独身のまま40代を迎えると、「将来が不安」「希望が持てない」といった
30代までには頭の片隅にも無かった感情が湧いてくることがあります。
では40代独身が将来が不安だったり希望が持てないのはなぜか、
どうすれば不安や希望が持てない状況を変えられるのでしょうか?
40代はビジネスパーソンにとって「魔の世代」
40代はビジネスパーソンにとって「魔の世代」と言われており、独身・既婚に
関わらず不安を感じたり希望が持てない状況に陥りやすくなっています。
米ダートマス大学のデービッド・ブランチフラワー教授が、
世界145か国のビジネスパーソンを対象に年齢と幸福度の関係性を調査しました。
(https://link.springer.com/article/10.1007/s00148-020-00797-z)
その調査結果によると、年齢を重ねるに連れて幸福度が下がっていきますが、
ある年齢を境に再度幸福度が上がっていくU字型になることが分かりました。
U字型の一番底、一番幸福度が低い年齢が48.3歳で、
40代は底に向けて幸福度が年代なのです。
また40代は「ミッドライフクライシス」が始まるタイミングでもあります。
(https://www.nlpjapan.co.jp/nlp-focus/midlife-crisis.html)
スイスの心理学者であるカール・ユングが
・少年、青年期 これから日が昇る日の出から午前中
・中年期 最も日が高く昇る正午から午後
・老年期 夜に向けての日没
と人生を例えています。
40代は日が昇りきって沈み始める時期で、これから夜(老年期)を迎えるに
当たっての不安を強く感じる人生の節目でもあるのです。
身体的な変化が目に見えて現れるようになり、
精神的な不安を抱えるミッドライフクライシスが始まるのが40代です。
40代独身が将来に不安や希望が持てないと感じる理由
40代が魔の世代でミッドライフクライシスが始める年代ですが、では具体的に
どういったことに不安を感じたり希望が持てなくなっているのでしょうか。
独身・既婚に関わらず40代が不安を感じる理由として考えられるのが、
「自己評価の低下」です。
高校生・大学生の就職する前は将来への希望にあふれていて、
それらの希望を自分は叶えられると信じていました。
しかし実際に働き始めると、いくら頑張ってもうまくいかずに失敗を繰り返して、
就職する前に抱いていた希望が次々と打ち砕かれていきます。
そして40代を迎える頃には、
無限だと思っていた自分の可能性がちっぽけなものだったと気付かされるのです。
自分の可能性の限界が見えて、これ以上は上に行けないと悟ってしまいます。
「何者にもなれなかった自分」に対する自己評価が低下することで、
将来に不安を感じて希望を持てなくなってしまうのです。
自分中心でなくなる
40代になると仕事においてもプライペートにおいても、
「自分中心」ではなくなってくることが多くなります。
例えば仕事だと、40代ではそれなりに責任ある立場になっており、先頭に立って
作業をするというよりは部下や後輩を支える役割を担うことになります。
これまでは仕事において自分が中心の役割を担っていたのが
支える役割に回ることで、「世代交代」を感じさせられるのです。
またプライベートにおいては、結婚して子供が居ると生活の中心は子供となります。
何をするにも子供が優先で自分のことは二の次三の次となり、
プライベートも自分中心ではなくなってきます。
独身だとプライベートは自分中心で居られますが、仕事では中心から
外れることが多くなって不安を感じたり希望が持てなくなったりするのです。
独身の40代は結婚に対する不安も
独身のまま40代を迎えた場合には、
「結婚」も将来を不安にさせたり希望を持てない状況にする要因となります。
30代までは独身生活を謳歌していても、40代になってふと周りを見ると
友人や同僚はみんな結婚して子供ができています。
自分だけ独身だと取り残されたような気持ちになってしまうのです。
40歳になるまでは、「いつ結婚するの?」「いい人居ないの?」など
結婚を急かすようなことを言われます。
ところが40歳を迎えると、
そういった結婚を期待する声がだんだんと聞こえなくなってきます。
自分が結婚することを期待されなくなっていることへの寂しさとともに、
このまま結婚できないかもしれないという不安に襲われるのです。
また40代独身女性の場合は出産の期限が迫っていることもあって、
子供が産めなくなることへの不安も上乗せされます。
老いへの恐怖
40代になると身体的な変化が目に見えて現れますから、
確実に「老い」を感じるようになります。
特に40代独身は一人身のまま老いていくことへの恐怖から、
不安を感じたり希望が持てなくなったりするわけです。
30代までは多少寝不足でも仕事に支障はありませんでしたし、
食べすぎたり飲みすぎたりしても一晩寝れば回復していました。
ところが40代になると寝不足だと仕事に支障が出るほど体が重く、
食べすぎたり飲みすぎたりすると2~3日影響が続きます。
また30代までは健康診断以外で医者の世話になることがなかったのに、
40代になると何かと医者の世話になる機会が増えます。
自分自身の痛い・しんどいということに加えて、
親の付き添いをする機会も増えるので病院が身近なものとなるのです。
私自身も昨年2回入院しましたし、
母親の付き添いで時折大きな病院に行くこともあります。
重篤ではないと言え、
入院が必要なほど体を悪くしたことで私は確実に老いを感じました。
また母親が通院するのに自分の付き添いを必要としていることに対して、
自分もいずれこうなるのかと多少の不安を感じています。
独身である私は病院の付き添いをお願いできる相手も居ませんから、
老いに対する不安が余計に大きいです。
40代独身が将来に不安を感じたり希望が持てなくならないようにするには
将来が不安、希望が持てないからと言って、
すぐに働くことや生きること自体を止めてしまうわけにはいきません。
人生100年時代であることを考えると、
40代ではまだ折り返し地点にも達していないのです。
では将来に不安を感じたり希望を持てなくなっている現状で、
40代独身はこれからどのように生きて行けば良いのでしょうか?
