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まともな人は子供を作らない?子供を作る人はまともじゃない?

日本で少子化が叫ばれて久しいですが、
最近は「まともな人は子供を作らない」という考え方も出てきています。

「まともな人は子供を作らない」とはどういう考え方なのか、子供どころか
結婚すらしていない私が僭越ながら子供を作ることについて考えたいと思います。

まともな人は子供を作らない?

「まともな人は子供を作らない」という考え方は2021年頃から注目され始めました。

ネット掲示板2ちゃんねる(現5ちゃんねる)の創設者で、現在はYouTuberなど
としても活動している西村博之(ひろゆき)氏の発言によるところが大きいです。
(https://youtu.be/hhkFUN7S_1w)

発言が何かとネガティブに捉えられがちなひろゆき氏ですが、
子供を作ることや子供が居る人を否定した発言ではありません。

子供を作ると男性も女性も産休や育休で仕事を休まなければならず、
結果として所得が減ってしまいます。

若い内は経済的な余裕が無いので所得が減ると生活が厳しくなるため、
「今は子供を作るのを控えよう」となるのです。

経済的に余裕ができるまで子供を作ることを先延ばししている内に、年齢的に
子供を作ることが難しくなってしまうというのがひろゆき氏の話の趣旨です。

「まともな人」と表現するから御幣を生むだけで、言い換えると
「自分たちの生活で手一杯で、子供を作る余裕が無い」ということになります。

2019年に金融庁の報告書に、退職金と年金だけでは老後の生活資金が
2000万円不足するという記載があったことが物議を醸しました。

自分たちの老後の生活がどうなるか分からないから、
老後に備えてお金を貯めておかないといけないという風潮が強くなっています。

老後の備えのためにはお金のかかる子供を作る余裕がないので、
子供を作らないという選択をする人が増えているのです。

それを「まともな人は子供を作らない」と言い換えてキャッチーにしただけの
ことです。

発言の真意が誤解されている

ひろゆき氏は「結婚しても子供を作らない人が増えている」という事実を
キャッチーな言葉で発信しただけです。

しかしそのひろゆき氏の発言の真意が誤解されて、
最近は「まともな人は子供を作らない」が違う意味で使われるようになっています。

「まともな人は子供を作らない」を悪意のある捉え方をすると、
「子供を作る人はまともじゃない」となります。

「子供を作らないのが最良の選択であって、子供を作る選択をするのはバカ」
という意味で一部で捉えられてしまっているのです。

ひろゆき氏のキャラクターや過去の発言から「子供を作ることを揶揄している」と
捉えられがちですが、実際はそういう趣旨の発言ではありません。

あくまで日本や世界の情勢が不安定で将来に希望が持てなくなっており、
今の自分の生活が精一杯で子供を作る余裕がないという意味です。

しかし動画の一部を切り取った記事などで、
「子供を作るひとはまともじゃない」という意味に発言が曲解されてしまっています。

結婚しても子供を作らない人が増えているのはなぜ?

「まともな人は子供を作らない」の真意はともかくとして、
日本では結婚しても子供を作らない人が増えているのは事実です。

2023年の合計特殊出生率は1.20で、
団塊ジュニアが生まれた1970年代初めころをピークに下がり続けています。
(https://www.nhk.or.jp/shutoken/articles/101/005/79/)

特に近年は政府や自治体が子育て政策を積極的に行っているにも関わらず、
子供を作らない人が増えているのはなぜなのでしょうか?

子供を育てるには莫大な費用がかかる

結婚しても子供を作らない人が増えている大きな理由として考えられるのが、
「子育てに莫大な費用がかかる」ことです。

子供が生まれてから大学を卒業するまでにかかる費用は、
1人当たり大体3000~4000万円とされています。
(https://www.fukoku-life.co.jp/gakushi/trivia/trivia22/)

