私は、仕事や時間に縛られない自由な生き方をしたいと思いながらも、
実際には仕事を辞める勇気が無い「ダメ人間」です。
では私のようなダメ人間でも、
3000万円の貯金・資産があればセミリタイアは可能なのでしょうか?
30代なら難しいが40代以上なら3000万円あればセミリタイア可能
30代だと3000万円でセミリタイアするのは難しいですが、
40代以上であればできないことはありません。
3000万円はかなりの大金ではあるものの、
セミリタイア後に何十年と生活するための資金としては少なすぎます。
退職後に年金以外の収入を一切得ない完全リタイアだと、
3000万円では40代どころか50代でも無理です。
しかしセミリタイアではアルバイトやフリーランスとして働くので、
会社勤めをしている時よりは減るもののある程度の収入が得られます。
少なくても収入があれば差し引きで支出が減らせますから、
40代以上であれば3000万円でもセミリタイアが可能となります。
退職後から亡くなるまでの生活費
退職してから亡くなるまでに、単身者の40代で大体7000~8000万円、
50代だと6000~7000万円の生活費が必要です。
総務省の「家計調査報告書(2022年)」によると、
単身者の1か月の平均消費支出は約16万円となっています。
(https://www.navinavi-hoken.com/articles/alone-living-expenses)
1か月の消費支出が約16万円ですから、
1年間生活するのにかかる費用は約200万円です。
また厚生労働省の「令和5年簡易生命表」によると、40代50代の平均余命は
・40歳 男性約42年 女性約47年
・45歳 男性約37年 女性約43年
・50歳 男性約32年 女性約38年
・55歳 男性約28年 女性約33年
となっています。
(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life23/dl/life23-02.pdf)
年間約200万円の生活費が平均余命の年数分必要だとすると
・40歳 男性約8400万円 女性約9400万円
・45歳 男性約7400万円 女性約8600万円
・50歳 男性約6400万円 女性約7600万円
・55歳 男性約5600万円 女性約6600万円
となるのです。
夫婦2人の退職後の生活費
夫婦2人の場合、退職してから亡くなるまでに必要な生活費は1億円以上です。
総務省の「家計調査(2021年)」によると、
2人暮らしの1か月の平均生活費は約29万円となっています。
(https://www.lifenet-seimei.co.jp/media/money/living-expenses-for-two-people/)
1か月29万円なので、
年間にすると約350万円の生活費が夫婦2人だとかかることになります。
夫婦同い年と仮定して、
平均余命の短い夫が亡くなるまでにかかる生活費の総額を計算すると
・40歳 1億4700万円
・45歳 1億2950万円
・50歳 1億1200万円
・55歳 9800万円
となるのです。
45歳以上単身者なら月10万円の収入があればOK
45歳以上の単身者なら、退職後に月10万円の収入が確保できれば
貯金3000万円でもセミリタイアが可能です。
単身者の生活費の1か月平均が約16万円ですから、
収入が月10万円あれば支出は月6万円、年間で72万円で済みます。
45歳の平均余命は37年なので、72万円×37年で約2700万円となり、
3000万円でも十分に足りるのです。
40歳の場合は72万円×42年で約3300万円必要となるため、
3000万円の貯金だとちょっと厳しいです。
夫婦2人だと月23万円以上の収入が必要
夫婦2人で3000万円の貯金でセミリタイアにするには、
退職後に月23万円以上の収入を確保する必要があります。
亡くなるまでに必要な生活費を3000万円までに抑えるには、
月の支出を約6万円まで抑えないといけません。
2人暮らしの生活費平均が約29万円ですから、
これを6万円以下にするのに月23万円以上の収入が必要ということです。
1人で月23万円稼ぐととなる会社勤めしないといけませんが、
夫婦2人でアルバイトなりフリーランスとして働けば何とかなる数字です。
貯金とは別に退職金と年金を考慮すればもう少し楽になる
早期退職とは言え懲戒免職でない限りは退職金が貰えますし、
65歳以上になれば年金が貰えます。
3000万円の貯金とは別に退職金と年金が貰えることを考慮すると、
退職後の収入は月10万円よりも少なくて済みます。
退職金の基準は会社によって違いますが、
大卒で入社したとすると40歳では勤続20年足らずです。
勤続20年で自己都合による退職だと700万円前後の退職金ですから、
勤続18年だと600万円台といったところでしょうか。
45歳だと1000万円前後、50歳で1500万円前後、
55歳だと2000万円いかないぐらいだと考えられます。
ちなみに早期退職制度を利用すると退職金が上乗せされるので、
40歳でも1000万円近く貰える可能性もあります。
年金は年収によって変わりますが、年収500万円だと22歳から40歳まで
年金掛金を支払うと、65歳からの年金支給額は年88万円です。
45歳だと年111万円、50歳だと年134万円 55歳では年157万円の年金が
貰えます。
亡くなるまでに貰える年金の総額は
・40歳 男性約1500万円 女性約1900万円
・45歳 男性約1900万円 女性約2500万円
・50歳 男性約2200万円 女性約3000万円
・55歳 男性約2800万円 女性約3600万円
となります。
45歳男性だと退職金と年金併せて2500万円ぐらい貰えるので、
貯金3000万円と足して5500万円です。
亡くなるまでに必要な生活費は約7400万円ですから、
退職してから亡くなるまでに2000万円稼げばOKです。
45歳男性の平均余命の37年で2000万円ですから、
1か月あたり5万円も稼げば十分に生活していけることになります。
