先日姪っ子から「アマゾンプライム会費のお支払い方法に問題があります」という
メッセージが来たけど対応しないといけないかと相談を受けました。
親(私の兄)に言うと怒られそうなので私に相談してきたのですが、
こういった内容のメッセージやメールにはどう対応すれば良いのでしょうか?
「アマゾンプライム会費のお支払い方法に問題があります」は詐欺?
「アマゾンプライム会費のお支払い方法に問題があります」という内容の
メッセージやメールは、詐欺の可能性が高いです。
いわゆる「フィッシング詐欺」というもので、
アマゾンなど有名企業を騙って偽のホームページに誘導する手法です。
メッセージやメールに記載されているURLにアクセスすると、
ログインIDとパスワードの入力が求められます。
さらにクレジットカード情報など個人情報を入力させられて、
入力したすべての情報が盗まれてしまうのです。
実際私にもこの類のメールが送られてきたことがありますが、その時は
アマゾンをあまり利用してなかったので幸いにも偽メールだと気付きました。
しかしアマゾンをよく利用していたり、直近で支払方法を変更していたりすると
騙される恐れがあるので十分に注意してください。
「お支払方法に問題があります」以外のバリエーション
アマゾンを騙るフィッシング詐欺には、「アマゾンプライム会費のお支払い方法に
問題があります」以外にもバリエーションがあります。
支払関連だと
・支払い方法を更新してください
・支払い方法に異常が検出されました
・お支払い方法が承認されません
・お支払い情報の再確認が必要です
などといったものが報告されています。
支払関連以外だと
・不正ログインの疑いについて
・アカウント更新の緊急通知
・アカウント情報の更新が必要です
・システム更新に伴うアカウント確認
などセキュリティ関連のバリエーションもあるのです。
他にも「注文商品が出荷できない」「アカウントが停止された」などもあり、
あの手この手で個人情報を盗もうとしてきます。
冷静なら「おかしい」と気付きますが、「緊急」とか「重要」、「警告」といった文言が
前後に付いていると焦っておかしいと思わなくなることもあります。
フィッシング詐欺に引っかかった有名人も居る
フィッシング詐欺のターゲットは我々一般人だけでなく、
有名人もターゲットにされて引っかかってしまった例もあるのです。
人気お笑いコンビ「オードリー」の若林正恭さんが、過去にフィッシング詐欺に
引っかかったことを自身のラジオ番組で告白しています。
(https://miyearnzzlabo.com/archives/79201)
2021年12月中頃に探していた絶版本をある通販サイトで見つけて、
クレジットカード決済で購入しました。
ところが本はなかなか発送されず、「おかしい」と思っていたところに通販サイトから
「カード情報を更新してください」というメールが届きました。
若林さんは注文した本が発送されないのはクレジットカードの有効期限が
切れているからだと考え、メールのURLにアクセスしてカード情報を更新します。
カード情報を更新してからしばらく経って、駐車場代を払おうとしたところ
クレジットカードが使えなくなっていることに気付きます。
カード会社に確認すると「5日間でゲームに37回課金していたのでカードを止めた」
と言われたのです。
若林さんはゲーム課金に心当たりは無く、
後でカード情報更新のメールがフィッシング詐欺だったと気付きました。
ちなみに、若林さんが注文した本を出品していたのが地方の古本屋で、
年末ということもあって恐らく単に発送が遅れていただけと思われます。
(若林さん曰く「職務怠慢」)
普段なら気付きそうなことでも、商品の発送が遅れているタイミングで
メールが来たことで若林さんは騙されてしまったのです。
若林さんは普段あまりクレジットカードを使わないので、
カード会社が使用頻度が多すぎるということでカードの利用を止めてくれました。
もし普段から頻繁にカードを使っていると、
カード会社も気付かずに被害が拡大していたかと思うと恐ろしいですね。
フィッシング詐欺メールは差出人では気付けない
アマゾンを騙るフィッシング詐欺メールは、
「差出人」を見ただけでは詐欺メールだとは気付けません。
フィッシング詐欺を注意喚起する際には、
「メールの差出人を確認すれば分かる」と言われることがあります。
確かに以前のフィッシング詐欺の差出人は、
正規のものとはどこかが違ったのでよく見れば分かりました。
しかし最近のフィッシング詐欺の差出人は巧妙に偽装されていて、
受信した側からは正規のものと見分けがつきません。
実際に私が受け取った詐欺と思われるメールの差出人は「amazon.co.jp」でした。
他にも
・Amazon.co.jp
・Amazon Prime
・アマゾンジャパン合同会社
など正規のアマゾンからメールと同じ差出人名で詐欺メールが送られていることが
あります。
アマゾンからメッセージやメールが送られてきた時は、差出人やアドレスだけでなく
内容をしっかりと確認した上で正規のものかどうかを判断しないといけません。
本物のアマゾンから支払関連のメールが届くこともある
「お支払い方法に問題があります」というメッセージやメールは詐欺の可能性が
高いですが、本当にアマゾンから支払関連のメールが届くこともあります。
アマゾンで商品を注文して、指定した支払方法が何らかの理由で利用できない
場合には支払方法の変更を求めるメッセージやメールが届きます。
また有効期限が切れているクレジットカードで支払いをしようとした場合も、
アマゾンから支払方法の変更を求めるメッセージやメールが来るのです。
本物のアマゾンが支払方法の変更を求めるのは、
商品を注文して支払方法に問題があった場合だけです。
