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フリーランスが社会保険に入れるサービスは怪しい?

「みん社保」というフリーランスの健康保険や年金の保険料負担が軽くなる
サービスがあり、実際に利用を検討している人も多いと思います。

しかしフリーランスの健康保険や年金の保険料負担を軽くするサービスについて
調べると、「怪しい」という情報も出てきます。

フリーランスの保険料負担を軽くするサービスとは?

フリーランスに転向したばかりだと、
「保険料が安くなるサービスなんてめっちゃ良いじゃん!」と思うかもしれません。

実際に会社員からフリーランスになった知り合いが居ますが、
健康保険や年金の保険料がめちゃくちゃ高いとよく愚痴っています。

フリーランスの健康保険や年金の保険料負担が軽くなるサービスには、
冒頭で書いた「みん社保」があります。
(https://minsyaho.com/)

では、みん社保を利用するとフリーランスの保険料負担を軽くなるのは
なぜなのでしょうか?

フリーランスや個人事業主の保険料負担が会社員に比べて大きいのは、
加入する保険や年金の種類が違うからです。

フリーランスは第1号被保険者ですから、
加入できるのは国民健康保険と国民年金となります。

それに対して会社員や公務員は第2号被保険者なので、
加入するのは社会保険と厚生年金です。
(国民年金にも加入している)

国保と国民年金の保険料は全額自己負担ですが、
社保と厚生年金の保険料は会社が半分負担してくれます。

また配偶者や子供が居る場合は、国保と国民年金は家族分を払わないと
いけませんが、社保と厚生年金は家族分の負担がありません。
(扶養家族の場合)

みん社保はフリーランスでも社保と厚生年金に加入できるようにすることで、
フリーランスの保険料負担を軽くするというわけです。

フリーランスでも社保と厚生年金に加入できる?

先にも書いたようにフリーランスは第1号被保険者ですから、
第2号被保険者が対象の社保と厚生年金には通常は加入できません。

しかしみん社保を利用すると、
フリーランスでも社保と厚生年金に加入できるのです。

みん社保に加入するとITフリーランス協会の理事となり、
「雇用されている」形となって社保や厚生年金に加入できるという仕組みです。

会費として月99,000円を支払い、
月に一度レポートを提出すると報酬として月56,000円の給与が貰えます。

月の一度のレポート提出だけですが、一応働いて報酬を得ていることになるので
雇用されていることになり、社保や厚生年金に加入できるというわけです。

一般的な会社員と同じように、
社保と厚生年金の保険料はITフリーランス協会が納めてくれます。

なのでみん社保の会員は、
毎月の社保と厚生年金の保険料負担が実質43,000円で済むのです。

フリーランスで現状の家庭の国保と国民年金の保険料負担が月43,000円を
超えている場合は、みん社保を利用することで毎月の社会保険料が安くなります。

しかし国民年金の保険料免除などの措置を受けていて、月の保険料負担が
43,000円を下回る場合はかえって負担が重くなるので注意してください。

みん社保って怪しくない?

