日本が少子高齢化の進行によって人口減少局面に入って久しいですが、最近
「20年後には日本なくなる」といった不穏なことを見聞きすることが多くなりました。
20年後に日本がなくなるという根拠は何なのでしょうか?
本当に20年後に日本がなくなるということがあるのでしょうか?
「20年後に日本なくなる」に根拠とは?
SNSなどで「20年後に日本なくなる」といったような投稿を時折見聞きしますが、
その根拠としてよく挙げられるのが「少子化による人口減少」です。
日本における少子化はこの15年20年の問題のように思っていますが、
実は1970年代から少子高齢化が進んでいます。
人口が減らない「人口置換水準(合計特殊出生率)」が約2.1で、
1975年時点の日本の合計特殊出生率は1.9台まで低下していました。
1975年は私がまだ生まれる前の高度経済成長期の終わり頃、
この頃にすでに将来は日本の人口が減少することが予測できていたのです。
しかし好景気だったこともあってか少子化問題は深刻に捉えられず、
特別な対策も取られませんでした。
1975年以降も出生率は低下し続け、1989年に出生率が1.57となったところで
ようやく少子化問題が注目されるようになります。
(https://gooddo.jp/magazine/health/low_birthrate_and_aging/low_birthrate/7283/)
問題が大きくなってから対策を取っても効果は出ず、
2008年にはついに人口が減少する局面に入ってしまったのです。
さすがに20年で日本の人口がゼロになることはありませんが、
2050年には1億人を切ると予測されています。
(https://www.mlit.go.jp/common/000145138.pdf)
人口が減少すると日本はどうなる?
日本の人口が減少すると「国内市場の縮小」と「労働人口の減少」という
2つの問題が発生します。
国内市場が縮小すると、日本国内で商売しても儲かりませんから
必然的に海外市場に進出しなければなりません。
海外に進出できる競争力や体力のある企業は良いですが、
競争力も体力もない企業は倒産するしかなくなってしまいます。
現在日本の企業の99%が中小企業で、
その中には「その企業だけの技術」を持っている企業も少なからずあります。
そうした企業が倒産すると、
その企業が持っている特別な技術が海外に流出してしまう恐れがあるのです。
日本企業の技術流出はバブル崩壊後やリーマンショック後に実際起こっています。
かつてものづくり大国であった日本が製造業において他国の後塵を拝するように
なったのも、バブル崩壊後の技術流出が大きな要因の1つです。
特別な技術が海外に流出することで、
日本企業は国際競争力をさらに失うことになってしまいます。
また現状でもサービス業などの人手不足が問題となっていますが、
人口減少が進むと多くの業界で人手不足が発生します。
生活に必要なものを日本国内で作ることができなくなったり、
流通が滞って必要な商品が行き渡りにくくなってしまうのです。
特に流通の問題は深刻で、
2030年には日本国内の荷物の35%が配達できなくなるという予測もあります。
(https://www.tokyo-np.co.jp/article/238667)
社会保障制度の破綻
人口減少がもたらすマイナスの影響としてもう1つ大きなものが
「社会保障制度の破綻」です。
日本は皆保険制度ですから、
生まれるとすぐに国民健康保険などの健康保険に加入することになります。
また年金も強制加入なので、20歳になると年金保険料を納めないといけません。
健康保険や年金の保険料は自分のために掛けているお金でもありますが、
同時に現状で医療や年金を必要としている人のためのお金でもあります。
要するに、現役世代が納めている保険料が高齢者の医療費や年金として
使われているということです。
少子高齢化が進むと、
高齢者1人を支える現役世代の人数がどんどん少なくなっていきます。
少子化が始まった1975年は現役世代7.7人で高齢者1人を支えていましたが、
2023年時点では現役世代2人で高齢者1人を支えています。
高齢者の医療費抑制や年金の極端な切り下げは難しいですし、
現役世代の社会保険料を極端に引き上げることもできません。
このまま少子高齢化が進むと、
そう遠くない未来に日本の社会保険制度は破綻するのは確実です。
著名人の発言が日本がなくなる根拠になっていることも
少子高齢化は日本がなくなる明確な根拠ですが、中には明確な根拠がなく
著名人が言っているから日本なくなると思っているケースもあります。
著名人の発言で日本がなくなる根拠としてよく挙げられるのが、
「世界三大投資家」の一人と言われているジム・ロジャーズの予測です。
ジム・ロジャーズは2020年に
「債務超過と少子化によって20年後に日本は滅びる」と予測しています。
(https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/1aa00f20c4be49c72d2f96db55bce2b62f11fc07)
少子化については先にも書いたように、
既に人口減少局面に入っていて様々な弊害も表面化しつつあります。
もう1つの債務超過ですが、
これまで日本政府は赤字国債を発行して色々な事業の予算を調達してきました。
直近だと、2024年1月1日に発生した能登半島地震の復興予算が
国債発行によって調達されています。
日本の国債発行総額はGDPの2倍以上で、
かつてデフォルト騒動を起こしたギリシャよりも債務のGDP比が高いです。
国家予算の約10倍の国債発行総額ですから、
一般的なビジネスパーソンが5000万円ぐらいの借金を抱えているような状態です。
借りたものは返さないといけませんから、国にも債務の返済義務があります。
しかし少子化によって経済が先細りしてGDPも右肩下がりとなれば、
