真面目に仕事に取り組んでいて成果もそれなりに上げているのに、アピールしたく
ないがために正当に評価されていないビジネスパーソンも多いはずです。
昇進・昇格するにはアピールが必要なのか、
アピールしたくない場合はどうすれば良いのかについて詳しく見ていきましょう。
「アピールしたくない」は損?
一生懸命働いて成果を上げさえすればアピールなんてしなくて正しく評価される、
というのは一昔前の話です。
高度経済成長期やバブル期の頃は、競争力も体力もある企業が多かったので、
多くの社員を抱えていました。
人員に余裕があると管理職は「管理する仕事」に専念できて、
部下の働きぶりをつぶさに把握できました。
管理職が管理する仕事に専念できていれば、
特にアピールしなくても真面目に働いているだけで評価してもらえたのです。
しかしバブル崩壊後、リストラや新卒採用見送りなどで人員を整理した結果、
管理職は管理する仕事に専念できなくなっています。
管理職は、部下を管理することに加えて業務にも携わる
いわゆる「プレーイングマネジャー」となっているケースが多いです。
業務に携わる分だけ部下の動向に目を配れる時間が少なくなり、
アピールしないことには働きぶりを評価してもらいにくくなっているわけです。
上司もアピールしてほしいと思っている
評価する側である上司も、部下には「アピールしてほしい」と思っています。
例えば同じぐらい仕事ができる部下が2人居て、
どちらか1人を昇進させるとなったとします。
1人はアピール下手で、もう1人はアピール上手だとすると、
アピール上手の方が昇進を推薦してもらいやすいです。
同じぐらい仕事ができるとしても、アピール上手な方が目立ちますから、
より「仕事ができる」「仕事をしている」感じが伝わりやすいです。
上司は、さらに上の管理職に向けて部下の働きぶりをアピールしないといけません。
目立たないアピール下手よりは目立つアピール上手の方が、
上司としてアピールポイントが多くなるので推薦しやすいのです。
下手なアピールは逆効果
社内で評価を受けるにはアピールすることが重要ですが、
下手なアピールはかえって逆効果となってしまうこともあります。
アピールすると、上司や同僚の目を自分に集めることになり、
同時に周りは自分に対して期待するようになります。
期待されると、それなりの結果が求められますから、
結果が残せないとアピールしたことが裏目に出てしまうのです。
下手にアピールして裏目に出るぐらいなら、
多少上司の覚えは悪くてもアピール居ない方が得策かもしれません。
必要以上に仕事でアピールしたくない
仕事で必要以上にアピールしたくないけど昇進・昇格はしたい、
と思っているビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。
普段の仕事の仕方や上司や同僚の接し方を少し変えるだけで、
必要以上にアピールしなくても存在感を示すことは可能です。
上司や同僚と積極的にコミュニケーションを取る
上司や同僚と積極的にコミュニケーションを取るようにするだけでも、
十分なアピールとなります。
例えば上司に対しては
・取引相手に関する相談
・新しいアイデアの提案
などをしてみましょう。
「お話しがあるのですが・・・」と改まった感じではなく、日常会話の延長で
「今度の取引相手のことなんですが・・・」と切り出してみるのです。
コミュニケーションを取ることで、自分の人となりを知ってもらうことができますし、
仕事に対する取り組み方も知ってもらえます。
「何を考えているか分からない相手」を評価するのが一番難しいです。
人となりや取り組み方を知ってもらうだけで、
必要以上にアピールしなくても評価されやすくなります。
報告の仕方を変える
任された仕事について上司に報告しますが、
その報告の仕方を少し変えるだけでも存在感を示すことが可能です。
例えば期限が1か月の仕事を上司から任されたとします。
自分が仕事を任せる立場だとして、
・1週間ごとに中間報告してくる部下
・仕事がすべて終わるまで報告してこない部下
のどちらを評価するでしょうか?
