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評価されないいまの会社への恨みが消えない

「他人の目は気にしなくて良い」と言いながらも、
仕事などで頑張った場合には「評価されたい」と思ってしまいます。

仕事でそれなりに成果を上げているはずなのに評価されないことが続き、いまの
会社への恨みが消えない状態になっている人も居るのではないでしょうか?

「恨み」の感情が湧きたつ原因

ちょっと気に入らないことや腹立たしいことがあっても、
「恨む」というところまではいきません。

評価されないことで会社を恨んでいるということは、
何年も正当な評価が受けられていないと感じているはずです。

臨床心理士である鈴木拓朗氏によると
 ・許せなさ
 ・どうしようもなさ
 ・不公正感
の3つが恨みの感情を引き起こす大きな要因となっています。
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsre/26/Supplement/26_ps34/_article/-char/ja/)

まず「許せなさ」ですが、上司や人事担当者が仕事で一定の成果を上げている
はずの自分の正しく評価しないことが許せないので恨みへと変わるのです。

次に「どうしようもなさ」は、
人事評価は評価される側に変えられないのでどうしようもないことです。

頑張っていることが評価されない、頑張っていることをアピールしても認められない、
これが積み重なることで無力感となり、さらに恨みへと発展します。

3つ目は「不公正感」で、人事評価で自分だけ不利な扱いを受けていると
感じることが恨みの要因となります。

実際に同期や後輩が自分より評価されていると、
自分だけ不利な評価を受けていると思ってしまうのは仕方ありません。

いまの会社への恨みを募らせている場合、
上記3つのいずれかもしくは3つとも当てはまっている可能性があります。

恨みの感情がもたらす影響

恨みという感情を持つことは、身体的・精神的に様々な影響をもたらします。

江戸川大学教授である橋本空氏などの研究によると、恨みの感情は「QOL(Quality Of Life)」を低下させるとのことです。
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jahp/21/2/21_49/_article/-char/ja/)

QOLは「生活の質」で、
働き方改革の一環としてQOLを高めることが重要とされています。

QOLは
 ・身体
 ・心理
 ・社会
 ・環境
の4つの領域からなりますが、恨みは4つの領域全てにマイナスの影響を
もたらすことが橋本氏などの研究で分かっています。

QOLが高いほど充実した生活ができていることを示し、
低いと生活が充実していないことを示すのです。

現状でいくらQOLが高くても、恨みの感情を持つことでQOLが下がり、
生活の充実度が下がってしまいます。

恨みは自信を失わせる

恨みの感情を持つことは、自信を失うことにも繋がるのです。

恨みの感情に繋がる要因の1つが「どうしようもなさ」で、評価されないことや
人事評価を変えられないことに対して「どうしようもなさ」を感じます。

どうしようもなさは無力感となり、
「自分は何もできない」となって自己肯定感を失ってしまうわけです。

自己肯定感・自信を失うと、今後の仕事にも良くない影響が出て
余計に評価されなくなる、という悪循環に陥ってしまいます。

恨みは攻撃性を強める

恨みの感情は、他者への攻撃性を強めることにも繋がります。

臨床心理士である澤田匡人氏の「いじめ」に関する研究調査によると、
恨みの感情が強いといじめる側に加わる「支援者」となりやすいとのことです。
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/pamjaep/55/0/55_275/_article/-char/ja/)

評価されないことへの恨みが、上司や人事担当者ではなく
家族や後輩など自分よりも立場の弱い他人へ向きます。

直接的な暴力は振るわなくても、モラハラやパワハラといった言葉や精神的な
暴力を振るうようになる恐れがあるのです。

自分に攻撃された他者は自分に恨みを持ちますから、
恨みが恨みを呼ぶ負のスパイラルを生んでしまいます。

恨みの感情を晴らすには

正しく評価されないと感じると会社への恨みを持ってしまいますが、
恨みは自分自分にマイナスの効果しかもたらしません。

恨むことで余計に評価されないことになるので、
気持ちを切り替えて仕事に取り組むためにも恨む気持ちを晴らしたいところです。

恨みの感情を晴らすには、
自分がいまの会社への恨みを持つようになった原因を明確にさせます。

誰にどういったことをされた言われたのかを具体的に列挙して、
それぞれに対してその時点でどう感じたのかを分析するのです。

いまの会社への恨みを持つ原因を明確することで、
自分の感情と向き合うことができます。

恨みの感情が過去・現在にもたらした影響を考える

原因を明確にして自分の感情と向き合ったら、
その感情が過去・現在の自分にどういった影響をもたらしているか考えます。

恨みはマイナスの効果しかもたらしませんから、
「家族や同僚にキツく当たった」などマイナスの影響が考えられるはずです。

マイナスの影響がこの先も続くと、
決してハッピーな結末にはならないことは容易に想像できます。

家族や同僚に見放されるという悲惨なことにならないためにも、
恨みの感情をここで断ち切ると決断できるはずです。

恨みの原因や恨みがもたらした影響を文字に起こす

恨みの感情を持つようになった原因や恨みが過去・現在の自分にもたらした
影響を文字として書き起こします。

自分が恨みを持つようになった原因となる相手が居るなら、
その相手への手紙のような形で書くのも良いでしょう。
(相手に実際に送るわけではない)

文字として書き起こすという作業をすることで自分の感情が整理できて、
恨みの感情を断ち切りやすくなります。

恨まなくなった未来を想像してやり直す

恨みの感情を断ち切ることで、
家族や同僚など周りの人との接し方が変わるはずです。

周りの人との接し方など、恨まなくなったことで自分がどんな気持ちで
仕事や生活に取り組めるかを想像します。

恨みの感情が無くなることで周りの見る目も変わりますから、
自分ではこれまでと同じようにしていても評価されるようになる可能性があります。

評価される未来が待っていると信じてやり直してください。

いまの会社への恨みは逆恨みかも?

