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氷河期世代に子供いないのが少子化の原因?

日本の少子化は1970年代から始まっており、
2000年代に入ってからさらに顕著となっています。

少子化の要因は色々考えられますが、私は「いわゆる氷河期世代に
子供がいない」が少子化の大きな要因ではないかと考えています。

氷河期世代と少子化

氷河期世代以外の人は「氷河期は就業問題であって少子化問題とは関係ない」
と思うかもしれません。

1990年代中頃から2000年代初めにかけて、
具体的に1993年から2005年に就活を行ったのが氷河期世代です。

バブル崩壊後の不景気でほとんどの企業が新卒を大量に採用する余裕が無く、
新卒で正社員として採用されることが非常に難しかったのです。

それと生まれてくる子供の数が少ない少子化に何の関係があるのか、
と普通は思いますよね。

われわれ氷河期世代は、新卒で正社員として就職することが難しい状況でした。

同時に氷河期と言われた頃は、
派遣社員や契約社員など非正規雇用が拡大した時代でもあったのです。

正社員として就職することが難しかったので、多少条件が良くなくても
正社員で採用してくれるのであれば内定を受けざるをえませんでした。

条件の良くない企業すら内定がもらえない場合には、
派遣など非正規雇用で働かざるをえません。

条件が良くない企業や非正規雇用で働くということは、給料は安いですし、
いくら働いても給料が上がりにくいです。

給料の安い・上がりにくいとライフプランが立てにくいため結婚しづらく、
結婚したとしても子供が作れません。

氷河期世代は就職が難しかったため、
非正規など不安定な条件で働くしかありませんでした。

仕事が不安定だと結婚することすら難しく、結婚しても子供が作れないため、
結果的に少子化に拍車をかけることになったというわけです。

氷河期世代は未婚率が高い

氷河期世代が少子化に影響を与えている証拠として、
氷河期世代の未婚率が他の世代と比べて高いことが挙げられます。

少し古いデータですが、2013年の氷河期世代を対象とした調査では
約34%が未婚と回答しています。
(https://riwac.jp/admin/wp-content/uploads/2013/09/0959f80d36a9791109fb535f0f2f31bd1.pdf)

同じ調査では氷河期より上の世代の未婚率は約18%ですから、
氷河期世代の未婚率は上の世代と比べて約2倍となっているのです。

2013年は今から10年以上前ですが、
氷河期世代は30代半ばから40代初め頃となります。

晩婚化が進んでいる現在でも30代半ば以降は、
初めて結婚するには少し遅いぐらいです。

20代や30代初め頃は未婚率が高くて当然なのですが、
30代半ばになっても未婚率が高いのは当然とは言えません。

やはり非正規雇用など良くない条件で働くざるをえなくなったことが、
結婚できないことに繋がっていると言えるのではないでしょうか。

結婚が遅くなれば子供も作りにくい

「2013年のデータで未婚率が高くても、その後に結婚して子供を作っているかも
しれない」という反論もあるかもしれません。

確かに晩婚化が進んでいますから、
30代後半や40代になってから初めて結婚する人も少なくないです。

ただ30代後半や40代になってから結婚しても、少子化の歯止めにはなりません。

男性は基本的に何歳でも子供が作れますが、子育てには体力が必要ですから
30代後半から2人も3人も子供を作ることは多くないです。

女性は子供を作るのにタイムリミットがあるので、30代後半や40代になってから
結婚すると子供は作れても1人というケースが多いです。

年齢を重ねてから結婚しても子供は作っても1人もしくはそもそも作らない
ということになって、少子化に歯止めがかかりません。

30代半ばの時点で未婚率が高いということは、
氷河期世代が少子化に拍車をかける要因になっていると言えるわけです。

氷河期世代は最後のボリュームゾーン

氷河期世代は、現在の日本の人口的には最後のボリュームゾーンです。

終戦直後は出生率が大幅に落ちましたが、1947年から1949年にかけての
「第一次ベビーブーム」によって出生率が5を超えます。

その後1970年までは出生率が3台で推移しますが、
1971年から1974年の「第二次ベビーブーム」で出生率は再度4を超えました。

1975年以降の出生率は下がり続けて、2023年には1.2となっています。
(https://sukusuku.tokyo-np.co.jp/birth/67287/)

