「何だか会社で仕事押し付けられることが多い」と感じている人も居るはずです。
では、会社で仕事を押し付けられる原因は何なのか、
仕事を押し付けられた時はどう対処したら良いのかなどを詳しく見ていきましょう。
仕事押し付けられる原因
会社で仕事を押し付けられるのにはいくつか原因があります。
仕事を押し付ける側に原因があることもあれば、
仕事を押し付けられる側に原因があることもあるのです。
さらには会社に原因があって、押し付ける側にも押し付けられる側にも
原因が無いといったケースも考えられます。
仕事を押し付ける側の原因
仕事を押し付ける側の原因としては、
「立場を利用している」といったことが挙げられます。
日本企業でも年功序列が崩れてきていますが、
上司や先輩といった立場の人からの頼み事は無下に断れません。
頼みごとが無下に断られない立場に自分があることを利用して、
部下や後輩に仕事を押し付けるといったケースです。
相手が上司の場合は、業務に関する頼み事は「命令」とも受け取れるので
絶対に断れないのでタチが悪いです。
正社員が契約社員や派遣社員、アルバイト、パートに仕事を押し付けるのも
立場を利用しています。
上司のマネジメント能力が低い
特定の人に仕事が集中して押し付けられるような形になるのは、
「上司のマネジメント能力が低い」ことに原因があるとも考えられます。
部下の能力に応じて仕事を割り振りつつも、業務量を管理して
負担が大きくなりすぎないようにするのも管理職たる上司の仕事です。
仕事ができる部下に集中して仕事を押し付けているようでは、
管理職として部下のマネジメントができているとは言えません。
特定の人に仕事が集中して負担が大きくなりすぎると、
「安全配慮義務違反」となって上司だけでなく会社の責任も問われます。
(https://roudou-bengoshi.com/rousai/20492/#index_id5)
また能力に見合わない仕事を押し付ける、
好き嫌いで仕事を割り振るといった場合は「パワハラ」と見なされます。
自分ならできると思い込んでいる
無理やり仕事を押し付けてくる上司や先輩は、
「自分ならできる」と思い込んでいることが多いです。
「俺が若い時はもっと仕事をしていた」「俺ができるんだからお前もやれる」と
思い込んで、適正とは思えない量の仕事を押し付けてくるのです。
人それぞれ能力が違いますから、自分にはできても人にはできないこともあれば、
逆に人にできて自分にできないこともあります。
能力の違いを見極めて仕事を割り振るのが管理職の仕事であり、思い込みで
仕事を押し付けるのは管理職としての能力が無いと言わざるをえません。
また実際に仕事ができる人から押し付けられるなら仕方ない面もありますが、
思い込みが強い人ほどそんなに仕事ができません。
「俺ならできる」と思い込んでいるけど実際はそれほど仕事ができない人から、
無理やり仕事を押し付けれられるとイラっとしてしまいます。
自分さえ良ければいい
自分だけが楽をしたくて「自分さえ良ければいい」という考え方だと、
人に仕事を押し付けます。
得意なことや簡単なことだけやって、
後の面倒なところは人に押し付けて楽をしようとするのです。
まったく仕事をしていないわけではないので、
上司などに相談しても解決できないことも少なくありません。
また「これやっといて」などと直接押し付けるのではなく、
仕事を放置するという形で押し付けるケースもあります。
例えば、説明会などのイベント終了後いつの間にか居なくなっていて、
残った人だけで片付けさせられるなどといったことです。
シフト制で、前のシフトの人がやり残した仕事をやらされるのも
一種の仕事の押し付けとなります。
責任を負いたくない
仕事の責任を負いたくないから、
他の人に仕事を押し付けると言ったケースもあるのです。
任された仕事の中に苦手なことがあり、
苦手なことで失敗すると責任を負わされてしまいます。
失敗の責任を負わされて評価を落として降格や減給になるのがイヤなので、
苦手なことを他の人に押し付けるわけです。
苦手なことを他の人にやってもらうのは、
業務の効率化の面ではプラスで悪いことではありません。
しかし責任を負いたくないという自己保身から、
苦手なことを他の人にやってもらうのはただの押し付けです。
押し付けられる側の原因
次から次へと仕事を押し付けられる場合には、
押し付けられる側にも多少の原因があります。
1つは「仕事に対して真面目」であることです。
仕事に対して真面目なことはビジネスパーソンとして非常に良いことです。
しかし周りからは、「この人なら仕事をお願いしてもちゃんとやってくれそう」と
思われてしまいます。
真面目で仕事をきっちりこなすがゆえに、
周りから頼りにされて次から次へと仕事を押し付けられるのです。
責任感が強い
「責任感が強い」人も、周りから仕事を押し付けられやすいです。
責任感が強い人は、早出してでも残業してでも休日出勤してでも
家に持ち帰ってでも与えられた仕事はきっちり期限内に済ませようとします。
その責任感を周りが逆手に取って、
苦手なことや面倒なことを押し付けてくるのです。
ただ責任感を持って仕事をしている人は評価されますから、
すぐに昇進・昇格して仕事を押し付けられない立場になれる可能性も高いです。
能力がある
仕事を押し付ける側も人を見ているので、押し付けられるということは周りから
「仕事ができる」「能力がある」と思われていることになります。
押し付けられたとしても与えられた仕事をキチンとこなせば評価されるので、
押し付けられる側にもプラスの側面があります。
ただ能力があることで体よく使われて、仕事を押し付けられるだけで
手柄は押し付けた上司や先輩に持っていかれるといったことにもなりかねません。
頼まれたら断れない
「頼まれたら断れない」という性格の人も、仕事を押し付けられやすいです。
いくら上司や先輩など立場のある人でも、
イヤな顔をする人や平気で断ってくる人には仕事を頼みにくいです。