2人3人と子供の数が増えると、
子育てにかかる費用は総額で1億円を超えてしまうこともあるのです。

高度成長期やバブル期のように毎年昇給して働けば働いた分給料が増える
という時代なら、費用を気にせず子供を作れました。

しかし現在は終身雇用制が崩壊して雇用が不安定になり、
年功序列が無くなって給料も上がりにくくなっています。

そんな中で、莫大な費用がかかる子供を作るという選択ができない人が
増えているということです。

詳しいことは忘れましたが、20年以上前にテレビ番組で経済評論家が
「子供を作ることは不経済」と発言して番組内で批判を浴びていました。

当時は私も「何ちゅうことを言うんだ!」と思いましたが、
現在はその経済評論家と同じ考え方の人が増えているのです。

夫婦の生活を楽しみたい

夫婦2人での生活を重視した結果、
子供を作らないという結論に至るケースもあります。

実際に結婚して子供が居る知り合いなどの話では、子供ができた途端に
子供中心の生活になって夫婦2人の時間なんて無くなるとのことです。

生後3か月までは2~3時間おきの授乳が必要ですし、
少なくとも小学生になるぐらいまでは親は子供から目が離せません。

何をするにも何処へ行くにも子供が一緒となり、
夫婦2人で何かをする何処かへ出かけるといったことはできなくなるのです。

恋人同士だった頃の延長で夫婦2人の生活をもう少し楽しみたいので、
子供を作るのを先延ばしにします。

先延ばしにした結果、年齢的に子供を作るのが難しくなることもあれば、
単に子供を作らないという選択をすることもあります。

せっかく「ずっと一緒に居たい」と思って結婚したのに、
子供ができたらずっと一緒に居られなくなるので子供を作らないということです。

仕事でのキャリアを重視している

仕事でのキャリアを重視した結果、子供を作らないという結論に至ることもあります。

私の両親の世代、いわゆる団塊の世代は
「夫は外で働いて、妻は家で子育てをする」というのが当たり前でした。

また夫は子育てなど家庭のことにはほとんど関与せずに、
妻がいわゆるワンオペで家事と子育てをしていました。

夫は働いて稼ぐことが役割でしたから、
結婚して子供ができても以前と変わらずキャリアを積み重ねられたのです。

妻は専業主婦という家庭が多かったので、
妻は仕事でのキャリアを考える必要ありませんでした。

しかし現在は夫婦共働きが一般的で、
夫婦で家事と子育てを分担するのが当たり前となっています。

そのため子供ができると妻は産休や育休、夫は育休を取ることになり、
そこでキャリアが停滞してしまう恐れがあるのです。

産休や育休を取ったからと言って、職場で不利な扱いを受けることはありません。

ただ仕事を休むのは事実ですから、
産休や育休の前には重要な仕事から外される可能性があります。

産休や育休から復帰してしばらくは、重要な仕事を任されることも少なくなります。

前後を含めると年単位で重要な仕事を任されなくなり、
その間はキャリアが停滞してしまうことになるのです。

子供を作ってキャリアが停滞するなら、
仕事でのキャリアを重視して子供を作らないという選択をする人も居ます。

ある程度キャリアを積んだら子供を作ろうと思っている内に、
子供を作るのが難しい年齢になってしまうケースも多いです。

反出生主義

「反出生主義」の考え方から子供を作らない決断をする人も居ます。

反出生主義は「人間は生まれてこない方が幸せ」という考え方で、
古代ギリシャや古代インドの時代からある思想です。

南アフリカの哲学者デイヴィッド・ベネターが、
2006年に著書で反出生主義を擁護したことで注目されました。

現在でも一部SNSなどで反出生主義について議論が交わされることがあります。

現在、私たちは生きていると楽しい・嬉しいと思うことよりも辛い・悲しいと
思うことの方が多いと感じます。

これから生まれてくる自分の子供が辛い・悲しい思いをするぐらいなら、
最初から子供を作らないという考え方です。

別に子供を作ることを否定していませんし、
今現在生きている人を否定しているわけでもありません。

簡単に言うと「生まれてくる自分の子供が可哀そうだから作らない」
というだけのことです。

世界の著名人も子供を作らない選択をしている

世界の著名人の中にも子供を作らない選択をした人が居て、
それが「まともな人は子供を作らない」という意見を後押ししています。

マイリー・サイラス

アメリカのシンガーソングライターで女優、2024年にグラミー賞を獲得した
マイリー・サイラスも子供を作らない選択をした著名人の1人です。

マイリー・サイラスは数々の男性と浮名を流し、
2018年には結婚もしていますが子供は居ません。

雑誌のインタビューで子供を作らない理由として「地球環境が悪いから」と
答えています。

大気汚染に温暖化による砂漠化など地球は様々な環境問題を抱えており、
その原因となったのが人間です。

自分を含めた過去の人間が作った問題を自分の子供に押し付けたくないから、
子供を作らないと語っています。

地球環境が悪いから生まれてくる子供が可哀そうということでしょうから、
反出生主義に近い考え方と思われます。

ジェニファー・アニストン

アメリカの女優でエミー賞やゴールデングローブ賞を獲得したこともあり、