仕事を任せた以上は、
進捗状況や間違った方向に進んでいないかといったことが気になります。
終わるまで報告が無いと、万が一間違った方向で進めていた場合に
取り返しがつかないことになってしまうのです。
1週間ごとに中間報告すれば、方向性が間違っていても早い段階で修正できます。
必要以上にアピールすることはイヤでも、
任された仕事の進捗状況の中間報告ぐらいはできるはずです。
中間報告しているだけで自分としてはアピールしているつもりはなくても、
仕事を任せた上司にすれば十分アピールしていることになります。
効率的に仕事をこなす
「効率的に仕事をこなすこと」も、アピールと意識せずにできるアピール方法です。
誰もが効率的に仕事をしたいと考えていますが、
実際に効率的に仕事をするのは簡単ではありません。
それだけに効率的に仕事ができるビジネスパーソンは、
上司や同僚から一目置かれやすいのです。
「効率的に仕事をする」と言うだけでは曖昧すぎるので、
具体的に「1つの仕事にかける時間を短縮する」ように取り組みましょう。
例えば1つの作業に普段は1時間かけているとして、
それを50分で終わらせるにはどうすれば良いか考えます。
50分でできるようになったら次は45分、
と繰り返すことで自然と効率的に仕事に取り組めるようになります。
1つの作業が効率的に進められるようになると、
他の作業も効率的に進められるようになり、結果的に仕事が早くなるのです。
「仕事が早い」はビジネスパーソンにとって十分すぎるアピールポイントですから、
効率的に仕事をすれば必然的に上司や同僚から一目置かれます。
会議で多く発言する
会議の場で多く発言することはあからさまなアピールで逆効果になりそうですが、
実際はかなり有効です。
「今さら初歩的な質問はできない」とか「自分の意見は場違いなんじゃないか」と、
会議で発言することを躊躇ってしまうことも少なくありません。
対外的なプレゼンテーションの場であれば、
初歩的な質問や場違いな発言はマイナスです。
しかし社内、特に部署内での会議では、
初歩的な質問や場違い発言をしても問題ないのです。
誰かが初歩的な質問や場違いな発言をすることで、
会議参加者の議題に対する理解が深まることもあります。
また初歩的な質問や場違いな発言であっても積極的に発言することで、
会議に能動的に参加している姿勢を示せます。
何も発言せずに決まったことを受け入れるだけの人よりも、場違いであっても
積極的に発言する人の方が会議に対する真剣さを強く感じられます。
会議で積極的に発言することに慣れてきたら、
会議のまとめ役や調整役を買って出るようにしましょう。
自分の意見を言いつつも、「○○さんはこの件についてどう思いますか?」と
上司や同僚に発言を促すのです。
出席者全員から発言を引き出した上で、
意見をまとめて会議の方向性を示すということを行います。
決して簡単な役目ではありませんし、
失敗すると反対に評価を大きく落としかねません。
しかし会議のまとめ役・調整役は誰も引き受けたがりませんから、
失敗したとしても自分から買って出たことで一定の評価が受けられます。
名刺交換の際に相手の目を見る
取引先など社外の人と名刺交換する際に「相手の目を見ること」が、
意外にも社内での評価を上げることに繋がるのです。
自分が名刺交換する時のことを思い出してみると、
確かに名刺ばかり見て相手の顔をあまり見ていないことがあります。
結構長く話をしたのに、後で名刺を見てスーツの色は思い出せても
顔がはっきりと思い出せないことがあったりします。
実際に名刺を交換するタイミングでは手元を見ていないといけませんが、
その前後では相手の顔・目を見て挨拶するのが正しい名刺交換です。
(https://president.jp/articles/-/28305)
名刺交換は名前とともに顔を覚えてもらうためのもので、自分が相手の顔を
覚えていないということは相手も自分の顔を覚えていない可能性が高いです。
これでは何のために名刺交換したか分かりませんし、
相手の信用を得ることはできません。
名刺交換の際に相手の顔・目をしっかりと見ることで、
相手の顔を覚えるとともに相手に自分を印象付けることができます。
取引相手と信頼関係を築いて円滑に仕事を進められれば、
おのずと社内での評価も高まるというわけです。
名刺交換で相手の目を見ることはあからさまなアピールとは取られないので、
必要以上にアピールしたくない人でも取り組みやすいのではないでしょうか。
仕事中の姿勢を変える
仕事中の「姿勢」を変えれば、
必要以上にアピールしなくても上司や同僚に存在感が示せます。
ここで言う「姿勢」は仕事への取り組み方や考え方ではなく、
仕事している時の姿・形のことです。
私もそうですが、デスクワークの時には椅子に浅く座って背もたれに体を預けたり、
前屈みの猫背になって作業することが多いです。
姿勢が悪いと腰や背中を痛めるといったことに加えて、
周りに良くない印象を与えてしまいます。
コミュニケーションにおいてどういった情報が大きなウェイトを占めるかを示す
「メラビアンの法則」で、視覚情報が55%の割合を占めるとされています。
(https://www.kaonavi.jp/dictionary/melabians-law/)
悪い姿勢で作業していると、周りには「仕事への取り組み方が悪い」
「真面目に仕事に取り組んでいない」と見られてしまう恐れがあるのです。
反対に姿勢を正しく保って作業を行うと、周りに良い印象を与えるだけでなく、
自分に対して自信を持てるようになります。
上司や同僚と積極的にコミュニケーションしたり、
会議で積極的に発言することは人によってはかなりハードルの高いことです。
しかし先の名刺交換で相手の目を見ることと正しい姿勢で作業を行うことは、
誰にでも簡単に取り組めます。
正しい姿勢が保てれば自分に自信が持てるようになりますから、
上司や同僚とのコミュニケーションや会議にも積極的になれます。
名刺交換で相手の目を見ることも恥ずかしくなくなりますから、
姿勢を正すことで全てが良い方向に向かうことになるのです。
まとめ
必要以上にアピールしたくないと言っても、
アピールしないことには正しく評価されないのが現状です。
アピールするのが苦手な人でも、
・名刺交換で相手の目を見る
・正しい姿勢で作業に取り組む
といったことを意識するだけでアピールすることができます。
アピールすることを難しく考えずに、
自分にできる簡単なことから取り組むようにしてください。
私も今日から背筋を伸ばして仕事をするようにしようかな。