貯金3000万円でセミリタイアするなら生活費の固定費は見直しが必要
私のようなダメ人間が貯金3000万円でセミリタイアする場合は、
生活費の固定費を見直さないといけません。
ちなみに総務省の家計調査による単身者の1か月平均生活費16万円というのは、
最低限の生活をした場合の金額です。
会社勤めをしている時と同じ金銭感覚で生活していると、
月16万円では生活費は到底収まりません。
生活費を16万円で収めるには、生活費の固定費である
・住居費
・光熱費
・通信費
を見直す必要があります。
まず「住居費」ですが、賃貸住宅に住んでいるなら会社勤めをしている時よりも
家賃の安いところに引っ越さないといけません。
もしくは退職までに一戸建てもしくは分譲マンションを購入して、
家賃をゼロにしましょう。
持ち家だと固定資産税がかかりますが、
同じ間取りなら家賃よりも固定資産税の方が安いです。
「光熱費」は、現在契約しているプランを変更したり、
電力会社・ガス会社を乗り換えることで抑えられます。
電気・ガスは自由化されたことで、東京電力や中部電力、東京ガスや大阪ガスなど
電気やガスを作っている会社以外からも供給が受けられるようになっています。
電気・ガスを供給する会社が増えたことで価格競争が発生しており、
より料金の安い会社に乗り換えることで電気・ガス料金が抑えられるのです。
「通信費」に関しては、固定電話とインターネット回線は解約して
スマホに一本化するのがおすすめです。
電話もインターネットもスマホで使えますから、
スマホに一本化すれば通信費が大幅に節約できます。
スマホ代も、ドコモやソフトバンクといった大手キャリアから格安SIMと言われる
MVNOに乗り換えれば安くなります。
スマホを大容量プランや使い放題プランにして通話料定額オプションを付けても、
固定電話とインターネット回線を併用するより安く済むのです。
ちなみにスマホの5G回線は光回線並の通信速度で、
テザリング機能を使えばパソコンでもインターネットが使えます。
ダメ人間でもセミリタイアにはリスクがある
私のように働くのが嫌いならダメ人間であっても、
自分のペースで働いて生活できるセミリタイアを選択するにはリスクがあります。
1つは「社会的に孤立する」恐れがあることです。
会社勤めをしていれば、嫌でも毎日同僚や上司と顔を合わせますし、
職種によっては取引先の人と会うこともあります。
ところがセミリタイアすると、毎日決まった人と会うことがなくなるため、
新しい人脈を作ることができません。
会社勤めをしている時の人脈も使いにくくなりますから、結果として
セミリタイアすることで社会との繋がりが途絶えてしまう恐れがあるのです。
経済的に不安定
会社を辞めることで安定した収入がなくなりますから、
セミリタイアすると経済的に不安定になってしまいます。
安定した収入がなくなることを見越して3000万円の貯金と、
退職後にアルバイトやフリーランスとして収入を得ます。
ただアルバイトやフリーランスは働かないことには収入は無く、
いつケガや病気で働けなくなって収入が無くなるか分かりません。
実際に私は40代になるまで風邪などのちょっとした病気以外で
病院のお世話になることはありませんでしたが、昨年2度入院しました。
それほど大した病気ではなかったものの、合計で2週間ほど会社を休みました。
私は会社勤めをしているので仕事を2週間休んでも収入が無くならないですが、
アルバイトやフリーランスだと休んでいる間は無収入となります。
入院するにはそれなりに費用もかかります。
今は元気でも年齢を重ねると、
いつ入院や手術が必要なケガや病気になるか分かりません。
ケガや病気によって収入が無くなり出費が増えることもあり、
セミリタイアすると経済的に不安定になりやすいのです。
資金不足に陥っても再就職は難しい
経済的に不安定になって生活資金が不足したとしても、
セミリタイアしている以上は再就職は難しいです。
30代ならまだ中途採用で雇ってくれるところはありますが、40代以上となると
特別なスキルや経験がないとただでさえ雇ってくれるところは少ないです。
ましてセミリタイアして数年間会社勤めしていないとなると、
30代であっても再就職が難しくなります。
セミリタイアするなら再就職はできないものと考えて、
資金計画を立てておかないといけません。
会社勤めしたままセミリタイア状態になるという選択肢も
私個人としては、会社を辞めずに会社勤めしたままセミリタイア状態になるという
選択肢もあるのではないかと思っています。
会社勤めしている以上は気ままに自由に生活はできませんが、
昇進・昇格を諦めれば精神的にも肉体的にもかなり楽になります。
その上で仕事以外の楽しみを見つけて、その楽しみのために会社で働くのです。
自分のため生活のために働くのは苦しいですが、
楽しいことのために働くのは意外と苦痛ではありません。
休日に楽しいことが待っていると考えると、
むしろ平日の仕事を頑張れるぐらいです。
大袈裟でなくても、夫婦2人で旅行に行くとかペットと遊ぶとか推し活するとか、
自分が楽しいと思えることなら何でも構いません。
他人に「くだらない」と言われることでも良いので、
自分が楽しめて没頭できることを見つけて、そのために会社で働くのです。
会社勤めしていれば安定した収入が見込めますから、
仕事以外の楽しみにもある程度お金がかけられます。
また定年まで勤め上げれば退職金は満額貰えますし、
年金支給額も早期退職した場合よりは増えます。
その上貯金も多少は増えますから、
貯金と退職金と年金を合わせれば退職後のお金の不安もありません。
まとめ
私のようなダメ人間でも、アルバイトやフリーランスとして月10万ほど稼げれば、
貯金3000万円でセミリタイアが可能です。
しかし3000万円と月10万円ほどの稼ぎでは最低限の生活ができるだけで、
自由気ままな生活とは程遠いことになるかもしれません。
昇進・昇格を諦めて会社勤めを続け、
仕事以外の楽しみのために定年まで働くと選択肢もあります。
かなりのダメ人間である私はこれから3000万円貯めるのも難しいので、
仕事以外の楽しみのために定年まで働いてみます。