昇進試験に落ちたら、
その瞬間から仕事が手に付かないほどショックを受けて辛い気持ちになります。
それでも仕事は続けなければいけませんが、
昇進試験に落ちた後にモチベーションを保つにはどうすれば良いのでしょうか?
昇進試験に落ちると恥ずかしいし情けない
昇進試験を受けることが決まると家族に報告しますし、
同僚にもある程度知れ渡ります。
周りの人の多くが自分が昇進試験を受けることを知っている状況で、
落ちると辛いのはもちろん「恥ずかしい」という気持ちになります。
また家族など周りの期待に応えられなかった自分自身に対して、
「情けない」という気持ちも湧いてくるのです。
穴があったら入りたいどころか、この世から消えてしまいたいぐらいの気持ちに
なりますが、だからと言って仕事を辞めるわけにはいきません。
期待してくれている家族のためにも、
次回の昇進試験に向けてモチベーションを上げて仕事に取り組む必要があります。
昇進試験で落ちた時にモチベーションを上げるには
昇進試験に落ちて辛い・恥ずかしい・情けないという気持ちを払しょくして、
モチベーションを上げる方法をいくつか紹介します。
昇進試験は誰でも受けられるわけじゃない
昇進試験は、高校や大学の入学試験と違って、
希望すれば誰でも受けられるわけではありません。
普段の業務で一定以上の成果を出すことで、直属の上司など周りに能力を
認められることで昇進試験を受ける資格が得られるのです。
昇進試験に落ちると、
「自分には能力が無い」「会社から必要とされていない」と感じてしまいます。
しかし昇進試験を受けられるのは能力が認められている証拠であり、
会社に必要な人材だからこそ昇進させようとしてくれたわけです。
絶対評価の試験なら、自分が頑張って高得点を取りさえすれば合格できます。
ところが昇進試験は絶対評価ではなく相対評価で、自分が高得点を取っても
他の人がより高得点を取っていれば落ちてしまうこともあるのです。
能力が認められて期待されているから昇進試験が受けられたのであって、
落ちたのはたまたま自分より高得点を取った人が居たからと考えましょう。
自分が悪かったからではなく、
自分よりもっと良い人が居たと考えることで少し気分が楽になるはずです。
昇進試験の合格率は高くない
私も昇進試験を受けたことがありますが、
企業の昇進試験は一般的に思われているよりも合格率が高くありません。
もちろん企業によって合格率は違いますが、
高くても4割程度、低いと1割ぐらいとなっています。
合格率10%は測量士と同じぐらいで、
行政書士やファイナンシャルプランナー1級、宅建よりも低いです。
(https://www.agaroot.jp/column/national-qualification-ranking/)
何年も勉強して実務経験も積んでやっと取得できる資格と同じぐらい、
昇進試験に合格することは難しいのです。
昇進試験を受けられただけでも十分、そもそも合格するのが難しいと考えておけば、
それほど落ち込むことはありません。
仕事が忙しくならなくて良かった
昇進試験に落ちたら、「出世できなかった」と思うのではなく
「仕事が忙しくならなくて良かった」と考えると良いかもしれません。
昇進試験が1年に1度であれば、
少なくともあと1年間は手慣れたこれまでと同じ業務に従事することになります。
合格して昇進していたら、新しく覚えないといけないことが増えますし
責任も大きくなって、確実にこれまで以上に忙しくなるのです。
昇進試験の準備でしばらく忙しかったのに、
昇進してさらに忙しくなると家族サービスが疎かになってしまいます。
少なくとも次の昇進試験までは、慣れた仕事に落ち着いて取り組めますし、
仕事と家庭の両立も難しくありません。
落ち着いて仕事に取り組んで、次の昇進試験では人事部に
「ぜひ昇進してくれ」と言われるぐらい成果を上げてやりましょう。
「マネージャーよりプレーヤー」と割り切る
昇進試験に落ちたら、
自分は「マネージャーよりプレーヤーなんだ」と割り切るのも良いかもしれません。
人には向き不向きがあり、
優秀なプレーヤーが優秀なマネージャーになれるとは限りません。
プロスポーツの世界には「名選手、名監督にあらず」という言葉があります。
現役時代に素晴らしい実績を残した名選手でも、
指導者になると全く結果が残せないといったことがあるのです。
ビジネスでも同じで、現場で働かせると超一流だけど管理職になるとイマイチ
というケースが少なくありません。
プレーヤーとして得た評価をマネージャーになって失うよりも、
プレーヤーのまま評価され続ける道を選ぶのも悪いことではないです。
昇進試験は出来レース?