会費を払って月1回のレポート提出するだけで雇用されている形となって
社保や厚生年金に加入できる、と聞くと何とも怪しい感じしますよね。

実際に、私は社会保険制度にまったく詳しくありませんが、
みん社保の仕組みを見て「怪しすぎるだろ」と思いました。

みん社保の公式サイトを確認すると、弁護士や会計事務所、社労士などが
運営に携わっているので、現状では「違法」な行為ではありません。

「現状では」と言うのは、今後法律が改正されて制度が変わるとみん社保の
仕組みが認められなくなることがあるかもしれないというだけのことです。

別にみん社保の仕組みを違法とする具体的な法律改正の動きがある、
といったわけではないです。

現状の法律では、仕事量の多寡はともかくとして、継続して1つの組織で働いて
報酬を得ていると雇用関係が認められて第2号被保険者となります。

たとえ月1回のレポート提出だけでも、
ITフリーランス協会の理事として働いて報酬を得ています。

ITフリーランス協会に属して働いて報酬を得ている以上は、実態はフリーランス
でも第2号被保険者となって社保や厚生年金に加入できるのです。

違法ではないが脱法という見方も

みん社保の仕組みは違法ではものの「脱法」という見方をする人も居ます。

単に「法律に反していないだけ」で「決して正当な行為ではない」ということです。

ITフリーランス協会の理事と言っても月1回レポート提出するだけで、
実際に理事としての仕事をしているとは言えません。

第2号被保険者として社保と厚生年金に加入するために、
理事として働いて報酬を得ている形を作っているだけとも言えるのです。

国保や国民年金の保険料は自分の将来のために納めているだけでなく、
現在国保や国民年金を必要としている人のために納めるものです。

違法ではないものの正当とも言えない行為で保険料を抑えると、
適切に保険料が徴収できないことになります。

保険料が適切に徴収できないと、
現状で正しく保険料を納めている人の負担がさらに増える恐れがあるのです。

さらに国庫負担の割合も増えますから、国債の償還が遅れて子供や孫の世代に
借金を付け回すことになってしまいます。

まあそこまで深く考える必要はありませんが、みん社保を利用する際には
「違法ではないが正しい行為でもない」ということを頭に入れておいてください。

終了した保険料軽減サービスも少なくない

みん社保以外にもフリーランスの保険料を軽減するサービスがありますが、
終了してしまったサービスも少なくありません。

たとえば「社保サポ」や「個人事業主総合研究所」が提供するサービスも
ありましたが、どちらも2024年8月現在は利用できなくなっています。

サービスが終了した具体的な理由は分かりませんが、
一部では「リーガルチェックが甘かった」と言われています。

要するに、何らかの法律的な問題があってフリーランスの保険料軽減サービスを
終了せざるをえなくなったと考えられるのです。

完全に合法であれば法律的な問題は起こりようがありませんから、
法律的な問題で終了したとすれば「違法ではないが合法とも言えない」となります。

みん社保は弁護士が運営に関わっていますから、
リーガルチェックの問題はクリアしていると思われます。

法律改正の影響だけでなく、何らかの法律的な問題でみん社保のサービスも
終了する恐れがあるということは覚えておかないといけません。

みん社保を利用するメリット

怪しくはあるものの、現状で違法ではなく社保や厚生年金に加入できて
保険料が抑えられるフリーランスにとってはありがたいサービスです。

実際にみん社保の利用を検討しているフリーランスの方も多いでしょうから、
みん社保を利用するメリットをいくつか紹介しましょう。

健康保険と年金の保険料が安くなる

フリーランスがみん社保を利用すると、
健康保険と年金の保険料が安くなることがあります。

国保の保険料は前年の収入によって変わりますが、
前年の総所得が350万円だと保険料は大体月30,000~35,000円ぐらいです。
(https://www.cr.mufg.jp/mycard/knowledge/23121/index.html)

これに国民年金の保険料が月16,980円かかりますから、
合計すると月47,000~51,000円ほど国保と国民年金に払わないといけません。
(https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/hokenryo.html)

みん社保を利用すると月の保険料負担は43,000円になりますから、
月数千円もしくは1万円以上安くなることがあるのです。

国保や国民年金の保険料は個人で納めるので、
家族が居る場合は保険料負担がさらに大きくなります。

社保や厚生年金の保険料には家族分も含まれているので、家族が居る
フリーランスはみん社保を利用することで保険料負担の大幅な軽減が可能です。

ただし前年の総所得が300万円を切る場合は、
国保や国民年金の保険料合計が月43,000円を下回ることもあります。

収入が少ないフリーランスはみん社保を利用すると、
かえって保険料負担が大きくなることもあるので注意も必要です。

年金受給額が増える

フリーランスはみん社保を利用することで、
65歳以降の年金受給額が増えるというメリットもあります。

一般的にフリーランスは国民年金に加入しますが、
会社員や公務員は国民年金に加えて厚生年金にも加入しています。

フリーランスは国民年金の1階建てなのに対して、
会社員や公務員は国民年金と厚生年金の2階建てなのです。

収入や保険料の納付年数によって代わりますが、国民年金の平均受給額は
月56,000円、国民年金+厚生年金の平均受給額は月144,000円です。
(https://www.smbc.co.jp/kojin/money-viva/nenkin/0001/#:~:text=%E5%9B%BD%E6%B0%91%E5%B9%B4%E9%87%91%E3%81%AE%E5%B9%B3%E5%9D%87%E5%8F%97%E7%B5%A6,14%E4%B8%874%2C000%E5%86%86%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82)

