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Wi-Fi中継器の効果が感じられない、どうして?

先日友人が「自宅の電波環境が良くないからWi-Fi中継器を使ってるんだけど、
あんまり効果ないんだよね」と言っていました。

Wi-Fi中継器と言えば電波環境を改善するための機器ですが、
それが「あんまり効果がない」のはなぜなのでしょうか?

Wi-Fi中継器の効果が実感できない原因

Wi-Fi中継器を使っているのに自宅の電波環境改善効果が実感できない理由
として考えられるのが、「Wi-Fi中継器の効果を勘違いしていること」です。

Wi-Fi中継器の役割はあくまで「Wi-Fiの利用範囲を広げること」で、
それ以上の効果はありません。

「Wi-Fi中継器を使うことで通信速度がアップする」と勘違いされることがありますが、
そういった効果はWi-Fi中継器には無いです。

これまでWi-Fiに繋がりにくかった部屋でも繋がりやすくなり、繋がりやすくなった
ことで通信がスムーズになって通信速度が上がったと感じることがあります。

それは単に繋がりやすくなったから速くなったと感じるだけで、
大元のネット回線の通信速度はアップしていません。

またWi-Fi中継器を設置しても、
Wi-Fiに同時に接続できる機器数が増えることも無いです。

例えば大元のWi-Fiルーターの同時接続台数が10台なら、中継器を
使っているからと言って同時接続数が15台20台に増えることはありません。

通信速度が速くなる・同時接続台数が増えるといった勘違いから、
Wi-Fi中継器を使っているのに効果がないと感じてしまうわけです。

ネットワークの切り替えが上手くできていない

Wi-Fi中継器の効果が実感できない原因として、
「ネットワークの切り替えが上手くできていないこと」が考えられます。

最新のWi-Fi中継器には自動切替機能が付いており、建物内を移動すると
自動的にWi-Fiの接続先が切り替わるようになっているのです。

例えば自分の部屋にWi-Fiルーターの親機があり、
リビングとの間に中継器を設置したとします。

自分の部屋でスマホを使うときは親機に接続、リビングに移動すると自動的に
中継器に接続先が切り替わり、自宅に戻ると親機に切り替わるといった具合です。

この自動切替が上手くできていないと、リビングに居るのに親機に接続、
自分の部屋に居るのに中継器に接続と遠い方の機器に接続してしまいます。

遠い方の機器だと電波が弱くなって繋がりにくくなり、
通信がスムーズにできずに「効果がない」と感じるというわけです。

ちなみに私の友人がWi-Fi中継器の効果を実感できていない原因がコレでした。

Wi-Fi中継器は電波環境改善を保証していない

Wi-Fi中継器は電波環境を改善するための機器ですが、
電波環境改善を保証しているわけではありません。

要するに、Wi-Fi中継器を使っても自宅のWi-Fiが繋がりやすくなるとは
限らないということです。

電波は目に見えませんが、
障害物にぶつかると減衰すなわち弱くなってしまうのです。
(https://www.ntt-bp.net/column/blog/2021/11/post-71.html)

電波は木材やプラスチック、紙は通り抜けられますが、
金属には反射してしまいます。

また木材やプラスチックなど電波を通す材質のものでも、
厚みがあると電波が通り抜けにくくなります。

そのため鉄筋コンクリート造のように壁の中に金属が通っていたり、
木材の壁でも厚みがあると電波が弱くなってしまうのです。

また周波数の高い電波は水に吸収されるため、キッチンや風呂、トイレといった
水回りではWi-Fiが繋がりにくくなることがあります。
(https://www.ituaj.jp/?page_id=11308)

Wi-Fiルーターや中継器の近くに水槽や水の入った花瓶などがあると、
電波が弱くなることがあるので注意してください。

電波干渉が発生している

Wi-Fiルーターと中継器、中継器とスマホなどのデバイスの間に
電波干渉が起こっていると、中継器の効果を実感できないことがあります。

Wi-Fiの電波の周波数は2.4GHzと5GHzで、5GHzは一般的にWi-Fi以外で
使われることが無いので電波干渉は起こりにくいです。

問題は2.4GHzの方で、
2.4GHzの電波は電子レンジやコードレス電話機でも使われています。

Wi-Fiルーターや中継器の近くに電子レンジ・コードレス電話機があると、
電波干渉によってWi-Fiの電波が弱くなってしまうことがあるのです。

また隣の家で使っているWi-Fiの電波が干渉を起こすことも考えられます。

5GHzの電波は届く範囲が狭いので基本的に隣家まで届きませんが、
2.4GHzは遠くまで届くので隣家でも受信できてしまうのです。

実際にスマホやノートパソコンでWi-Fi接続設定をする際、
自宅のWi-Fiルーターや中継機以外のWi-Fiが表示されます。

隣家から届くWi-Fiは弱いですしパスワードもわからないので使えませんが、
電波干渉の原因となる恐れがあります。

中継器を使うことで通信速度が半減している

中継器のスペックによっては使うことでWi-Fiの通信速度が半減してしまうことが
あり、それが効果を実感できないと原因の1つです。

Wi-Fiの通信方式には
 ・シングルバンド
 ・デュエルバンド切替式
 ・デュエルバンド同時接続式
 ・トライバンド
などがあります。

この内、デュエルバンド同時接続式とトライバンドについては、
通信速度が半減する恐れはありません。

問題はシングルバンドとデュエルバンド切替式で、
この2つの方式では送信と受信で同じ周波数の電波を使います。

Wi-Fiルーターと中継器、中継器とスマホの間の通信をいずれも5GHzの電波を
使って通信するのです。

そうすると元のWi-Fiルーターで100Mbpsの通信速度が出ていても、
中継器とスマホの間の通信速度は50Mbpsと半減してしまいます。(https://www.buffalo.jp/topics/select/detail/dualband.html#:~:text=%E3%83%87%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%89%E5%88%87%E6%9B%BF%E5%BC%8F%2F%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%89&text=%E3%80%8C%E3%83%87%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%89%E5%88%87%E3%82%8A%E6%9B%BF%E3%81%88%E5%BC%8F%E3%80%8D%E3%81%BE%E3%81%9F%E3%81%AF,%E9%80%9F%E5%BA%A6%E3%81%8C%E5%8D%8A%E6%B8%9B%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82)

