リモートワークが一般的となった2020年頃から働き方も多様化しており、
2022年頃からは「静かな退職」を選択する人も徐々に増えてきています。
私も静かな退職には興味を持っていますが、
そもそも静かな退職とはどういうものなのかやり方などを詳しく見ていきましょう。
「静かな退職」は実際に退職するわけじゃない
静かな退職は現在注目されている働き方の1つで、
実際に退職するわけではありません。
ちゃんと会社に行って仕事をするけれども、
退職しているかのように身体的・精神的に余裕を持った働き方のことです。
(https://www.safetynet.co.jp/column/20240603/)
もっと具体的に言うと、
自分に与えられた必要最低限の仕事をするだけという割り切った働き方です。
最低限の仕事しか与えられずに仕事をしたくてもできないいわゆる窓際族と違って、
静かな退職は自ら必要最低限の仕事しかしません。
残業や休日出勤当たり前でプライベートの時間を削ってでも働く
といったことはせず、仕事とプライベートをしっかりと切り分けます。
昇進・昇格を目指して一生懸命働くわけでもなく、
会社や上司に不満があって働かないというわけでもありません。
あくまで仕事は仕事として与えられたものはしっかりとこなす、
与えられた仕事以外はしないというのが静かな退職という働き方なのです。
実際に退職するのは「サイレント退職」「騒がしい退職」
静かな退職と似た言葉で、実際に退職するのは「サイレント退職」や
「騒がしい退職」と言われます。
(https://forbesjapan.com/articles/detail/64163)
サイレント退職や騒がしい退職は、これまで特に不満を漏らすことも無く
普通に働いていたのに、ある日突然「辞める」と言い出します。
会社や上司に退職の意向を伝えて1か月程度の引き継ぎ期間があってから
退職する、というのが一般的です。
しかしサイレント退職や騒がしい退職では、
突然「辞める」と言って引き継ぎ期間も無しに出社しなくなります。
弁護士や退職代行などの代理人を通して退職願を提出して、
一切話し合いには応じません。
退職を言い出すまでは静かにしているので「サイレント退職」、辞めると言ってから
退職するまでの期間が短く慌ただしいので「騒がしい退職」と言われるのです。
静かな退職のやり方
静かな退職には私も興味があってやってみたいと思っていますが、現状で
任されている仕事もあるので必要最低限だけ働くというのは簡単ではありません。
では静かな退職という働き方を選ぶにはどうすれば良いのか、
具体的なやり方を調べてみました。
定時に退社する
静かな退職を始める第一歩目は「毎日定時に退社する」ことです。
最近はできるだけ残業せずに早く帰るように言われることもありますが、
任されている仕事を期限内に終わらせるには残業せざるをえません。
任されている仕事が一段落すれば定時近くに帰れることがあるものの、
それでも1時間ぐらいは残業するというのが当たり前になっています。
(しかもサービス残業だったりする)
それを残業せずに、毎日定時になったら退社するのが静かな退職です。
ただ仕事をほったらかして退社するわけにはいきませんから、
その日の内に済ませるべき仕事は定時までに終わらせておく必要があります。
静かな退職をするには、時間を有効に使って効率よく働くことが求められます。
職務記述書に無い仕事は断る
「職務記述書」に記載されていない仕事を断るのも、
静かな退職を選択する上では重要です。
日本ではあまり馴染みがありませんが、
予め職務内容を明確に決めておく「ジョブ型雇用」という制度があります。
このジョブ型雇用で働いているビジネスパーソンは、会社との間で職務内容や
勤務時間・場所などに関する職務記述書を交わしています。
職務記述書に記載されている職務内容以外のことはする必要がありませんから、
上司などから別の仕事を頼まれても断ることができます。
会社と職務記述書を交わしているビジネスパーソンは少ないかもしれません。
しかし職務記述書があるなら、
職務記述書を盾に他の仕事を断ることで静かな退職が実行できます。
職務記述書に記載されている以外の仕事を断れば、必然的に残業も減りますから、
結果的に先の「定時に退社」も可能となります。
ボランティアのような働き方はしない
静かな退職では「ボランティアのような働き方」をしないことも重要です。
日本のビジネスパーソンの多くは、明確に仕事の範囲が決まっていないことも
あって、会社で働いたこと全てに対して給料が払われていると考えています。
しかし実際には、給料に反映されているのは与えられた範囲内の仕事だけで、
範囲から外れた仕事に関しては給料には反映されません。
要するに、同僚の手伝いなど本来自分が任されていない仕事をしても、
それはボランティアでしかないということです。
静かな退職では、こうした自分が任された範囲以外の手伝いなど
ボランティア的なことはしないのです。
他の人の仕事を手伝ったところで感謝されることはあっても、
それが評価されて給料が増えるといったことはありません。
そもそも静かな退職をしているので給料が増えることは望んでおらず、
給料が増えるとしても自分の範囲外の仕事はする必要がないのです。
勤務時間外の連絡への返信は拒否
静かな退職では、勤務時間外の連絡に対する返信は全て拒否します。
帰宅してゆっくりしている時やそろそろ寝ようかという時に、
上司から電話がかかってきたりLINEが入ったりすることがあります。
休日に取引先から電話やメールが来て、
急遽休日出勤しないといけなくなるといったことも営業職だと少なくありません。
静かな退職では、誰からであろうとこういった勤務時間外の連絡に対する返信を
一切拒否するのです。
法制化はされていないものの、
労働者には「つながらない権利」というものが一応あります。
つながらない権利とは、勤務時間外や休日などに仕事に関する連絡への対応を