評価されないと会社を恨んでいても、実は自分自身の問題で評価されないだけの
逆恨みというケースも少なくないかもしれません。

自分では頑張って成果を上げているつもりなのに評価されないのには、
いくつか原因があります。

もちろん会社の評価制度に問題がある場合もありますが、
意外と恨んでいる側に問題があるケースも少なくないのです。

完璧主義になっている

「完璧主義者」は意外と周りに評価されないことが多いです。

何をするにも完璧を求めて妥協できないと、
1つ1つの仕事を完璧に仕上げないと次へ進めません。

勉強なら1つの教科を完璧に終わらしてから次の教科に進むこともできますが、
仕事は複数のことを同時に進める必要があります。

良い加減のところで妥協して次に進まないと、
期限までに仕事が終わらない可能性が高くなるのです。

仕事はチームで進めるのが基本ですから、
1人の仕事が終わらないとチーム全体の仕事が遅れることになります。

完璧主義者は自分では完璧に仕事をしているつもりでも、
周りから「仕事が遅いだけ」と見られていることもあるのです。

報告・連絡・相談ができていない

ある程度成果は上げているのに評価されない人は、
上司への報告・連絡・相談いわゆる「報連相」ができていないことが多いです。

例えば1か月後を期限とした仕事を任された2人が、それぞれ
 ・1か月間仕事が終わるまで一切報連相しなかった
 ・1週間ごとに進捗状況を報告、連絡・相談も頻繁にしていた
とします。

もし自分が仕事を任せる上司の立場だとすれば、
どちらの部下を評価するでしょうか?

仕事を任せたとは言え、
進捗状況や何か問題が発生していないかなどが上司はきになります。

1週間ごとに報告してくれた方が進捗状況が把握できて、
間違った方向に向かっている場合には速やかに軌道修正もできます。

しかし1か月間一切報連相が無いと、期限内に終わるのかどうかも分からず、
間違った方向に進んでいても軌道修正ができません。

もし結果は同じだったとしても、
報連相をしっかり行っている人の方が評価されやすいのです。

勤務態度が良くない

社会人は「成果さえ上げれば勤務態度は何でも良い」というわけではありません。

成果は上げているのに評価されない人には、
勤務態度があまり良くないというケースが多いです。

例えば遅刻や無断欠勤をしたり、服装がだらしない、
上司や取引先などに対する言葉遣いがなっていないなどです。

お金を貰って仕事をしている以上はプロですから、
成果を上げることが第一ではあります。

しかし成果を上げるまでのプロセスも評価対象となっているので、
いくら成果を上げても勤務態度が良くないと評価されないことになるのです。

受け身

言われたことや頼まれたことしかできない、
いわゆる「受け身タイプ」も評価されにくいです。

評価されて昇進・昇格すると、
今度は自分が上司の立場になって部下を動かすことになります。

部下の動かし方は誰も指示してくれませんから、
自分で考えて部下に指示を出さないといけません。

受け身タイプは、自分で考えて行動できず管理職には向かないと考えられます。

いくら十分な成果を上げたとしても受け身タイプでは、
いつまで経っても高い評価は受けられません。

主張しない

積極的に自分から主張する、
といったことをしない人も評価されないことが多いです。

一見すると「協調性がある」ようですが、
実際には「周りに頼っているだけ」というケースが少なくありません。

要するに、自分が主張したことが採用されて上手くいかなかった場合に
責任を負うのがイヤなのです。

評価されて昇進・昇格し管理職になると、
その部署の仕事にはすべて責任を負わないといけません。

自分から主張しないのは責任を負うのがイヤと見なされ、
管理職は任せられないとして評価されないことになってしまいます。

自己満足で仕事をしている

自己満足で仕事をしている場合も、評価されないことが多いです。

仕事は会社の業績アップのためにするものであって、
自分が満足するためにするものではありません。

自分ではしっかりやって成果を上げていると思っていても、
周りから見ると全く足りず成果が上がっていないこともあるのです。

例えば、上司から1週間後の会議で使う資料の整理を任されたとします。

上司は、1週間後には使わないといけない資料なので、
形はどうあれ早く整理してほしいと考えています。

それなのに部下は1週間かけて体裁を整えた上で資料を整理、
これでは上司の求めに全く応えられていません。

時間をかけて体裁を整えるのは自己満足でしかありませんから、
どれだけ資料がキレイに整理されていても評価されないのは当然です。

まとめ

評価されないと会社への恨みの感情が湧きますが、
恨みは自分自分にマイナスの影響しか及ぼしません。

恨むことでマイナスの効果が表れてさらに評価されないことになる、
という負のスパイラルに入ってしまいます。

恨みの原因が自分自身にあるかもしれませんし、
今一度なぜ恨むようになったのかを考えて、恨みを断ち切るようにしましょう。

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