大元のWi-Fiルーターに接続すると十分な通信速度が出るのに、
中継器に繋ぐと遅くなることで十分な効果が実感できないのです。

Wi-Fi中継器の効果が実感できない場合の対策

Wi-Fi中継器の効果が実感できない場合の対策としては、
1つに「接続先をこまめにチェックすること」が挙げられます。

自動切替機能が付いている中継器でも、移動の際に接続先の切り替えが
上手くできずに遠い方の機器に接続してしまうことがあります。

自動切替機能と言っても、現在接続している電波が極端に弱くなるか切れるまで
いかないと切り替えが行われないことも少なくありません。

そこで部屋を移動したら接続先をチェックして、
近い方のルーターや中継器に接続しているかを確認するのです。
(近い方に接続できていない場合は手動で切り替え)

移動するたびにチェックして手動で切り替えるのは面倒ですが、
機器の入れ替えや新規導入が不要なので一番お金のかからない方法です。

私の友人はこまめに接続先をチェックすることで中継器の効果を実感できるように
なりましたが、面倒なので他の方法を考えると言っていました。

中継器の設置場所を変更する

減衰や電波干渉で原因の場合は、
中継器の設置場所を変更することで改善される可能性があります。

Wi-Fiの電波は、
基本的にルーターや中継器を中心として放射状に広がっていきます。

2階に大元のWi-Fiルーターがあって1階の電波環境を改善したいなら、
2階の床付近か1階の天井付近に設置するのが望ましいです。

壁などの障害物による減衰が原因なら、Wi-Fiルーターと中継器、中継器と
スマホなどの機器の間で障害物が避けられる位置に中継器を設置しましょう。

隣家のWi-Fi電波による干渉を受けている場合は、Wi-Fiルーターや中継器を
できるだけ窓から離れた部屋の中心近くに置くようにすると改善されるはずです。

ただWi-Fiルーターも中継器も電源が必要で、場所を変更したくても近くにコンセントが無いのでできないといったことも考えられます。

また設置場所を変更しても改善されないこともありますから、
設置場所変更に機器の買い替えが必要な場合は慎重に検討してください。

Wi-Fiルーターや中継器を最新のものに買い替え

機器自体が古いと十分な通信速度が出ませんから、Wi-Fiルーターや中継器を
最新のものに買い替えることで通信速度アップが期待できます。

2024年4月現在、Wi-Fiの最新規格は「Wi-Fi6」で、
最大通信速度が従来のWi-Fi5の約1.4倍となっています。

Wi-Fiルーターが古いと中継器やスマホなどの通信機器が最新でも、
十分な通信速度が出ません。

中継器やスマホなどの機器に問題が無いのに通信速度が遅いと感じるなら、
Wi-Fiルーターを最新のものに買い替えましょう。

Wi-Fiルーターが最新でも中継器がシングルバンドやデュエルバンド切替式では
意味が無いので、こちらも最新のものしておく必要があります。

中継器もWi-Fi6対応のものでなければいけませんし、
デュエルバンド同時接続式かトライバンドのものが必要となります。

ただ最新規格に対応した機器は基本的に価格が高いため、
ルーター・中継器ともに最新のものを揃えると出費が嵩むので注意してください。

メッシュWi-Fiを導入する

中継器の効果が実感できない場合には、
「メッシュWi-Fi」を導入するのも1つの方法です。

メッシュWi-Fiは、ルーターの親機と子機を使って建物全体にWi-Fiを網目のように
張り巡らせるものです。

Wi-Fiルーターともう1台の機器を使ってWi-Fiの範囲を広げるという点では、
中継器と似ています。

ただ中継器は中継器としての役割しか持っておらず、
Wi-Fiルーターとしての機能は持っていません。

メッシュWi-Fiは親機・子機ともにWi-Fiルーターとしての機能を持っており、
簡単に言うとWi-Fiルーターを2台設置するのと同じです。

メッシュWi-Fiだと、現在居る地点でより強い電波を自動的にキャッチできます。

部屋を移動した際に遠くの機器に接続したままで電波が弱くなる、
といった中継器のデメリットはメッシュWi-Fiで解消できます。

メッシュWi-Fiなら建物の構造を気にせずに設置できますし、
障害物があっても中継器のように電波が減衰することも少ないです。

ただメッシュWi-Fiの導入には、
メッシュWi-Fi対応のルーターを購入しなければいけません。

以前に比べると安くなっているものの、
親機と子機2台購入しなければいけないので費用がかかります。

最近はメッシュWi-Fiと同じように使えるメッシュ中継機能を搭載した中継器も
あるので、費用を抑えたいならそちらの導入を検討してみてください。

まとめ

Wi-Fi中継器を導入したけど効果がないと感じるのには、
いくつか原因が考えられます。

お金をかけずに簡単に改善できる原因もあれば、
お金をかけても改善が難しい原因もあります。

まずは自宅の状況を確認して、Wi-Fi中継器の効果が実感できない原因が
どこにあるのかをハッキリさせましょう。

ちなみに私の友人は、中継器では改善できないのでメッシュWi-Fiの導入を
検討しているとのことです。

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