様々な調査で「日本の若者が将来に希望を感じていない」という結果が出ており、
その割合は諸外国と比べて高くなっています。
我々の世代から見ると可能性しかない若い人は希望に満ち溢れていますが、
なぜ若者は日本の将来に希望が持てないのでしょうか?
若者の7割超が日本の将来に希望を持っていない
ネットサービスの会社としてよく知られているビッグローブの調査では、
若者の7割以上が日本の将来に希望を持っていないという結果が出ています。
(https://www.biglobe.co.jp/pressroom/info/2023/09/230925-1#:~:text=%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E7%B5%90%E6%9E%9C%E8%A9%B3%E7%B4%B0&text=%E5%85%A8%E5%9B%BD%E3%81%AE18%E6%AD%B3%E3%81%8B%E3%82%8969%E6%AD%B3%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E7%94%B7%E5%A5%B3,%E5%B8%8C%E6%9C%9B%E3%82%92%E6%84%9F%E3%81%98%E3%82%8B%E3%80%8D%E3%81%A8%E5%9B%9E%E7%AD%94%E3%80%82)
具体的には、Z世代と言われる18~24歳で将来に希望を「感じる」「やや感じる」
と答えたのが約25%でした。
その1つ上の25~29歳の世代でも、
将来に希望を感じているのは3割程度となっています。
我々40代から見ると希望しかないような30歳までの世代でも、
7割ほどが日本の将来に希望が持てない状況なのですね。
日本の将来に希望を一番持っているのも若者
先のビッグローブの調査の若者の3割ほどしか将来に希望を感じていないという
結果を「少ない」と感じる人も多いかもしれません。
しかし実は、日本の将来に希望を一番感じているのも30歳未満の若者なのです。
先のビッグローブの調査結果では、
希望を感じると答えた割合がもっとも高かったのが25~29歳の世代です。
次いで18~24歳のいわゆるZ世代で、
若い人ほど日本の将来に希望を感じていることになります。
30代以上になると将来に希望を感じている人の割合が2割以下まで下がり、
年齢が上の世代ほど将来に希望を感じていないのです。
私個人の意見ですが、特に40代以上は「日本の将来」と言うよりも
「自分の将来」に希望が持てないというのが正しいかもしれないですね。
日本の若者が将来に希望を持てないのは上の世代のせい?
これも私個人の意見ですが、日本の若者が将来に希望を持てないのは、
特に50代後半以上の世代のせいだと思います。
Z世代から見ると祖父母の世代で、
ちょうど今のZ世代ぐらいの年頃の時にバブルを経験している世代です。
さらにその上の団塊の世代ぐらいまではバブル期に20代30代を過ごしていますし、
さらにその上の世代は高度経済成長期を経験しています。
日本がどんどん豊かになる時期を経験している世代で、
「あの頃は良かった」と事あるごとに口にしているイメージです。
確かに高度経済成長期やバブル期に比べると、
現在の日本経済は好調とは言えず、将来に希望が持ちにくい状況ではあります。
しかしある程度成長しきった日本経済が、
再び高度経済成長期やバブル期のように急激に成長するとは思えません。
上の世代が「あの頃は良かった」と言うことで、
若い世代は「じゃあ今はダメなんだ」となってしまいます。
若者が日本の将来に希望が持てなくなっているのは、
上の世代の「あの頃は良かった」に少なからず原因があるのではないでしょうか。
若者が日本の将来に希望が持てない理由
先のビッグローブの調査では、
Z世代に日本の将来に希望が持てない理由も聞いています。
政治に期待できない
ビッグローブの調査でZ世代が日本の将来に希望が持てない理由として
一番多く挙げているのが「政治に期待できない」ことです。
2023年の年末頃からの裏金問題だったり、高齢者を優遇する政策ばかりで
若者の方を向いた政治をしないので期待できない状況となっています。
確かに若者に限らず現状の日本の政治は期待できない状態ですが、
国際的に見るとそれほど酷い状況ではありません。
2024年11月に行われるアメリカの大統領選挙、
当初は民主党・共和党ともに候補者が80歳前後の高齢者でした。
現在は民主党が50代の候補者に代わりましたが、アメリカも有力政治家の
高齢化が進んでいてそれほど期待できる状況ではありません。
オリンピック・パラリンピックで盛り上がったフランスも国内の治安が
悪化していますし、イギリスも政治が安定しているとは決して言えません。
それに高齢者優遇の政治と言われますが、
高齢者に言わせると若者特に子育て世代の方が優遇されているとのことです。
後期高齢者になった私の母が言うには、自分たち(70代)が若い頃には
出産や子育てに対する公的支援はほとんど無かった。
出産費用の助成が受けられる、授業料や給食費が無料になるのに
これ以上何を求めるのか、と私の母はニュースを見るたびに愚痴っています。
確かに私が若い時と比べても今は子育て政策が充実しており、
これ以上子育て世代を優遇しろというのは違うかなと感じます。
期待できない政治家を選んでいるのは国民
若者が政治に期待できないと言っていますが、その期待できない政治を行っている政治家を選んでいるのは自分たち国民です。
「自分は期待できない政治家には投票してない」と言うかもしれませんが、
そもそも選挙に行く人自体が少なすぎます。
総務省の資料によると、
