都市伝説なんかに「地図から消えた村や町」が出てきますが、人口減少局面に
入っている日本では「100年後に消える県」があるとも言われています。
では、本当に100年後の日本で消える県はあるのでしょうか?
消えるとしたらどこの県なのでしょうか?
100年後の日本で消える県
民間の有識者によって構成させるグループ「人口戦略会議」が2024年4月に、
消滅する可能性のある自治体を発表しました。
県ではありませんが、100年後どころか30年後の2050年までに
全国の約4割の自治体が消滅する可能性があるという結論が出たのです。
(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240424/k10014431611000.html)
特に多いのは北海道・東北で、
北海道は全179市町村の内117市町村に照明つ可能性があります。
東北は全215市町村の内165市町村に消滅可能性があり、
実に8割近くの自治体が消滅してしまうと予測されています。
地理的に北海道が消えることは考えにくいですが、東北は市町村合併ならぬ
県合併で100年後の日本で消えている県があるかもしれません。
特に危険性が高いのは秋田県
東北地方の県はいずれも100年後に消えている恐れがありますが、
中でも特に危険度が高いのが「秋田県」です。
秋田県には現状25市町村ありますが、その内秋田市を除く24市町村に
消滅可能性があると人口戦略会議で指摘されています。
秋田市だけでは県としては当然成り立ちませんから近隣県と合併せざるをえず、
結果として秋田県が消えてしまう恐れがあるのです。
秋田県はブランド総合研究所の「幸福度調査2024」の
「消滅しない都道府県ランキング」でもブービーの46位となっています。
次に危険なのが「青森県」で、
40市町村の内35市町村に消滅可能性があると指摘されています。
岩手県も決して楽観できる状況ではありませんから、100年後には青森・秋田・
岩手が合併して1つの県になっていることも十分に考えれるのです。
大都市も意外と危ない
現状で人口が多くいわゆる「大都市」と言われる市町村がある都道府県でも、
100年後の日本で存在しているとは限りません。
東京に次いで人口が多い神奈川県や大阪府、
東京のベッドタウンでもある埼玉県も実は消滅する恐れがあります。
人口戦略会議の報告では、神奈川・大阪・埼玉の3府県は消滅可能性が高い
市町村の割合が高いわけではありません。
しかし消滅しない都道府県ランキングでは、埼玉が39位、神奈川が38位、
大阪が37位と下から数えた方が早い順位となっています。
消滅しない都道府県ランキングは
・幸福度
・生活満足度
・愛着度
・定住意欲度
の4つのアンケート指標を元に持続度を算出して順位を付けています。
埼玉は幸福度と生活満足度はそれほど低くないものの愛着度と定住意欲度が低く、
愛着度に関しては47都道府県で最下位です。
神奈川と大阪は幸福度と生活満足度が低く、どちらも47都道府県で最低クラスで
全体的な順位を押し下げる結果となっています。
東京も安穏とはしていられない
100年後の日本でも残っている可能性が高い思われている東京ですが、
実は東京も決して安穏とはしていられない状況です。
人口戦略会議の報告では、消滅可能性がある自治体の割合が東京は3.2%で
沖縄に次いで低い数字となっています。
消滅しない都道府県ランキングでも24位ですから、
東京都が日本から消える可能性はかなり低いように思えます。
ところが人口戦略会議の報告では、
東京都には「ブラックホール型自治体」が多いと指摘されています。
ブラックホール型自治体とは、出生率が低くて人口維持を他の自治体からの
流入に頼っている自治体のことです。
全国で25の自治体がブラックホール型自治体とされましたが、
その内の17が東京都に集中しています。
さらに17の内16が23区内の都心部に集中しているのです。
他の自治体の出生率が高いのであれば、流入する人の数は減らないので
ブラックホール型自治体の人口は維持されます。
しかし現状は日本全体で出生率が低くなっているため、
このままだと何処かの段階でブラックホール型自治体への流入が止まります。
ブラックホール型自治体は出生率が低いですから、他の自治体からの流入が
止まれば一気に人口が減少してしまう恐れがあるのです。
23区の内の16区がブラックホール型自治体から消滅可能性自治体となったら、
東京も日本から消えるということが現実的になるかもしれません。
100年後の日本でも消えない県
100年後の日本で消える県もあれば、
反対に100年後の日本でも消えない県が存在します。
人口戦略会議で消滅する可能性がもっとも低い都道府県とされているのが
「沖縄県」です。
沖縄は消滅する可能性のある市町村がゼロで、
自立持続可能性自治体が全国でもっとも17となっています。
自立持続可能性自治体は、
20代から30代の若年女性の人口減少率が20%未満の自治体のことです。
20代から30代は子供を産む年代で、その年代の女性が減らなければ
出生率の改善が期待できて人口維持が可能というわけです。
また消滅しない都道府県ランキングでも数年間1位を取り続けており、
100年後の日本でも沖縄県は存在している可能性が高くなっています。
幸福度・生活満足度・愛着度・定住意欲度のいずれも高い水準で、
特に愛着度と定住意欲度は47都道府県で唯一指標が80を超えています。
歴史的な条件もあって他の都道府県よりも愛着度が高く、
地理的な条件から定住意欲度が高いと考えられるのです。
福岡も生き残る可能性が高い
沖縄とともに100年後の日本でも消えていない可能性が高いのが「福岡県」です。
福岡の消滅可能性自治体の割合は13.3%で、
47都道府県の中で5番目に少なくなっています。
自立持続可能性自治体は沖縄に次いで多い9で、
ブラックホール型自治体はありません。
消滅しない都道府県ランキングでも、
2024年は順位を下げて6位ですが2023年は沖縄に次ぐ2位でした。
愛着度と定住意欲度が高いことが順位を押し上げています。
ただ少し気になるのは生活満足度が極端に低いことで、
生活満足度に関しては47都道府県で下から数えた方が早いぐらいの順位です。
福岡は日本五大都市の1つですから、
九州・沖縄地方の他県に比べると物価が少し高いのかもしれません。
またこれは私の勝手なイメージですが、
「修羅の国」と言われていることも関係していると考えられます。
いわゆる反社会的勢力の影響が色濃く残っており、反社絡みのトラブルが
少なくないということで「治安が良くない」ということがあるのかもしれないですね。
生活満足度は低いですが、愛着度と定住意欲度が高いので人口の流出が少なく、
100年後も福岡は残っている可能性が高いです。
100年後の日本で消える県があるのはなぜ?
