私は地方都市で働く会社員ですが、
若い時には「東京で働いた方が給料が多いのかな」と思ったこともあります。
(自分の能力を棚に上げて)
では東京で働く44歳会社員は他の地域よりも給料が高いのか、
東京の44歳の年収の平均や中央値を見てみましょう。
東京で働く44歳会社員の年収の中央値は?
会社員の年収に関するデータを色々調べたところ、
年齢別の年収の平均と中央値は分かりました。
また都道府県別の平均年収も分かったのですが、東京の44歳会社員の年収の
中央値というピンポイントの情報は見つかりませんでした。
しかし会社員の年収に関する色々なデータから計算したところ、東京の
44歳会社の年収の中央値は約520万円、平均が約580万円と推測できます。
まず年齢別の年収の平均と中央値で、44歳は中央値が約450万円、
平均が約500万円となっています。
(https://doda.jp/guide/heikin/median/)
次に東京都の会社員の年収の中央値が約400万円、平均が約450万円です。
全国の会社員の年収平均が大体390万円ぐらいですから、
東京は全国平均より16%ほど年収が多くなっています。
年齢別の数値に16%プラスすると、
東京で働く44歳会社員の年収の中央値・平均値になると推測できるわけです。
44歳の中央値が450万円、平均が500万円ですから、それぞれ16%プラスして、
東京の44歳会社員の年収の中央値は520万円、平均は580万円となります。
中央値と平均値は何が違う?
東京の44歳会社員の年収の中央値と平均を出しましたが、
中央値と平均値では何が違うのか疑問に思った人も居るかもしれません。
中央値はいくつかの数字を多い順に並べた時に
ちょうど真ん中に来る数字のことです。
例えば、年収が2000万円・800万円・500万円・300万円・200万円という
5人が居る場合、中央値は真ん中の500万円となります。
平均値は対象となる数字を全て足して対象となる数字の個数で割った数字の
ことです。
先の例で言うと(2000万円+800万円+500万円+300万円+200万円)÷5で
800万円が平均値となります。
平均値は極端に大きい数字や極端に小さい数字に影響を受けるので、
一般的な感覚とは違う数字になってしまうこともあります。
それに対して中央値は極端に大きい数字や小さい数字に影響を受けないので、
平均値よりも一般的な感覚に近い数字が出やすいです。
同じ東京で働く44歳会社員でも男性と女性では年収が違う
働く地域や年齢が同じでも、
男性と女性という性別の違いだけで年収も大きく変わります。
44歳男性会社員の年収の中央値は約530万円、平均は約580万円ですが、
女性は中央値が約360万円、平均は約410万円です。
東京都の会社員の年収を男女別で見ると、
男性の中央値は約450万円、平均は約520万円となっています。
対して東京都の女性会社員の年収の中央値は約360万円、平均は約400万円で、
全体の数値と44歳限定の数値がほとんど同じです。
要するに、男性会社員は44歳にもなると全年齢の平均より年収が高くなりますが、
女性会社員は44歳になっても若い時と年収がほとんど変わらないということです。
女性が男性より年収が低い理由の1つとしては、男女の賃金格差を解消する
国の施策が今一つ効果を発揮していないことが挙げられます。
男女雇用機会均等法の制定を始めとして、
厚生労働省を中心に男女の賃金格差を解消する施策が行われています。
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku09/index.html)
施策の周知徹底が不十分な上に、日本の企業の大部分を占める中小企業で
男女の賃金格差を埋める具体的かつ効果的な方策が示されていません。
もう1つは、妊娠・出産に伴う産休や育休によるキャリアの停滞です。
子供を産めない男性は、育休を取ったとしてもせいぜい数週間から1か月程度
ですから、キャリアにそれほど大きな影響はありません。
ところが女性は、妊娠初期から出産後しばらくまで場合によっては年単位で
仕事をセーブしなければならず、どうしてもキャリアに影響が出てしまいます。
妊娠・出産によってキャリアがリセットされてしまったり、子育てとの両立が
難しくなってキャリアを積むのを諦めてしまうケースも少なくありません。
職種や業種によっても年収が違う
同じ東京で働く44歳会社員でも、
どういった業界でどういった職種に就いているかで年収が大きく違ってきます。
東京であれば
・総合商社
・金融
・メーカー
・IT、通信
・建設、不動産
といった業種であれば、
中央値・平均値より上の年収を得られる可能性が高いです。
反対にサービス業や小売業、外食産業といった業種だと、
中央値・平均値よりも年収が少なくなるケースが多いです。
職種で言うと
・専門職
・企画、管理
・技術系
・営業
などは年収が中央値・平均値よりも高くなりやすいです。
特に専門職は年収が高くなりやすいですから、何かしらの国家資格試験に
合格していると会社員として働くのにも有利となります。
反対に事務や販売、サービス部門は年収が抑えられる傾向があるため、
中央値・平均値よりも年収が低くなることが多いです。
事務や販売、サービスは女性が担当することも多いですから、
それも年収が低くなる要因の1つかもしれません。
東京で働く44歳会社員の年収が中央値・平均値より高いのはなぜ?
