい」というスタンスになってしまいます。
労働環境が良くない
働く環境が良くない場合も「金さえもらえればいい」というスタンスになりやすいです。
例えば9時始業なのに8時までの出社が求められる(もちろん時間外はつかない)、
終業時間を過ぎても上司や先輩が帰るまで帰れないなどといったケースです。
サービス残業させられる、休日出勤は当たり前、
拘束時間に対して給料が安すぎるなどといった場合も労働環境が悪いと言えます。
労働環境が悪いと仕事にやりがいなんてありませんから、
給料をもらうことだけが仕事に対するモチベーションとなります。
ブラック企業なら転職を決断できますが、ブラック企業までいかないと転職を決断できず
「金さえもらえればいい」というスタンスでズルズルと働き続けてしまうのです。
理不尽な扱いを受ける
労働環境の悪さにも含まれますが、
職場で理不尽な扱いを受けている場合も「金さえもらえればいい」となりやすいです。
たとえば、上司の言っていることが毎日のように変わる、
しかも前回言ったことと今回言っていることが矛盾している。
その上「どうすれば良いですか?」と上司にお伺いを立てると「自分で考えろ」と
言われてしまう。
他にも上司の指示通りにやったのに「何をやっているんだ!」と叱られる、
上司のミスを自分のせいにされる。
考えただけでもゾッとしますが、
実際にこういった理不尽な扱いを受けている人も少なからず居るはずです。
さすがにこれだけ理不尽な扱いを受けると仕事に対するやる気を失って、
「金さえもらえればいい」となってしまうのも仕方ないですね。
「金さえもらえればいい」は悪くない
「金さえもらえればいい」というスタンスで仕事をすることは、
会社にとっては悪いことですが、働く側にとっては決して悪くありません。
「金さえもらえればいい」というスタンスで仕事をすることは「自分を守ること」にも
繋がります。
厚生労働省の調査によると年々日本の労働環境は良くなっていますが、
それでも過労によって亡くなる人が年間2万人を超えています。
(https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000845668.pdf)
仕事でのストレスに加えて、
過労によって蓄積した疲労で体調を崩してしまうケースが多いです。
「金さえもらえればいい」というスタンスだと、仕事で受けるストレスは減りますし、
適度に休むの過労になりにくいです。
過度なストレスを受けず、適度に休養が取れていれば体調を崩すリスクも
下がりますから、「金さえもらえればいい」というスタンスが自分を守ることになります。
仕事が長続きする
「金さえもらえればいい」というスタンスで仕事をすることで、
かえって仕事が長続きします。
やる気に満ち溢れて仕事にのめり込むと、
自分を追い込んで精神的にパンクしてしまうことがあるのです。
精神的にパンクしてしまうと仕事をすること自体が難しくなり、
復帰するまでに年単位の時間を要することもあります。
しかし「金さえもらえればいい」というスタンスだと、
自分を追い込むことはありませんから精神的にパンクすることはありません。
金をもらうことが目的となるので給料日を迎えることがモチベーションとなり、
かえって仕事が長続きするのです。
「金さえもらえればいい」と考えることで、
肩の力が抜けて良い結果が出るようになり出世したなんてこともあります。
「金さえもらえればいい」には良くない面も
「金さえもらえればいい」というスタンスには良い面もありますが、
ビジネスパーソンにとって良くない面もあります。
「金さえもらえればいい」というスタンスでは、
仕事に対するモチベーションが「金をもらうこと」だけになってしまいます。
金がもらえることは何よりのモチベーションですが、
モチベーションがそれだけだとすぐに低下してしまう恐れがあるのです。
たとえば海外旅行に行きたいと考えているとすると、海外旅行に行く金が
貯まった時点で仕事に対するモチベーションが下がってしまいます。
欲しい物ややりたいことがある内は、
金をもらうことが強いモチベーションとなって仕事が続けられます。
しかし欲しい物ややりたいことが無くなってしまうと、金をもらうことへのモチベーションが
低下、同時に仕事をすることがどうでもよくなってしまうのです。
またいくら働いても給料が上がらない、
会社の業績悪化で給料が下がるといったことでもモチベーションが下がってしまいます。
仕事に対するモチベーションが「金をもらうこと」だけだと、
すぐにモチベーションが低下してやる気を失いかねません。
成長の機会を逃す
「金さえもらえればいい」というスタンスで仕事をしていると、
自分自身が成長する機会を逃すケースが多いです。
「金さえもらえればいい」というスタンスだと「金にならない仕事」はしなくなります。
たとえば仕事終わりに上司や同僚と飲みに行く、
休日に開催されるセミナーや勉強会に参加するといったことです。
上司や同僚と飲みに行くことは金にならないどころか金がかかりますが、
飲みの場でしか聞けない話もあります。
酒が入ると職場では聞けないことや聞きにくいことも聞けてしまうので、
一見無駄な飲みの場は自分が成長する機会でもあるのです。
セミナーや勉強会は言わずもがなで、
参加するだけでこれからの仕事に役立つスキルや知識が見つけられます。
またセミナーや勉強会の参加者との繋がりもできますから、
人脈を広げるのにも役立ちます。
休日開催のセミナーや勉強会への参加費用は会社が負担してくれることも多いので、
参加しないのはタダで成長できる機会をみすみす逃すことになるのです。
まとめ
「金さえもらえればいい」というスタンスで仕事をすることは決して悪いことでは
ありません。
ただ仕事に対するモチベーション低下を招きやすく、
自分が成長する機会を逃す恐れが高いです。
仕事にやりがいが感じられずに「金さえもらえればいい」と考えているなら、
思い切って転職するのも1つの方法ですよ。
私は「金さえもらえればいい」に近い考え方ですが、
そこまで割り切れていないので、もうちょっと今の仕事を頑張ってみます。