都市伝説ならともかく、合併以外で100年後の日本では消えてしまっている県が
あるかもしれないのはなぜなのでしょうか。
人口戦略会議で自治体が消える原因として指摘されているのが「人口減少」です。
日本における少子高齢化は最近の問題のように思っていますが、
実は1970年代から少子高齢化は始まっています。
1960年代に人口置換水準、
いわゆる人口が減らない水準である出生率2.1を切りました。
1970年代初頭の第二次ベビーブームで出生率が再び2を超えましたが、
1975年に再度出生率が2を切ります。
実はこの1975年の時点で日本の少子化が始まっており、
ここから10年以上に渡って特に少子化対策は行われませんでした。
1989年に出生率が1.57となったところで、
ようやく少子高齢化が問題となって対策が取られるようになったのです。
しかし問題が深刻になってから対策を取っても効果は表れませんから、
2024年現在に至るまで出生率は右肩下がりが続いています。
人口が減ると仕事や住環境を求めて都市部への移動が多くなりますから、
どうしても山間部など田舎と言われる地域では高齢化が進みます。
高齢化によって働き手が不足して産業が衰退、
企業が移転・撤退することで高齢化と働き手不足がさらに加速するのです。
公共サービスも人口の少ない地域では採算が取れないので、
大幅な値上げやサービスを止めてしまうといったことにも繋がります。
十分な公共サービスも利用できないとなると、他の地域へ移動する人口が
さらに増えますから、結果的に村・町自体が無くなってしまうというわけです。
市町村単位でなく県単位で急速な人口流出が発生すると、
県が消えてしまうことも十分に考えられます。
100年後に日本が消えないようにするには「女性活躍」と「子育て負担軽減」
数十年後に消える県が出てくる恐れがあるということは、
100年後には日本自体が消えてしまう恐れもあります。
人口戦略会議が人口減少に歯止めをかけるカギとして挙げているのが
「女性活躍」と「子育て負担軽減」です。
20代30代の若年女性の流出が少ない自治体を、
自立持続可能性自治体としています。
ジェンダーフリーが叫ばれる昨今ですが、
子供を産めるの女性だけで女性が居ないことには人口は増えません。
妊娠・出産の負担は仕方ないとしても、
現状ではその後の子育てまで女性側の負担が大きくなっています。
また妊娠・出産によって生じるブランクが仕事でのキャリアに良くない影響を
及ぼすということで、子供を産まない選択をする女性も増えています。
1人も産まない、産んでも1人という女性が増えると人口は減っていく一方ですから、
妊娠・出産によるキャリアへの影響を無くすことが重要です。
もう1つは子育て負担の軽減で、現状では子供1人を大学卒業まで育てるのに
3000~4000万円のお金がかかるとされています。
高度経済成長期やバブル期のように働けば働いただけ給料が上がる時代なら
良いですが、日本では30年ほど賃金は上がっていません。
上がっていないどころか物価が上がっていることを考えると、
実質賃金は下がっているぐらいです。
実質賃金は下がっているのに子育てに必要な費用は増えるとなると、
子供を作ることに二の足を踏んでしまうカップルが増えるのは仕方ありません。
経済的な面も含めて、子供を産み育てやすい環境を整えないと
100年後には本当に日本自体が無くなってしまうかもしれないです。
まとめ
100年後どころか数十年後には、
県ではありませんが消える市町村が出てくる可能性があります。
市町村が消え続ければそのうち県も消えますから、
100年後には47都道府県がもっと少なくなっているかもしれません。
日本の少子高齢化は手遅れの状態になりつつあるものの、少なくとも私が
生きている内はどこかの市町村が消えたとならないことを願いたいです。