拒否できる権利のことです。
(https://www.hrpro.co.jp/glossary_detail.php?id=185)
たとえ電話やLINEだけでの対応であっても仕事は仕事ですから、
連絡に対応すると残業となって残業代が発生します。
上限を超える残業や休日出勤を会社が社員にさせるには、
「36協定」を締結しないといけません。(https://www.teamspirit.com/contents/knowledge/36agreement.html)
36協定を締結していないのであれば、
社員は少なくとも休日の仕事に関する連絡は拒否できます。
上司などから休日出勤を命じられる場合は、
36協定を締結していないことを盾に拒否しましょう。
ただ、上司や同僚からの連絡はまだしも、取引先からの連絡に勤務時間外だから
休日だからと言って対応しないのは難しいですけどね・・・。
仕事に必要以上に感情移入しない
静かな退職を実行するには、
任せられた仕事に対して必要以上に感情移入しないようにしないといけません。
仕事に対して必要以上に感情移入すると、
ライフワークのようになって仕事とプライベートの区別が無くなってしまいます。
静かな退職を実行するのであれば、
仕事は仕事として感情移入せずに淡々とこなすことが重要です。
静かな退職のメリット
会社勤めをしているビジネスパーソンが静かな退職という働き方を選ぶのには、
いくつかメリットがあります。
身体的・精神的にゆとりが持てる
静かな退職という働き方をすることで、
身体的にも精神的にもゆとりが生まれるのです。
毎日のような残業や休日出勤も厭わないという働き方では、
疲れを癒す暇もありませんから身体的に追い詰められてしまいます。
上司や同僚の期待に応えないというプレッシャーを感じながら仕事をすることで、
精神的にも追い込まれます。
精神的に追い込まれているにも関わらず残業や休日出勤で休む暇が無いと、
身体を壊すことにも繋がるのです。
いくら会社のために働いて身体を壊しても、「働き方と身体を壊したことに
因果関係が認められない」として労災を認めてもらえません。
ハッキリ言って身体を壊すまで働くのは損しかありませんから、
静かな退職で自分の身体と精神を守ることも大切です。
プライベートの充実
静かな退職を実行すると、プライベートを充実させられます。
基本的に残業や休日出勤はしませんから、
退社後や休日はすべてプライベートの時間となって自分のために使えます。
働いていると学生時代のように自由に使える時間が少なくなるので、
やりたいと思っていることの全てはできません。
やりたいけど時間が無いと諦めていたことも、
静かな退職を実行することでできるようになります。
プライベートが充実すると精神的に安定するので、
かえって仕事へのやる気が出てくるといったことも考えられるのです。
静かな退職にはデメリットもある
ビジネスパーソンが静かな退職を選ぶことにはメリットもありますが、
少なからずデメリットもあります。
成長しなくなる
静かな退職という働き方をすることで、
人間としてもビジネスパーソンとしても成長しなくなる恐れがあるのです。
残業や休日出勤はしないので身体的な疲労は少なく、
周囲からのプレッシャーを感じないので精神的に追い込まれることもありません。
追い込まれたからといって必ずしも成長するわけではないものの、
追い込まれたところを乗り越えると成長することがあるのも事実です。
静かな退職では身体的にも精神的にも追い込まれることがないので、
一般的な働き方よりは成長できる機会が少なくなってしまいます。
一生懸命働けば重役クラスになれたかもしれないのに、
静かな退職によってそのチャンスも逃すことになるかもしれません。
本当の退職に追い込まれる
静かな退職という働き方をしていると、
実際に退職へと追い込まれる恐れもあります。
現状は法律によって従業員の解雇が規制されているため、
会社側が従業員を簡単に解雇できないようになっています。
(https://kigyobengo.com/media/useful/2932.html)
しかし2024年9月現在、一部の国会議員の間で解雇規制緩和が話題となっており、
解雇規制に関する法律が改正される可能性も出てきているのです。
現行法では、必要最低限とは言えちゃんと仕事をしている従業員を会社側が
一方的に解雇することはできません。
解雇規制が緩和されると、ちゃんと仕事をしていると言っても
必要最低限のことしかしないことを理由に解雇される恐れがあります。
あくまで「退職したかのように」ゆとりを持って働くのが静かな退職で、
実際に退職してしまっては意味がありません。
静かな退職という働き方を選ぶのであれば、
今後の政治の流れにも注目しておく必要があるのです。
昇進・昇格を諦めないといけない
現状では解雇される可能性は低いですが、
静かな退職を実行すると昇進・昇格は諦めないといけません。
元々出世するつもりが無いなら良いですが、出世したい・給料を増やしたいと
考えている人には静かな退職という働き方は合わないです。
昇進・昇格を諦めるということは言い方は悪いですが「一生ヒラのまま」で、
当然給料も上がりません。
勤続年数は長いのに、
給料は昨日今日入社した若手社員と大して変わらないということも考えられます。
給料が増えないことには結婚して子供を作ることが難しくなりますから、
結果として結婚や子供を持つことも半ば諦めることになるのです。
まとめ
静かな退職という働き方を選ぶことは、
ビジネスパーソンにとって少なからずメリットがあります。
反面デメリットもありますから、決して「理想的な働き方」とは言えません。
それでも、私のように40代になって先が見え始めて、これ以上の出世が望めない
といった場合には静かな退職という働き方も悪くないです。
できれば私も静かな退職をしたいのですが、「もう来なくて良い」と
言われそうなので今のところは実行に移せそうにありません・・・。