上司との「1on1ミーティング」では仕事のことだけに限らず、
プライベートにまで話が及ぶこともあります。
しかし職場でプライベートな話はしたくないこともありますし、1on1ミーティングで
プライベートに話が及んだ場合にどのように対処すれば良いのでしょうか?
1on1ミーティングでプライベートなことを聞いてくるのはなぜ?
そもそも1on1ミーティングで、
上司が部下に対してプライベートなことを聞いてくるのはなぜなのでしょうか?
1on1ミーティングでプライベートなことを上司が聞くのは、
「部下の話を引き出すため」という理由が1つ挙げられます。
上司としても1on1ミーティングでの話題には頭を悩ませています。
会議や業務報告とは違って、
1on1ミーティングは上司と部下が互いのことを深く理解して信頼関係を築く場です。
そのため上司が一方的に話すだけにならないように、
部下の話を引き出せるように話題を振らないといけません。
そこで仕事とは対極にあるプライベートに踏み込んで、
部下の話を引き出そうとしているわけです。
すでに上司との信頼関係がある程度築けているなら、
部下としてもプライベートなことを多少話しても良いかもしれません。
しかしほとんど信頼関係を築けていない上司に、
プライベートなことを聞かれても何一つ話したくないと思うのは当然です。
部下の話を引き出したいのは分かりますが、関係が築けていない上司に
プライベートなことを話したくないという部下の気持ちも分かってほしいですね。
「1on1ミーティングでプライベートな話題が有効」という情報がある
1on1ミーティングに関するサイトには、1on1ミーティングでは
「プライベートについての話をするのが有効」という情報が掲載されています。
プライベートな話題は堅苦しくならずリラックスして話せるので、
上司と部下の信頼関係を築くのに適しているというのです。
上司の立場になって初めて1on1ミーティングを行うことになり、
どういった話をすれば良いか分からない場合にはこうしたサイトを参考にします。
参考にしたサイトに「プライベートな話題が有効」と掲載されていたので、
1on1ミーティングで実際にプライベートな話題を持ち出してしまうというわけです。
確かにプライベートについての話をすると、
上司と部下に限らず人間関係が一気に縮まることがあります。
ただ年齢の近い同僚ならともかく、上司と部下の間には一定の「壁」があるので
いきなりプライベートなことを聞かれても警戒してしまいます。
実際1on1ミーティングに関するサイトでは、プライベートな話題は有効だけれども
無理やり話を引き出すのはNGとされているのです。
無理やりはNGという部分を見落として、どんどんプライベートに
踏み込んでしまって逆に部下との関係を悪くしてしまうケースが少なくありません。
上司自身がプライベートな話題に抵抗が無い
1on1ミーティングでプライベートに踏み込んでくる上司は、
自身がプライベートなことを話すのに抵抗が無い場合が多いです。
まず上司が自分のプライベートな話をして、
部下からプライベートな話を引き出そうとしてきます。
自分から話しにくいことを話すことで相手の話を引き出すのは、
会話の1つのテクニックではあります。
(https://www.expertoffice.jp/blog/2019/07/31/2778/)
しかしプライベートなことを話すのに抵抗がある人は、
いくら相手からプライベートな話をされても心理的ハードルは下がりません。
また自身がプライベートなことを話すのに抵抗が無いから相手も抵抗が無いだろう、
と思い込んでいるケースもあります。
業務での調整や配慮のため
1on1ミーティングで上司が部下にプライベートなことを聞くのには、
「業務上の調整や配慮のため」という理由もあります。
例えば子供が生まれたばかりの部下だと、
育休の取得や残業・休日出勤もしなくて良いように配慮してあげないといけません。
育休を取得するとなると他の部下と業務の調整をしないといけませんし、
上司としては部下のプライベートな情報をある程度知っておく必要があるのです。
しかし業務上の調整や配慮のためという目的が部下に伝わっていないと、
プライベートなことは「話したくない」となってしまいます。
1on1ミーティングでプライベートな話をしたくない理由
1on1ミーティングで部下が上司にプライベートな話をしたくない理由として
1つ挙げられるのが「コミュニケーションが得意でない」ことです。
営業など日常的に人と接する業務ならともかく、
事務系の業務に従事しているとコミュニケーションが得意でないケースもあります。
コミュニケーションが得意でない人は自分のことをあまり話したがらないので、
1on1ミーティングでもプライベートな話をするのに抵抗があるのです。
またコミュニケーションが得意でない人は自己主張も得意でないことが多く、
プライベートを含めた内面的な話をしたくないこともあります。
社交的でコミュニケーション能力が高いように見えても、
実はコミュニケーションが得意でない人も居ます。
仕事では無理やり社交的に振舞っているだけで、
プライベートな話題を振られると口をつぐんでしまうといったこともあるのです。
公私をしっかりと分けている
仕事とプライベートをしっかりと分けている人も、
1on1ミーティングでプライベートな話をしたがりません。
職場はあくまで「仕事をする場」であり、
そこにプライベートなことを持ち込むのを良しとしないと考えているのです。