債務を返済できなくなって日本が破綻してしまうというわけです。
ジム・ロジャーズの言うことを真に受けてはいけない
世界的な投資家であるジム・ロジャーズの予測なので、
確実性が高いと信じている人も少なくありません。
しかし私個人の意見としては、
ジム・ロジャーズの予測は真に受ける必要はないと思っています。
第一にジム・ロジャーズがそれほど信用を置ける人物でないということです。
ジム・ロジャーズは1970年代から1980年代にかけて、アメリカのダウ平均株価が
20%ほどしか上昇していない中で投資で3000%以上の利益を出しました。
それによって世界三大投資家と呼ばれるようになったのですが、
それ以降は投資において目立った成果は上げていません。
1998年に設立したファンドは、当初こそ好調だったものの2014年時点では
数ある投資ファンドの中で最低クラスの利益しか出していませんでした。
また2010年代には原油投資で失敗していますし、
リーマンショック時に勧めた投資商品もそれほど値上がりせずに終わっています。
最近は中国株や韓国株を大量に買っていることから、日本経済を下げる発言を
することで相対的に中国株・韓国株を上げようとしているようにも見えます。
決定的なのは、
2024年に日本株が大幅に値上がりすることを予測できなかったことです。
2023年末頃から日経平均株価が上昇し始めて、
2024年に入ると4万円超えの史上最高値を記録しました。
優秀な投資家なら史上最高値更新の日本株で大儲けしているはずですが、
ジム・ロジャーズが日本株で儲けたという話は聞きません。
ジム・ロジャーズは早い段階で日本株の大半を手放しており、
日経平均株価が急騰することを予測できなかったのです。
専門である投資の分野でも予測が当たらないのに、
専門外である日本の将来などジム・ロジャーズに予測できるわけがありません。
20年後になくなると言われるほど日本の将来は暗くない
「20年後には日本なくなる」と悲観的すぎることを言っている人も居ますが、
それほど日本の将来は暗くないという意見もあります。
債務超過は大した問題じゃない
まず債務超過ですが、先にも書いたように日本の国債発行総額はGDPの
2倍以上、年間予算の約10倍となっています。
これだけだと日本が借金まみれで首が回らなくなる寸前のように感じますが、
実態はそうではありません。
2022年度末時点で国の資産は約740兆円です。
もちろん全ての資産を自由に使えるわけではありませんが、国債発行総額から
資産を差し引くとそれほど大きな金額(300兆円余り)ではなくなります。
また日本は輸出が安定していて海外からの投資が見込めるため、
国際収支は黒字となっています。(アメリカは国際収支が赤字)
さらに日本の国債の90%以上が日本国内で購入されており、
海外の購入比率は6%ほどしかありません。
海外の国債購入者が一斉に返済を求めたとしても、
日本の財政が傾くことはないのです。
イノベーションによる無人化
人口減少による人手不足は、
イノベーションによる無人化である程度対応できると考えられます。
喫緊の問題とされるのが流通の人手不足ですが、
これは既に無人化による対応策が取られ始めています。
倉庫内の荷物の仕分け・保管を自動システム化して、
コンピューターで管理することで人手をかからないようにしているのです。
また倉庫内の荷物の搬送にはロボットやAIを活用しています。
コンピューターやロボット、AIを活用することでミスも減りますから、
配送のロスも削減できて流通が効率化されます。
まだ少し時間はかかるかもしれませんが、倉庫から各家庭や会社への配送には
自動運転トラックやドローンを活用することも検討されているのです。
こうしたイノベーションによる無人化が様々な業界に波及すれば、
人手不足の問題はある程度解消できると考えられます。
日本人の丁寧さや気配りが無人化のシステム作りにおいても発揮されて、
世界で勝負できる分野になることも期待できます。
医療や介護も無人化、効率化
少子高齢化によって医療や介護の負担が大きくなるものの、
医療や介護の担い手が不足するという懸念もあります。
しかし医療や介護の分野も、
無人化・効率化によって担い手不足がある程度解消可能です。
例えば地域によっては病院が無い・医師が居ないといったことがありますが、
オンライン診療で対応できます。
大きな病気はともかく、
定期的な受診や薬をもらうためだけの受診ならオンラインでも十分です。
オンラインなら病院に行く必要がないので、
病院まで行く交通手段がなくても問題ありません。
また診察の順番待ちも自宅で過ごせますから、
TVを見るなど何かと時間を潰すことは難しくないです。
オンライン診療を充実させることで、
病院に足を運ぶ人の数を減らすことができます。
特に大きな病院は混雑していて、
朝一番に受付しても診察はお昼といったことも少なくありません。
余談ですが、私も入院した後に定期的に大きな病院で診察を受けていますが、
毎回診察予定時間より1時間は余裕で待たされます。
(診察予定時間よりもかなり早く受付を済ませている)
オンライン診療によって病院の混雑が解消されたり、救急車の出動要請が
減ったりして、必要な人に必要な医療・介護が行き渡ることも期待できるのです。
まとめ
少子高齢化の影響などで、
「20年後には日本なくなる」とまことしやかに言われています。
確かに人口減少局面に入っていて、このまま少子化が続けば
20年後ではないもののいずれ日本の人口がゼロになることも考えられます。
とは言え、人口がゼロになって実際に日本がなくなることになるとしても、
それは100年近く先の話です。
国がなくなる前に人口減少については何らかの効果的な対策が打たれるでしょうし、
経済面では現状で明るい兆しを見せ始めています。
日本なくなると思って悲観的になるよりも、
今よりは少しは良くなるはずと前向きに思って生きていきましょう。
(開き直っているわけではないですよ)