たとえアマゾンに登録しているクレジットカードの有効期限が切れていても、
商品を注文しなければ支払方法変更のメールは届きません。
商品を注文していないのに支払方法の変更を求めるメッセージやメールが来たら、
詐欺と思って間違いないです。
ただ先の若林さんのように、たまたま商品を注文したタイミングで詐欺メールが
送られてくることもあるので注意してください。
「アマゾンプライム会費のお支払い方法に問題があります」への対処法
「アマゾンプライム会費のお支払い方法に問題があります」というメッセージや
メールが届いても、すぐに記載されているURLにアクセスしてはいけません。
まず差出人の「メールアドレス」を確認してください。
本物のアマゾンは
・amazon.co.jp
・amazon.jp
・amazon.com
などメールアドレスを使用しており、
正規のメールアドレスの場合は詐欺の可能性が高いです。
(https://www.amazon.co.jp/hz/cs/help?nodeId=G4YFYCCNUSENA23B)
ただ最近はメールアドレスも巧妙に偽装されているので、
メールアドレスだけだと見分けられないこともあります。
メールアドレスが本物っぽかったら、
次はメッセージやメールのリンク先のアドレスを確認してください。
リンクをクリックしなくてもカーソルを合わせるだけで、
画面下にリンク先のアドレスが表示されます。
本物のアマゾンであれば
「https://XX.amazon.co.jp」というアドレスになっているはずです。
アドレスの末尾が「amazon.co.jp」以外は、
本物のアマゾンじゃないサイトに誘導されている可能性が高いです。
メッセージセンターで確認
リンク先のアドレスも本物っぽくてもまだリンク先にアクセスせずに、
「メッセージセンター」で確認しましょう。
(https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=201909120&ref_=hp_ss_qs_v2_phi)
アマゾン公式サイト内にあるメッセージセンターには、
アマゾンが自分宛てに送信したメール情報がすべて記載されています。
アマゾン公式サイトにログインして、「アカウント&リスト」→「アカウントサービス」に
進むとメッセージセンターがあります。
メッセージセンターにアクセスして「メッセージ」を選択して
「すべてのメッセージ」の項目を開いてください。
すべてのメッセージの中に、「支払い方法に問題がある」という内容のメールを
送信した形跡が無ければ詐欺メールで間違いありません。
受信した詐欺メールは、
「reportascam@amazon.com」宛に転送しておくことで次の被害を防げますよ。
お客様サポートに相談
詐欺メールだと思うけどやっぱり心配、
という場合はアマゾンの「お客様サポート」に相談しましょう。
アマゾン公式サイトにログインして、
画面最下部にある「お客様サポート」にアクセスします。
お客様サポートページ内の「その他のお問い合わせ」を選択、
さらに「不審な連絡について」に進みます。
次に「カスタマーサービスへ連絡」を選択すると、
電話かチャットで問い合わせが可能です。
ここで問い合わせると、受信した「支払い方法に問題があります」というメールが
本当にアマゾンから送られたものか確認してもらえます。
本物なら指示に従って対応すればOKですし、
偽物なら無視してメッセージやメールは即ごみ箱行きです。
もし詐欺メールに対応してしまったら
「お支払い方法に問題があります」という内容のメッセージやメールに
うっかり対応してしまったら、まずはアマゾンのIDとパスワードを変更しましょう。
IDとパスワードを変更してしまえば、詐欺メールに誘導されて入力した
IDとパスワードを使ってもアマゾンにログインできなくなります。
ログインできなければアカウントを不正に使われることがありませんし、
クレジットカード情報などアカウントに紐づいた個人情報も盗まれません。
アマゾンは二段階認証を導入しているので、
設定しない場合はID・パスワードの変更と同時に設定しておくとより安全です。
クレジットカード会社に連絡
IDやパスワードだけでなくクレジットカード情報まで詐欺メールに誘導されて
入力した場合は、すぐにクレジットカード会社に連絡してください。
詐欺メールに騙されてクレジットカード情報を入力したことを伝えて、
クレジットカードの利用停止手続きを行います。
しばらくクレジットカードが使えなくなるので不便ですが、
不正に使われることを考えると仕方ありません。
クレジットカードは少額ならサインもパスワード入力も不要ですから、
利用停止が遅れると被害額が大きくなってしまう恐れがあります。
クレジットカード会社への連絡が遅れた場合は、
今回の不正利用による被害が保証対象になるかも確認しておくと良いですよ。
警察に相談
詐欺メールに誘導されて偽サイトに個人情報を入力してしまった場合は、
警察にも相談しておきましょう。
免許証やパスポートの偽造、空き巣など入力した個人情報が悪用される
危険性があります。
偽サイトに個人情報を入力したら、
警察に相談してどう対応すれば良いかアドバイスをもらってください。
まとめ
「アマゾンプライム会費のお支払い方法に問題があります」という内容のメールは、
フィッシング詐欺の可能性が高いです。
メールを開くだけなら問題ありませんが、リンク先にアクセスして
IDやパスワードを入力すると個人情報が盗まれる恐れがあります。
最近は、
差出人やアドレスを巧妙に偽装した詐欺メールも多いので気を付けてください。
姪っ子に来たメールも詐欺の可能性が高かったのですが、
私に相談してくれたおかげで被害に遭わずに済みました。