実際に職場で同僚などが仕事とは関係の無いプライベートな話で
盛り上がっていると、「全然仕事に集中してない」と感じることがあります。
仕事とプライベートをしっかりと分ける人は、仕事に集中していないように
見られないように職場でプライベートな話ををしないわけです。
1on1ミーティングは業務の一環ですから、
たとえ上司と1対1であってもプライベートな話はしたくないのです。
上司を信用していない
上司を信用していない場合は、
プライベートな話に限らず極力自分のことを話したくありません。
普段から上司の言動を見ていて信用できていないこともあれば、
上司部下になったばかりで信用できるほど関係が築けてないこともあります。
上司部下になったばかりで関係が築けていない場合は、これから関係を築くことで
信用できてプライベートな話をできるようになることも考えられます。
しかし一定期間上司部下の関係にありながら信用できない場合は、
プライベートな話ができるまでになるのは難しいです。
1on1ミーティングでプライベートなことを聞かれた時のかわし方
1on1ミーティングで話したくないプライベートなことを聞かれた時に、
上司の気分を損なわないかわし方を覚えておくと便利です。
プライベートでの交友関係を聞かれた場合は、
あえてその場の空気を壊すような回答をします。
要するに、
「この質問はマズかった」と上司に思わせるような答え方するということです。
例えば「恋人は?」と聞かれた場合は「こないだ別れました」、
「好きな人は居る?」と聞かれたら「居ましたけど振られました」などと答えます。
事実であってもなくても構いません。
さすがに「別れた」「振られた」と聞いて「どうして?」と1on1ミーティングで質問を
続けてくる上司は居ないはずです。
その場の空気を壊すような答え方をすることで、
少なくともその回の1on1ミーティングでは交友関係について聞かれなくなります。
休日の過ごし方を聞かれた場合
1on1ミーティングで「休日の過ごし方」を聞かれた場合は、
答えが偏らないようにすることが重要です。
例えば「友達と遊びに行く」「バーベキューをする」「旅行に行く」などと答えると、
「休みの日は遊んでばっかり」という印象を上司に持たれてしまいます。
「友達と遊びに行くこともあれば、読書をしたり、美術館や博物館に
行ったりもします」など色んなことをしているアピールをするのです。
これも交友関係を聞かれた場合と同じで事実であってもなくても構いません。
休日の過ごし方に口を出す権利は上司には基本的にありませんが、
さすがに遊んでばかりだと口を出したくなります。
しかし遊ぶこともあれば勉強することもあるということにしておけば、
上司としてはそれ以上口をはさむことができません。
SNSについて聞かれた場合
最近は一般の人がSNSで炎上することも少なくないため、
上司から「SNSの使い方」について聞かれることもあります。
1on1ミーティングでSNSについて聞かれた場合は、
「閲覧専門で投稿はしない」と答えるのがベターでしょう。
(これも事実である必要はない)
「SNSを使っていない」というと嘘くさいですし、
最近の話題についていけていないと思われてしまいます。
しかしSNSは使っているけど閲覧するだけで投稿しない、
といった使い方をする人は少なからず居ます。
閲覧していれば最近の話題になっていることが把握できますし、
投稿していなければ炎上する心配もありません。
上司に必要以上にSNSのことを追及されないためにも、
「SNSは閲覧専門で投稿しない」と答えるのがベターなのです。
話しても良いプライベートの話を用意しておく
プライベートについて話したく場合は、
あえてプライベートの話を用意しておくのも有効です。
プライベートのことは一切話したくないこともあれば、
「ここまでは良いけど、これ以上は話したくない」ということもあります。
「ここまでは良いけど、これ以上は話したく」という場合には、
「ここまでは良い」という部分の話を用意しておくのです。
全て話さないと満足しない上司は居ませんから、「ここまでは良い」という
プライベートの話をすれば「話を引き出せた」と思ってもらえます。
上司にデリカシーが無いとさらに踏み込んでくる恐れはありますが、
普通は「ここまでは良い」という話をすればそれ以上は踏み込んできません。
秘密主義のような印象を上司に与えることもなく、
必要以上に踏み込まれることもなくプライベートな話題をかわせます。
自分から話を振る
上司主導で1on1ミーティングを進めるのではなく、
部下の方から話を振ることでプライベートな話題を避けられます。
どうしても1on1ミーティングは上司に主導になってしまいがちですが、
別に部下主導になっても問題はありません。
上司からプライベートな話題を振られた場合は、
先の「ここまでは良い」という話だけして上司に話を振り返すのです。
要するに1on1ミーティングを自分が「回す」ことで、
プライベートなど話したくない話題を避けることができます。
ただし1on1ミーティングを自分で主導するには入念な準備が必要で、
よほどの話し上手でないとぶっつけ本番では無理です。
まとめ
1on1ミーティングだからと言って、
必ずしも上司にプライベートの話をしなければならないわけではありません。
しかし上司には目的があってプライベートのことを聞いていることもあるので、
無下に拒否するのもあまり良くないです。
話しても良い範囲の話を用意しておくなど、
プライベートな話題のかわし方を覚えておくと便利ですよ。