第一次ベビーブームの頃に生まれたのがいわゆる「団塊の世代」で、
第二次ベビーブームは団塊の世代の子供いわゆる「団塊ジュニア」です。

我々氷河期世代は団塊ジュニアよりも少し下の世代ですが、
それでも出生率が3を超えている頃に生まれた世代です。

今よりははるかに子供の数が多く、私が中学生の頃は10クラスで
同級生は400人ほどいましたし、高校は定員480人で12クラスでした。

私の出身中学は現在1学年8クラスで300人程度、
出身高校は定員が280人なので恐らく1学年7クラスだと思われます。

中学では100人、高校では200人も1学年の人数が少なくなっていますから、
確実に私が中学高校の時よりも子供の数が減っているのです。

我々氷河期世代は最後のボリュームゾーンであり、
本来は団塊ジュニアとともに「第三次ベビーブーム」の担い手となるはずでした。

ところが氷河期による就職難で働くことさえままならず、
自分の生活で精一杯となり子供を作るどころか結婚することすら難しかったのです。

最後のボリュームゾーンである氷河期世代が子供を作れなかったため、
第三次ベビーブームは訪れずに少子化が決定的となってしまいました。

氷河期世代は結婚できず子供が作れないのは自己責任?

一口に氷河期世代と言っても、
当然ですが全員が就職できなかったわけではありません。

一流大学や有名大学の学生はOBのツテで就職できることもありましたし、
親族のコネがあれば就職は難しくありませんでした。

そうした氷河期でも比較的すんなり就職できた人たちは、仕事ではキャリアを
重ねて昇進昇格し、プライベートでは結婚して子供を作っています。

同じ氷河期でもいわゆる「勝ち組」は、就職や結婚もままならなかった同世代を
見て「自己責任」「努力が足りない」と蔑んでいます。

就職や結婚がままならなかった氷河期世代も人並みに努力しており、
決して怠けていたわけではありません。

いわゆる勝ち組は運が良かっただけで、
人並みに以上努力したわけでも才能があったわけでもないのです。

氷河期世代が今なお苦しんでいるのは自己責任ではなく、
あくまで社会に翻弄された被害者だからです。

氷河期世代は人手不足の要因でもある

氷河期世代は少子化の要因であるとともに、「人手不足」の要因ともなっています。

氷河期が終わった2006年以降は少しずつ失業率も改善されましたが、
リーマンショックによって再び就職難、高失業率の時代となります。

しかしリーマンショックを切り抜けた後は求人倍率は上昇して失業率は低下、
雇用環境は比較的安定してきている現状です。

近年は外国人観光客の増加によるインバウンド需要で、
反対に色々な業界で人手不足が発生しているほどです。

2022年時点で企業の未充足求人が約130万人、
簡単に言うと日本全体で130万人もの働き手が不足していることになります。
(https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2023/05/report_230508_01.pdf)

2019年の総務省の調査によると、
氷河期世代の無業者は約40万人となっています。
(https://www.stat.go.jp/data/roudou/rireki/nen/ft/pdf/2019.pdf)