企業によっては、昇進する人が最初から決まっていて試験自体が
「出来レース」となっていることもあります。
特定の人をタダで昇進させることはできないので、
昇進試験を行って「公平な審査によって昇進した」ということにしたいわけです。
今回は特定の人を昇進させるための出来レースの当て馬にされただけで、試験の
結果が悪かった評価されてなかったわけじゃないと考えると気持ちが楽になります。
出来レースの本命になれば確実に昇進できるとなれば、
本命になるためにモチベーションを上げて仕事に取り組めます。
反対に出来レースなら昇進できなくても仕方ないと割り切って、
一プレーヤーとして仕事に取り組むのも悪くありません。
仕事以外の楽しみを見つける
昇進試験に落ちた辛さを忘れるためには、
仕事以外に楽しみを見つけるしかありません。
試験に合格して昇進すると、これまで以上に仕事が忙しくなって残業も増えて、
仕事以外のことに割ける時間がほとんどなくなってしまいます。
昇進できなかったことで、これまで通り余裕を持って仕事に取り組めるので、
仕事以外の楽しみを見つけられる時間が作れます。
結婚して子供が居るなら、
精一杯家族サービスをして家族と一緒に楽しむのも良いかもしれません。
子供の成長は早く、
親が一緒になって色んな事を楽しめる時間はそれほど長くないです。
読書で見聞を広げるのも良いですし、
スポーツで汗をかいてイヤなことを忘れるのも良いです。
キャンプや農作業、スキー、サーフィンなどで自然と触れ合ったり、
副業を始めてそちらで評価を高めるといったこともできます。
昇進試験に落ちたことはマイナスかもしれませんが、落ちたことでできた時間を
有意義に使えばマイナスをプラスにすることもできるのです。
次回の昇進試験に向けて
一プレーヤーとして割り切って仕事に取り組むならともかく、
諦めていないなら次回の昇進試験に向けた準備に取り掛からないといけません。
試験に落ちて辛い気持ちを引きずったまま仕事をしていては、
次の昇進試験を受けさせてもらうことすらできないかもしれません。
ショックを引きずらずに、
次回の昇進試験に向けて前向きに仕事に取り組むことが重要です。
昇進試験で重要なのは面談
企業によって昇進試験の内容は違いますが、
大抵の企業の昇進試験では社長や役員による「面談」が行われます。
就職試験では最終面接に残ったら内定を貰ったも同然、と言われることもあります。
(実際は最終面接に残っても50%ぐらいの確率で内定が貰えない)
しかし昇進試験では面談こそが重要で、面談で失敗すると筆記試験や小論文で
取った高得点がすべて台無しになってしまうのです。
筆記試験や小論文はあくまで「予選」、
社長や役員による面談こそが昇進試験における「本選」となります。
評価されるポイントをアピールする
昇進試験の面談は質問に回答する形で進められますが、
評価されるポイントをアピールするように回答することが重要です。
昇進試験は管理職になるための試験で、
面談では管理職にふさわしい能力を備えているかがチェックされています。
現場目線での回答では、
「プレーヤーとしては優秀でも管理職としては・・・」と思われかねません。
管理職目線で回答することで、「プレーヤーだけど、すでにマネージャーとしての
意識・目線で仕事に取り組んでいる」ことをアピールするのです。
あくまで管理職としての適性を問われる試験ですから、
管理職としての能力を備えていることをアピールすることが重要です。
自信を持って受け答えする
昇進試験の面談では、「自信を持って受け答えする」ことを意識しましょう。
面談は入社試験以来という人も多いでしょうし、普段ほとんど顔を見ない
社長や役員と面と向かって話すので緊張しないのは無理です。
緊張するのは仕方ありませんが、
緊張しているからと言ってオドオドしたり声が小さくなったりしてはいけません。
根拠が無くても構いませんから、自信を持って大きな声でハキハキと受け答えしてください。
昇進すると、他社の立場ある人と会議などで顔を合わせる機会が多くなります。
他社の立場ある人に対して臆せず自分の意見を言えるかどうかも、
昇進試験では見られています。
自社の社長や役員相手に臆していては他社の立場ある人に自信を持てないので、
昇進試験の面談ではとにかく自信を持って話すことを意識しましょう。
フィードバックは意外と役に立たない?
企業によっては、
昇進試験の後に落ちた人向けにフィードバックが行われることがあります。
フィードバックが行われなくても、
自分で昇進試験の試験官を務めた上司にフィードバックを求めることもあるでしょう。
フィードバックを受けることはマイナスにはなりませんが、
意外と役に立たないことも多いです。
昇進試験後のフィードバックでは
・落ちた理由
・評価されたポイント
・伸ばしてほしい能力
などを教えてもらえます。
「評価されたポイント」や「伸ばしてほしい能力」は次回の昇進試験に役立ちますが、
「落ちた理由」があまり役に立ちません。
「キミも良かったんだけど、僅かの差で彼が昇進することに決まった」
といったようなことして言われません。
ほとんどの企業では昇進試験の評価基準は公表していませんから、
落ちた理由を明確に説明できないのです。
また試験官によっては他の試験官の点数を知らされたおらず、
他の試験官が評価しなかったポイントが分からないこともあります。
フィードバックでは、評価されたポイントや伸ばしてほしい能力は
真摯に受け止めないといけませんが、落ちた理由は適当に流しても大丈夫です。
まとめ
昇進試験に落ちたら、辛いですし恥ずかしいですし情けないですし、
周りに対して申し訳なく思ってしまいます。
しかし昇進試験を受けられるということは、これまでしっかりと成果を上げていて、
上司から期待されていることの証です。
そもそも昇進試験は狭き門で簡単に合格できるものではないので、
落ちたことは気にせずこれまで通りのモチベーションで仕事に取り組んでください。