イヤな顔されたり断られたりしない人を選んで仕事を頼むので、
頼まれた断れない人のところに仕事が集中してしまいます。
日本人にとって「謙虚さ」は美徳ではありますが、
その謙虚さが余計な仕事を呼び込んでしまうことにもなります。
会社の近くに住んでいる
「会社の近くに住んでいる」人も、仕事を押し付けられやすいです。
例えば、仕事を終えるには19時まで残業しないといけないとします。
通勤に1時間かかる人は、19時まで残業すると自宅に帰れるのは20時過ぎです。
ところが会社から10分のところに住んでいると、
19時まで残業しても19時30分までには帰宅可能です。
仕事を任せる方も「帰宅時間があまり遅くなると可哀そう」となって、残業しても
帰りが遅くならない職住近接の人に残業が必要な仕事を振りがちとなります。
ただ「会社から家が近い」というだけで仕事を押し付けられていて、
「その人でないとできない仕事」ではありません。
職住近接だと、残業だけでなく早朝出勤や休日出勤が必要な仕事も
押し付けられる恐れがあります。
仕事を押し付けられないために、
会社の遠くに住んで通勤に時間をかけないといけないのも面倒です。
仕事押し付けの原因が会社にある場合
押し付ける側にも押し付けられる側にも大きな問題はなく、
会社側に大きな原因があるケースもあります。
社員に問題は無いのに仕事の押し付けが発生する大きな原因の1つが
「人手不足」です。
特に中小企業は、バブル崩壊やリーマンショックの影響などで人員削減・
新規採用見送りで慢性的な人手不足に陥っているところが少なくありません。
人手が不足しても同じ量の仕事をこなさないといけませんから、
当然社員1人当たりの業務量が多くなります。
社員全員がすでにキャパオーバーの状態のところに新たに仕事が入ってきて、
それを全員で押し付け合うことになるのです。
押し付けられる側はもちろん押し付ける側もすでにキャパオーバーですから、
社員の責任ではなく会社の責任となります。
人事評価制度が正しく機能していない
仕事の押し付けが発生する会社側の原因としてもう1つ考えられるのが、
「人事評価制度の機能不全」です。
人事評価制度が正しく機能していれば、
仕事を押し付けられた人が評価されて昇進・昇格に繋がります。
しかし人事評価制度が機能不全に陥っていると、
いくら仕事をしても評価されないことになってしまいます。
上司や先輩など立場のある人がこれを利用して、評価されやすい仕事は
自分が担当、評価されにくい仕事は他の人に押し付けるといったことをするのです。
大して仕事をしていないのに美味しいとこ取りの上司や先輩は評価されて、
押し付けられた方がいくら仕事をしてもまったく評価されないことになります。
人事の失敗
「人事の失敗」によって、仕事の押し付けが発生することも考えられます。
適材適所で各部署に十分な人数の社員を配置していれば、
仕事の押し付けは起こりえません。
しかし人事に失敗すると、能力やスキルに見合わない部署に配置されたり、
十分な人数が配置されないといったことが起こります。
能力やスキルに見合わない部署に配置された社員は、
思うように仕事ができなかったり、不満を募らせて辞めてしまうこともあります。
そうすると、十分な人数が配置されない場合と同様に人手不足が発生して、
仕事を押し付け合うことになってしまうわけです。
仕事を押し付けられた時の対処法
上司や先輩から頼まれたとは言え、
何でもかんでも押し付けられた仕事を受けていては体も心も持ちません。
仕事を押し付けられた時の一番手っ取り早い対処法は
「明確に意思表示する」ことです。
いくら上司や先輩でも断られそうな人には仕事を押し付けないので、
「できない」と明確に意思表示すれば押し付けられにくくなります。
ただ無下に断ると角が立ちますし、自分の評価を下げることにもなりかねません。
例えば
・こちらの業務を任されているので対応できかねます。申し訳ありません。
・急ぎの業務があるので来週以降で良ければ対応いたします。
・(Aの業務)は対応できますが、(Bの業務)に対応するのは難しい状況です
などといった形で断りましょう。
すでに他の仕事で手一杯ならそれを素直に伝えることで、
上司や先輩も「それなら他の人に頼もう」となります。
いますぐはできないけど後ならできる、ここまではできるけど全部はできない、
など条件付きなら引き受けられることをアピールできます。
「それでも良い」と言われたら、多少仕事が遅れても中途半端になっても、
仕事を任せた上司や先輩の責任です。
仕事を任せるか否かの決定を相手に委ねることで、
責任の所在を明確にしつつ暗に断ることができます。
上司とタスク共有する
上司とタスク共有して、
自分の仕事量を把握してもらうことで仕事の押し付けが回避できます。
現状でどれだけの仕事量があるかハッキリ分かっていないので、
「まだできるだろう」と仕事を押し付けてくるのです。
上司が部下の仕事量を把握できていれば、
「こっちは手一杯だから、あっちに任せよう」となります。
タスク共有のシステムが導入されていないのであれば、
報連相をこまめに行うことで自分の仕事量を上司に把握してもらいましょう。
まとめ
会社で仕事の押し付けが発生するのには、
・押し付ける側
・押し付けられる側
・会社
のいずれかもしくは全てに原因があります。
明確な意思表示で断り、
上司とタスク共有することで多少は仕事の押し付けが回避可能です。
断ってもタスク共有しても押し付けられるなら、
上司の上司や人事部に相談しましょう。
上司の上司や人事部に相談しても改善されないなら、
労働基準監督署や弁護士など外部窓口に頼る選択肢もあります。
(https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/soudan/index.html)
まあ外部窓口に頼らないといけないような状況なら、
いっそのこと転職を検討するのもアリですよ。