職場の上司や同僚と話していると、「最近の新人はメンタル弱すぎ」なんてことをよく耳にしています。
豆腐メンタルの私から見ればメンタル弱すぎな新人はあまり居ないのですが、新人がメンタル弱すぎと見られるのはなぜなのでしょうか?
新人のメンタルが弱いのは会社のせい?
最近の新人など若い人が上司や先輩からメンタルが弱いと言われる要因には、「会社の問題」もあります。
ネットで「新人 メンタル弱い」などと調べると、メンタルが弱いのは新人本人に問題があるかのような情報ばかりがヒットします。私の豆腐メンタルは確かに私自身に問題があるのですが、新人のメンタルが弱いように見えるのは本人に問題ないケースも少なくありません。
むしろ職場の環境など新人を受け入れている会社側に問題があって、新人のメンタルが弱いと感じてしまうことがあるのです。
体育会系の環境
新人のメンタルが弱く見える会社側の問題として、1つに「体育会系の環境」が挙げられます。私も体育会系出身ではないので、就職したばかりの頃には会社内にはびこる体育会系の雰囲気に馴染めませんでした。
体育会系出身者は厳しい上下関係の中で育ってきたため、挨拶やある程度の礼儀作法が身についています。さらに、体育会系においては指導者や先輩は絶対的な存在であるため、上司や先輩の指示に素直に従う性質も持っています。
加えて、理不尽とも言える厳しい練習に耐え抜いてきたこともあって、精神的・肉体的な強さも持っているのです。他にも協調性やコミュニケーション能力、リーダーシップなどに優れていることから、雇う会社側が体育会系出身の人材を好む傾向があります。
職場に体育会系出身者が多いと、職場が体育会系の環境になってしまいます。理不尽なほど上下関係が厳しく、パワハラまがいのことが日常的に行われていたりすのです。
気合や根性といった精神論がまかり通り、チームワークという名の同調圧力によって独自の意見を出しにくい雰囲気となっています。
そして何より、上司や先輩が自分たちが育ってきた理不尽な体育会系の環境を正当かしてしまっています。私のような体育会系出身でない者が体育会系の環境に放り込まれると、メンタルが弱いと見られてしまうわけです。
ただ、体育会系出身者に強メンタルの人が居るのも事実ですが、中には決してメンタルが強いわけではない人も少なからず居ます。単純に体育会系の環境に慣れてしまって、理不尽なことを理不尽と感じないようになっているだけだったりします。
取引先など社外の人からちょっと注意されただけで、どうしてよいか分からずオロオロして泣きそうになっている体育会系出身者も実際に居ました。
自分たちが育ってきた環境を正当化したいのは分かりますが、それを新人に押し付けてメンタル弱すぎのレッテルを貼るのは間違っています。
新人教育が現場任せ
新人がメンタル弱すぎに見られる会社側の問題として、「新人教育を現場任せ」にしていることも挙げられます。いわゆる大企業と言われる会社だと少ないですが、中小企業だと会社全体ではなく現場単位で新人教育をしていることが少なくありません。
最終的には現場に出て働くわけですから、現場の人間に新人教育をさせることが悪いわけではないです。ただ、新人教育を現場に丸投げしてしまって、会社としてどのように新人を育てるかの方向性を決めていないことが問題なのです。
会社としての方向性が決まっていないということは、新人教育のマニュアルが無いもしくは整備されていないと考えられます。
新人教育のマニュアルが無い・整備されていないと、教育係となる上司や先輩それぞれに指導の仕方や言うことが違っていたりするのです。A先輩に指導されたことがB先輩に否定されたりすると、新人は混乱してしまいます。
マニュアルが無くて新人が多少混乱したとしても、教育環境が整っている会社なら「メンター」を置いているので新人が相談できます。メンターは新人や若手に助言や指導をする人のことで、配属されたところとは別の部署の年齢が近い先輩が務めることが一般的です。
年齢が近いので新人からも話しかけやすく、別の部署なので人間関係など突っ込んだ相談もできます。メンターの存在が支えになって、多少理不尽なことがあっても新人は耐えて仕事が続けられるのです。
ところが、現場に新人教育を丸投げしているような会社にはメンター制度すらありません。精神的にフォローする人間が居ないわけですから、新人は精神的に追い込まれて「メンタル弱すぎ」のレッテルを貼られてしまうことになります。
新人へのサポート体制が貧弱
新人のメンタルが弱く見える要因として、会社側の新人への「サポート体制」が貧弱であることも挙げられます。
私が新人だった頃は、職場にPCは数えるほどしかなく、多くの業務を手作業で行っていました。現在は従業員1人に1台以上のPCが与えられていて、ほぼすべての業務がデジタル化されています。
オートメーション化されている業務もありますし、AIを活用するような業務も増えてきています。私が新人だった平成の中頃と比べても業務は複雑化していて、効率化されたことで逆に覚えないといけないことが増えていたりするのです。
複雑になって覚えることが増えているにも関わらず、会社の新人に対するサポート体制は平成どころか昭和のまま止まっていたりします。先の現場任せであることと重複しますが、新人教育のマニュアルが無かったり、メンター制度を導入していなかったり。
私が大学生の頃は、バブル崩壊後で多くの会社が新規採用を絞ったことから、就活は超買い手市場でした。要するに、雇う側が圧倒的に強くて、我々雇われる側は立場が圧倒的に弱いということです。
団塊の世代が現役で労働人口が減少する局面には入っていなかったので、新人が多少淘汰されても働き手の確保にそれほど苦労しませんでした。
ところが、現在は大企業を中心に比較的景気が回復基調にあって多くの会社は新規採用の枠を広げています。そのため就活は売り手市場となっており、会社よりも就活生の立場が強く、就活生が会社を選ぶようになっています。
新卒・中途に関係なく募集をかけてもなかなか人が集まらない状況であり、会社側としては新人を手厚くサポートして育てていかないといけません。
にも関わらずサポート体制が昭和のままで止まっていて、次々と新人が辞めていくことになって、「最近の新人はメンタル弱すぎ」となってしまっているわけです。
私が若い頃なら、辞めていく新人を「メンタル弱すぎ」と後ろ指を指したとしても、いくらでも替わりの人材が見つかりました。しかし現在では新人に辞められると替わりの人材はすぐに見つからず、結局残っている社員にシワ寄せがいってしまいます。
メンタル弱すぎ新人はどう扱えば良い?