氷河期世代の無業者がちゃんと働ければ、
未充足求人の3分の1ほどが解消される計算になるのです。

今更就業支援をしても遅い

じゃあ氷河期世代の無業者に就業支援をすれば人手不足が多少解消されるか、
というとそう簡単にはいきません。

氷河期世代の無業者の中には、一生懸命働いてきたけど会社が倒産した、
リストラされたなどで無業となって人もいます。

こうした人は就業支援によって再び労働力として復帰できますが、
長らく仕事をしてない無業者も少なくありません。

人によっては、
新卒時に就職できず無業のまま40代を迎えたというケースもあります。

長らく仕事をしていなかったり、
ずっと無業の氷河期世代に今更就業支援をしても、労働力とするのは難しいです。

人手不足解消を目的とした氷河期世代への就業支援は10年、
いや20年は遅いと言えます。

氷河期の就職難を国や自治体がもっと真剣に考えて、
氷河期世代が20代の頃に大規模な就業支援をしておくべきでした。

氷河期世代の無業者は決して怠けものではない

氷河期世代の無業者が40万人と聞いて、
「怠けものが40万人もいるのか」と思った人も少なくないかもしれません。

しかし、現状で働いていないからと言って、
氷河期世代の無業者が必ずしも怠けものとは限りません。

就職したのに退職して長らく働いていない人は、
働くのがイヤになったのではなく働くのが怖くなったのです。

最近はパワハラだのモラハラだの、
上司の部下に対する接し方に注意が払われるようになってきています。

ところが我々が若い時はパワハラ・モラハラ上等で、
ミスをすれば上司や先輩に当たり前のように怒鳴られていました人前で。

さすがに手を出されたことはありませんが、
人格を否定されるようなことは数えきれないほどあります。

女性はパワハラ・モラハラに加えてセクハラもありましたから、
それらが度を過ぎると働くのが怖くなって仕事を辞めてしまうこともあるのです。

心の傷はなかなか癒えませんから、
また同じ目に遭うのではないかと思うと再就職に踏み出せません。

こうした氷河期世代の声にならない叫びを国や自治体は無視し続け、
見捨てた結果が少子化や人手不足に繋がっています。

氷河期世代を無視して見捨てたのは国や自治体だけでなく、
氷河期より上の世代もです。

根性論がまかり通り、パワハラ・モラハラ・セクハラに屈する方が悪い、
根性が無い、こらえ性が無いなどと氷河期を叩き続けました。

そうした行為が、自分たちの老後の年金や医療費を支える労働力を減らしたことを
上の世代には自覚してもらいたいです。

まとめ

氷河期世代に子供がいないことが、
現在の少子化の大きな要因の1つとなっています。

就職難で正社員として就職することが難しく、
派遣など非正規雇用で働かざるをえない人が少なくありませんでした。

正社員として就職できても条件が良くなくて給料が上がらず、
結婚することすらままならなかったのです。

私も氷河期世代で独身子なしですが、私は比較的すんなり就職できましたし、
条件もそれほど悪くありません。

それでも独身で子供いないのは、
単純に出会いがなかった(モテなかった)からです。

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この記事を書いた人

はじめまして、こんにちは。
HN:ミカエルといいます。
1978年生まれ、40代独身の中小企業サラリーマンです。ずっと平社員、つまり「ヒラ」です。

もともと理系ですが、プログラミングなどの専門スキルはなく、PCも人並みに使える程度。性格は内向的で、人前で話すのは大の苦手。そんな自分なりに頑張ってきたつもりですが、気づけば40代になっても平社員のまま。悔しさや惨めさを感じたこともありましたが、これからは気持ちを切り替え、「仕事は仕事」と割り切りながら、健康に気をつけつつ、投資や副業で新しい道を模索していこうと考えています。


「ヒラサラ」について
「ヒラサラ」は、意識低めの40代平社員が、会社や仕事に振り回されず、無理なく生きるためのヒントを発信するブログです。

社会では「出世しないとダメ」「頑張らないと負け組」といった風潮が根強いですが、私は「優秀じゃないと受け入れられない社会」から降りる選択肢もアリだと考えています。

このブログでは、
✅ 仕事は仕事と割り切る考え方
✅ 健康を維持しながら無理なく働く方法
✅ 副業・投資を活用して人生の選択肢を広げるヒント
✅ 会社に依存せず、個人としての価値を高める方法

などを、リアルな経験を交えながら発信していきます。

「仕事一筋じゃなくてもいい」「平社員のままでも幸せになれる」
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