ブラッド・ピットとの結婚歴もあるジェニファー・アニストンも子供を作らない一人です。

ジェニファー・アニストンも数々の男性と浮名を流し、
ブラッド・ピットを含めて複数回結婚もしていますが子供は居ません。

彼女は雑誌のインタビューで、子供を作らない理由として
「仕事が好きで、自分は母親に向いていない」と答えています。

子供を作ることよりも仕事でのキャリアを重視するタイプといったところでしょうか。

おこがましいですが、私も40歳になるまでは結婚や親になることに
向いていないと自分で思っていました。

年上の知り合いから結婚しない理由を聞かれてそう答えたところ、
「実際にしてみないと結婚や親に向いているかどうか分からない」と言われました。

「子供ができるから母親・父親としての自覚が出てくるのであって、
最初から親に向いていると思っている人なんて居ない」とも言われたのです。

なのでジェニファー・アニストンの仕事が好きなので子供を作らないという意見には
賛成ですが、母親に向いていないという意見には賛成できません。
(大女優に物申せる立場ではありませんが・・・)

オプラ・フィンリー

TV番組司会者でプロデューサー、女優としてもアカデミー賞ノミネートの
経験があるオプラ・フィンリーも子供を作らない著名人の1人です。

オプラ・フィンリーは雑誌のインタビューで「自分は子供から嫌われる」から
子供は作らないと発言しています。

嫌いな自分と関わることで子供が苦しむから可哀そうという意味で、
反出生主義に近い考え方ですね。

恐らく自身の何らかの経験から「子供に嫌われる」と思っていると思われます。

しかし私の意見ですが、彼女が子供から嫌われるのは彼女が子供のことを
あまり好きではないからではないでしょうか。

私の知り合いにも、若い時には「子供は嫌い、結婚しても絶対に子供を作らない」
と言っていた女性が居ました。

ところが好きな人ができて結婚するとその人の子供が欲しいと思うようになり、
実際に子供を産んで「親バカ」と言われるほど可愛がっています。

オプラ・フィンリーがどうして子供から嫌われると思ったのか分かりませんが、
もっと身近に子供と接していれば考え方が変わった可能性も大いにあります。

番外キャメロン・ディアス

チャーリーズ・エンジェルシリーズなどでコメディエンヌとして人気を博した
キャメロン・ディアスも子供を作らないと発言した著名人の1人でした。

番外としたのは、キャメロン・ディアスは2020年に出産して
「本当に本当に可愛い」とインスタグラムで発信しているからです。

以前キャメロン・ディアスは雑誌のインタビューで「子供の責任を持てない」から
子供は作らないと発言していました。

非常に判断が難しいですが、反出生主義に近い考え方なのかもしれません。

同時に「子供を作らない選択は簡単ではない」とも語っており、
子供は欲しいけど作れる状況になかったということなのかもしれないですね。

まとめ

「まともな人は子供を作らない」ということが話題になっていますが、
別に子供を作ることが悪いということではありません。

経済的、社会的な不安から子供を作れる状況にないと判断して、
仕方なく子供を作ることを諦めるという結論に至る人が多いということです。

子供を作らないことで得られる幸せもあれば、
子供を作らないと得られない幸せもあります。

幸せの形は十人十色で、何を幸せと感じるかは個人の自由です。

子供を作ることを否定する権利や子供を作らないことを否定する権利は
誰にもありません。

子供を作ったことや作らないことに対して周りからとやかく言われても
気にしなくて良いですよ。
(周りがとやかく言わなくなるのが一番)

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この記事を書いた人

はじめまして、こんにちは。
HN:ミカエルといいます。
1978年生まれ、40代独身の中小企業サラリーマンです。ずっと平社員、つまり「ヒラ」です。

もともと理系ですが、プログラミングなどの専門スキルはなく、PCも人並みに使える程度。性格は内向的で、人前で話すのは大の苦手。そんな自分なりに頑張ってきたつもりですが、気づけば40代になっても平社員のまま。悔しさや惨めさを感じたこともありましたが、これからは気持ちを切り替え、「仕事は仕事」と割り切りながら、健康に気をつけつつ、投資や副業で新しい道を模索していこうと考えています。


「ヒラサラ」について
「ヒラサラ」は、意識低めの40代平社員が、会社や仕事に振り回されず、無理なく生きるためのヒントを発信するブログです。

社会では「出世しないとダメ」「頑張らないと負け組」といった風潮が根強いですが、私は「優秀じゃないと受け入れられない社会」から降りる選択肢もアリだと考えています。

このブログでは、
✅ 仕事は仕事と割り切る考え方
✅ 健康を維持しながら無理なく働く方法
✅ 副業・投資を活用して人生の選択肢を広げるヒント
✅ 会社に依存せず、個人としての価値を高める方法

などを、リアルな経験を交えながら発信していきます。

「仕事一筋じゃなくてもいい」「平社員のままでも幸せになれる」
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