1か月で8万円近い差がありますから、
年間だと国民年金+厚生年金の方が100万円近く貰える金額が多くなります。

受給年数が長くなればなるほど差は大きくなり、
最終的には1000万円以上の差がついてしまいます。

フリーランスがみん社保を利用すると、
将来貰える年金額を会社員や公務員と同じぐらいにできるというわけです。

フリーランスがみん社保を利用するデメリット

フリーランスがみん社保を利用するのにはメリットばかりではなく、
デメリットもあります。

突然サービスが終了するリスクがある

みん社保を利用するデメリットとして第一に挙げられるのが、
「突然サービスが終了するリスクがある」ことです。

弁護士が運営に関わっていて違法ではありませんから、
現行のままなら法律の影響でみん社保が終了することはほぼ100%ありません。
(運営が破綻するリスクはある)

しかし健康保険や年金の負担が社会問題化しており、厳格公正に徴収することを
目的として法律が改正される可能性は無いとは言えないです。

法律の改正内容によってはみん社保の仕組みが違法となって、
サービスが終了する恐れが十分にあります。

万が一法律改正によってみん社保の仕組みが違法になっても、
法律は遡及しないので利用者が罪に問われることはありません。

しかし保険料を軽減するサービスは使えなくなりますから、
保険料の負担が重く感じられるようになってしまいます。

形だけとは言え理事としての仕事をしないといけない

みん社保を利用するには、月1回のレポート提出という形だけですが
一応理事としての仕事をしなければなりません。

レポートと言っても難しいものではなく、
慣れれば10分程度で終わらせられるものです。

しかしフリーランスの仕事が時間を惜しむほど忙しい場合には、
たとえ10分で終わることでも面倒に感じるのでデメリットとなります。

所得控除額が減る

フリーランスがみん社保を利用すると所得控除額が減ってしまうことがあります。

老後の備えとして「iDeCo」を利用している人も居ると思いますが、
iDeCoの掛金は所得控除の対象です。

ただ控除対象となる金額には上限があり、
フリーランスなど第1号被保険者は最大68,000円まで控除されます。

ところが第2号被保険者は、
iDeCoの掛金は最大23,000円までしか所得控除の対象になりません。

現状でiDeCoを利用していて、掛金が23,000円を超えている場合は
所得控除額が減って納税額が増える恐れがあるのです。

まとめ

みん社保など、フリーランスでも社保や厚生年金に加入できて保険料を
軽減できるサービスがあります。

仕組みだけを見るとかなり怪しく感じますが、
現行では違法ではなく一応安全に利用できるサービスです。

ただグレーなサービスですから、
法律改正によって将来的に違法となることも無いとは言えません。

お得になるサービスなので利用するのは構わないですが、
多少のデメリットがあることも頭に入れておきましょう。

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この記事を書いた人

はじめまして、こんにちは。
HN:ミカエルといいます。
1978年生まれ、40代独身の中小企業サラリーマンです。ずっと平社員、つまり「ヒラ」です。

もともと理系ですが、プログラミングなどの専門スキルはなく、PCも人並みに使える程度。性格は内向的で、人前で話すのは大の苦手。そんな自分なりに頑張ってきたつもりですが、気づけば40代になっても平社員のまま。悔しさや惨めさを感じたこともありましたが、これからは気持ちを切り替え、「仕事は仕事」と割り切りながら、健康に気をつけつつ、投資や副業で新しい道を模索していこうと考えています。


「ヒラサラ」について
「ヒラサラ」は、意識低めの40代平社員が、会社や仕事に振り回されず、無理なく生きるためのヒントを発信するブログです。

社会では「出世しないとダメ」「頑張らないと負け組」といった風潮が根強いですが、私は「優秀じゃないと受け入れられない社会」から降りる選択肢もアリだと考えています。

このブログでは、
✅ 仕事は仕事と割り切る考え方
✅ 健康を維持しながら無理なく働く方法
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などを、リアルな経験を交えながら発信していきます。

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