私も新人を教育・指導する立場で、メンタル弱すぎ新人の扱い方には日々気を遣っています。
メンタルが弱いとされる新人を教育・指導する場合には、まず「できることからやらせる」ことが重要です。当然ですが、新人にいきなり難しい業務をやらせるのは無理ですし、簡単な業務でもいくつも同時にやらせると混乱してミスしてしまいます。
ミスすると叱られますから余計にメンタルが落ち込むので、こちらで業務に優先順位を付けて1つずつできることをやらせていくのです。
比較的簡単な業務を1つずつであれば、新人でもミスなくこなせます。簡単な業務でもミスなくこなせて褒められれば、成功体験となって自信を付けてくれます。
自信が過信とならないように気を付けながら、業務の難易度を上げたり数を増やしていって一人前に育てていくのです。
そして、新人に対しても教育係である上司や先輩の方から積極的に声をかけてあげることです。
自分が新人だった頃のことを思い出すと分かりますが、新人である自分から上司や先輩に話しかけにくかったりしました。「こんなこと聞いて良いのかな?」とか「仕事の邪魔になるかも」と思って聞きたいことが聞けずじまいとなったことも一度や二度じゃありません。
教育係である上司や先輩から声をかけてあげることで、新人が質問しやすい環境や状況を作ってあげるのです。新人が積極的質問してきてくれればミスする前に指摘することも可能ですから、結果的に自分の業務効率も上がることになります。
新人に自分の経験を教える
いきなりベテランになった人は居らず、誰しも新人時代を経験しており、新人時代の乗り越え方を知っています。メンタル弱すぎと言われている新人が居たら、自分の新人時代の経験から学んだことを教えてあげると良いでしょう。
「私はこうして乗り越えた」という成功談ばかりだと、ただの自慢話になって新人にウザがられてしまいます。成功談だけでなく失敗談も伝えることで、同じ失敗を繰り返さないように自分を反面教師にしてもらうのです。
自分が教育係なら大っぴらに経験を伝えることができますが、教育係でなければ大っぴらには伝えにくいです。そこでメンタル弱すぎとされている新人にこちらから声をかけて、こっそりとLINEグループを作ってそこで経験を伝えてあげると良いでしょう。
LINEグループの会話はグループ外の人に見られることがないので、教育係の上司や同僚が気を悪くする心配がないです。
ただ経験を伝えるだけだと、教育係でもない自分にとってはあまりメリットがありません。自分の成功談や失敗談など経験を伝える代わりに、ちょっとした雑務などを新人にやってもらうと良いのではないでしょうか。
ベテランと言われる年代になっても、「面倒くさい」と感じる業務を上司から押し付けられることってありますよね。新人に難しい業務をやらせるのはダメですが、誰でもできるようなちょっとした雑務なら新人にやってもらっても問題ありません。
書類の整理であったり、簡単なデータの入力、社内会議の日程調整など新人でもできる業務を経験を教える代わりにやってもらうのです。新人は先輩の貴重な経験談が聞けますし、こちらは面倒な雑務をやらずに済むのでWINWINですよね。
教育システムの不備を指摘する
メンタル弱すぎな新人に対してではありませんが、職場の「教育システムの不備」を指摘するのも良いでしょう。新人がメンタルをやられるのは、先にも書いたように、職場の教育システムにも問題があります。
若い時には当たり前だったことでも、勤続年数が長くなると「ここはおかしい」とか「こうした方が良い」と分かってくることがあったりします。新人の教育システムでおかしいところや直した方が良いところを、それとなく上司に指摘するのです。
上司に指摘する際に、「最近の新人がメンタルをやられるのはこういったところに問題があるからかもしれません」などと付け加えておきます。そうすれば「新人のメンタルを気に掛ける先輩」という印象を上司に与えられて、評価が上がるかもしれません。
職場の教育システムの改善はこれから入社してくる新人にとってプラスですし、改善を進言することで自分の評価も上がる、これもWINWINと言えます。
新人の失敗を自分のために使う
これも新人の扱い方ではありませんが、「新人が失敗したことを自分のために使う」という方法もあります。
能力の問題ではなくて、職場のシステム的な問題で新人が失敗したら、「なぜ失敗したか」「何が原因か」を記録しておくのです。自分も今後同じようなシステム的な問題で失敗する恐れがあるので、自分が失敗した時のための交渉材料として使うためです。
「他にも失敗した人が居るので、自分ではなく職場のシステムに問題がある」と責任をすり替えられます。交渉したことで職場のシステムが改善されれば新人のためにもなりますし、会社の評判が上がることにも繋がるので決して自分のためだけではありません。(ただの言い訳)
まとめ
最近の新人のメンタル弱すぎと言われることも多いですが、豆腐メンタルの私から言わせると決してそんなことはないです。新人のメンタルが弱いというよりも、会社や教育係である上司・先輩に問題があって新人のメンタルがやられていることも少なくありません。
新人のメンタルがやられていることを理由に色々なことを改善してもらい、自分にとって働きやすい環境にしていくと良いのではないでしょうか。