直近の国政選挙の20代の投票率は30%台半ばから後半となっています。
(https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/sonota/nendaibetu/)
比較的注目度の高い国政選挙でこれですから、
地方選挙となると20代の投票率はもっと低いです。
政治家は選挙で当選しないことには議員になれませんから、
自分に投票してくれそうな人たちにアピールするのは当然です。
高齢者など上の年代の方が投票率が高いので、
投票率の高い年代に受ける政策を打ち出すのは当たり前と言えます。
政治に期待できないから将来に希望が持てない、と言うのであれば
まずは選挙に行って一票投じるところから始めないといけません。
「投票に行く時間が無い」などと言い訳していますが、
投票日当日は午前7時から午後8時までの間ならいつでも投票できます。
期日前投票も簡単にできるようになっていますし、
遊びに行く前や遊びに行った帰りに投票所に立ち寄れば良いだけです。
面倒だから投票に行かないのに、政治に期待できないから
将来に希望が持てないと言うのはお門違いも甚だしいです。
少子高齢化
Z世代が将来に希望が持てない理由としては、
「少子高齢化の進行」も挙げられます。
日本の少子高齢化は1970年代から始まっており、
2020年以降は人口減少の局面に入っています。
医療技術の向上で平均寿命が延びていることもあって、
支えられる高齢者に対する支える現役世代の割合が少ないというのが現状です。
このまま少子高齢化が進めば、医療や介護といった高齢者にどんどんお金が
使われて、若者に国のお金が回らないことになります。
高齢者の医療や介護のために働くことになると考えると、
若者が将来に希望が持てないのも理解できます。
少子高齢化は日本だけの問題じゃない
テレビやネットのニュースでは少子高齢化は日本の問題だけのように
報じていますが、少子高齢化は世界的な問題です。
「でも世界の人口は増えてるじゃん」と思うかもしれません。
確かに世界の人口は1.2%ぐらいの割合で増えていっていますが、
これはインドやアフリカ大陸で人口が増えていることが大きな要因です。
いわゆる先進国で見ると、
ほとんど国で出生率が低下しており少子化が問題となっています。
日本の少子化問題でよく引き合いに出されるのが、
子育て政策が充実しているとされるフランスや北欧です。
フランスは確かに先進国の中では出生率は高い方ですが、
人口置換水準である2.1を大きく割り込んでおり、2010年以降は右肩下がりです。
北欧も出生率は軒並み右肩下がりで、特にフィンランドは2018年と2019年は
日本よりも出生率が低く、2023年もほぼ日本と同じ水準となっています。
(https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/ce7ff73feadbf5998d2a378ce46413ee980dd799)
経済成長すれば出生率は下がるもので、
少子化による人口減少は日本だけの問題ではありません。
ですから、
少子高齢化の進行を理由にことさら将来を不安視する必要はないのです。
自分の資産が安全でない
Z世代が日本の将来に希望が持てない理由として、
「自分の資産が安全でない」ことも多く挙げられています。
2024年に入って円安が急激に進んだことで、
GWや夏休みに海外旅行をする人は大きな打撃を受けました。
また国内でも物価上昇が続いていますし、
お金を騙し取られたというニュースも毎日のように見聞きします。
一生懸命働いても、
お金の貯まり方が円安や物価上昇に追い付かず生活が豊かにならない。
なけなしのお金を増やそうと思っても騙し取られるリスクがある、
という状況では確かに将来に希望が持てないですね。
セキュリティリスクに対する意識が低すぎる
円安や物価上昇といった外的要因はどうしようもありませんが、
お金を騙し取られるということには対策が取れます。
そもそも特に若い世代はセキュリティリスクへの意識が低すぎると感じます。
我々40代はちょうど20歳前後の頃にインターネットが一般的となりました。
その頃は自宅に居ながらにして世界と繋がれることに嬉しさを感じる反面、
色んな事が簡単にできるようになることに不安も覚えたものです。
しかし最近の若い人は生まれた時からインターネットがあり、
物心ついた時からインターネットに触れています。
インターネットが身近で使い方に慣れている分、
インターネットの怖さに対する意識が低くなってしまっているのではないでしょうか。
SNSで発信したことが炎上するというのが典型で、
自分は仲間内にだけ発信しているつもりになっています。
実際にはネット上に投稿した時点で全世界に発信されており、
自分の一切接点のない人にも投稿が見られているのです。
その意識が無いので、
仲間内だけでのウケを狙った投稿が炎上してしまうわけです。
インターネットのセキュリティリスクを意識しておけば、
少なくとも口座からお金を抜き取られたり騙し取られたりすることは防げます。
まとめ
最近の若者が日本の将来に希望を持てなくなっていると言われますが、
様々な調査でそれは裏付けされています。
上の世代が現状をダメダメということに影響を受けていることもありますし、
若い人たちが将来を良くしようと努力していないことも原因です。
「自分たちが声を上げても何も変わらない」「投票しても意味が無い」と諦めて、
将来を悲観してしまっています。
私はどちらかと言うとネガティブな人間ですが、
私が若い時は今の若い人よりもう少しポジティブだったような気もします。
あっ、昔と比べるようなことを言うから若い人たちが
将来に希望を持てなくなるんですよね・・・。