平凡こそ幸せだと再認識する
将来に不安を感じたり希望を持てなくなっている40代独身にとって重要なのは、
「平凡こそ幸せ」だと再認識することです。
20代30代で何かを成し遂げた人は自分に自信があるので、
40代になっても「まだまだこれから」と前向きに生きています。
ところが私のように20代30代で何も成し遂げられなかった人は、
自信がないので40代になると先が不安になるのです。
しかし20代30代で何かを成し遂げた人はごく一部であり、
大半の人が何も成し遂げずに40代を迎えています。
自分と比べて周りが充実しているように見えるのは、
充実している瞬間ばかりを切り取って見ているからです。
実際には自分の周りの人も少なからず将来に不安を抱えて、
希望が持てなくなっている状態に陥っています。
40代になると将来に不安を感じたり希望が持てなくなるのは当たり前、
と考えると少しですが精神的に楽になるはずです。
また禅の言葉に、何事もなく無事に暮らせることこそ幸せを意味する
「安閑無事」という言葉があります。
(https://zenliving.fun/nothing-special/)
何も成し遂げられなかったとしても、健康で仕事ができてご飯が食べられるという
当たり前のことが当たり前にできていることが幸せなのです。
体を動かして発散
40代になって将来に不安を感じたり希望が持てなくなってきたら、
外に出て体を動かしてみましょう。
不安になったり希望が持てなくなるのは「考える」からです。
考えて答えが出ることなら良いですが、
将来のことは考えても答えが出ないので考えれば考えるほど不安になります。
そこでいったん考えるのを止めて、体を動かして気分転換してみるのです。
体を動かすと空気をたくさん体に取り込むことになりますから、
呼吸循環器が刺激されます。
呼吸循環器が刺激されることで、取り込んだ酸素が体全体に行き渡りやすくなり、
疲労物質が排出されやすくなります。
疲労物質が排出されやすくなることで睡眠のリズムも改善され、
体を動かすことでかえって疲れが取れやすくなるのです。
また体を動かすことで幸せホルモンとも言われる「セロトニン」が分泌されます。
セロトニンが分泌されることで自律神経が整えられて、
イライラやストレスなど精神的な問題が解消されます。
軽くでも体を動かすと身体的にも精神的にも安定するので、
将来への不安が少しは解消されるのです。
いきなりフィットネスジムに通ったりキツイ筋トレをしたりする必要はなく、
近所を散歩するといった程度のことから始めてみると良いですよ。
新しいことにチャレンジしてみる
将来に不安を感じたり希望が持てなくなったら、
新しいことにチャレンジしてみるのも良いかもしれません。
40代になると自分では若くないと思っていますが、
人生100年時代ですから他の人から見れば40代はまだまだ若い方です。
独身なら20代30代に比べると経済的余裕もありますし、
自由に使える時間も既婚者よりは多くあります。
お金や時間が無くて20代30代の頃にできなかったことを、
40代で始めてみるのです。
特にやりたいことが見つからない場合は、
もっと遡って子供の頃にやりたくてもできなかったことをするのも良いでしょう。
私が子供の頃はファミコンが大ブームでしたが、
お小遣いで買ったり親に買ってもらったりしたソフトの数は限られていました。
今ならネット通販などでファミコンソフトも比較的安価に手に入りますから、
子供の頃に欲しかったソフトを買ってプレイするのも良いかもしれません。
別に誰かに見せないといけないわけではありませんから、
自分以外の人にとっては全く価値のないもので構いません。
自分が楽しいと感じられることなら何でも良いので、
年齢を気にせずに新しいことを始めてみましょう。
新しいことを始めると気分も若返りますし、
少なくとも楽しいことをしている間は将来への不安は忘れています。
ひょっとしたらチャレンジがきっかけで新しい出会いがあるかもしれませんよ。
大きな決断は焦らなくて良い
40代になると先が見えてきたように感じるので漠然とした「焦り」を感じますが、
人生における大きな決断は焦らなくて大丈夫です。
40代独身だと、周りに急かされることもあって、
焦って妥協して結婚を決断してしまうことがあるかもしれません。
しかし妥協して結婚すると、
「この人じゃなかった」「独身の方が良かった」と後悔することもあります。
40代まで独身を貫いてきたんですから、
40代になったからと言って焦って結婚する必要はないのです。
相手も40代なら経済的に自立しているので、結婚しなくてもパートナーとして
大人の関係を構築するといったことで構いません。
結婚に限らず転職や引越しなども同様で、
40代だからと言って焦って決断するのではなく、慎重に検討してください。
(既婚者は離婚も慎重に)
まとめ
独身のまま40代を迎えると将来が不安になったり希望が持てない状況に
なることもありますが、それは大きな問題ではありません。
むしろ40代独身なのに将来に何も不安を感じていない方が問題です。
40代は人生の転換期で、「このままじゃダメだ、変わらないと」という気持ちが
自分を不安にさせているのです。
変わりたいから不安を感じているので、
些細なことでも良いですから変えてみると不安が軽くなるかもしれませんよ。