東京で働くと他の地域よりも年収が多くなるのは、
単純に東京にある企業の数が多いからです。
中小企業庁の都道府県・大都市別企業数(2021年)のデータによると、
全部で337万社以上の企業が日本には存在しています。
(https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/chu_kigyocnt/2023/231213kigyou1.pdf)
その内の約12%の42万社以上が東京に本社を構えています。
さらに大企業に絞ると、全国に約1万社の大企業がありますが、
その内の半数近くの4500社が東京に本社を構えているのです。
単純に給料の高い大企業や大企業と取引のある中小企業が東京には多いので、
年収も他の地域より高くなるというわけです。
中央値・平均値より高くても東京の生活は楽じゃない
東京で働く44歳会社員の年収は全国の中央値・平均値より高いですが、
生活が楽かと言うと決してそんなことはありません。
東京23区内で家族4人で生活するには、
家賃や住宅ローンを除いた月の生活費が約41万円かかるとされています。
(https://hoken-room.jp/money-life/8595)
東京で働く44歳会社員の年収の中央値が約530万円ですから、
1か月当たりの給料は約44万円です。(ボーナスが無い場合)
家賃や住宅ローンを含めると月の支出は50万円を軽く超えてくるので、
夫や妻どちらかの収入だけでは東京だと家族4人で生活できません。
夫婦共働きは必須ですし、家賃や住宅ローンも他の地域より高く
夫婦共働きでもそれほど生活に余裕は無いのです。
ちなみに4人家族の家賃や住宅ローンを除いた生活費の全国平均は
約37万円です。
家賃や住宅ローンを含めると、44歳会社員全体の年収の中央値が450万円で
平均が500万円ですから、こちらもかなり苦しいです。
東京など大都市以外でも夫婦共働きが必須ですが、家賃や住宅ローンが
東京よりも安いですから夫婦共働きなら多少余裕のある生活ができます。
東京は物価が他の地域よりも高いため、
年収が中央値・平均値より高くても生活が楽とは言えないのです。
理想的な生活費はどれぐらい?
1か月の生活費がどれぐらいであれば、
比較的余裕のある生活ができるのでしょうか?
収入に対する生活費の割合が、家賃や住宅ローンは30%、
食費と貯蓄がそれぞれ15%となるのが理想的とされています。
それ以外の光熱費や医療費、衣服代、教育費、保険料などは
それぞれ4~6%程度に抑えます。
東京在住で夫婦ともに44歳で共働き、それぞれの年収は東京都の男女別の
中央値だと仮定すると、年収は2人合わせて約890万円です。
年収810万円だと1か月当たり約74万円ですから、
その30%の約22万円が家賃や住宅ローンの理想的な支払額となります。
食費と貯蓄はそれぞれ15%なので11~12万円、それ以外の光熱費や
医療費などはそれぞれ3~4万円台で抑えると理想的な生活費となります。
ただ東京23区内でファミリー向け物件を借りようと思ったら、
家賃は安くても月15~18万円、ちょっと条件が良いと20万円を軽く超えます。
夫婦共働きでも子供が2人居ると、
東京では理想的な余裕のある生活をすることが難しいです。
東京では子供を2人以上育てるのは経済的に難しいですから、
日本全体で少子化が進むのは必然と言えますね。
東京で働く44歳会社員が年収を増やすには
夫婦共働きでも東京では生活が楽じゃありませんから、
年収を少しでも増やしたいと考えるのは当然です。
では東京で働く44歳会社員が年収を増やすにはどうすれば良いのでしょうか?
現在の会社で昇格・昇進を狙う
東京で働く44歳会社員が年収を増やす方法として一番現実的なのが、
「現在の会社で昇格・昇進を狙う」ことです。
最近はTVなどでも転職サービスのCMを見かけます。
しかし余程のキャリアかスキルが無いと、
転職したところで年収が大幅にアップすることはありません。
それどころか、持っているキャリアやスキルによっては転職することで
年収が減ってしまうこともあるのです。
できるだけ低リスクで年収を増やしたいのであれば、
転職せずに現在の会社で昇格・昇進して給料をアップさせることです。
ただ昇格・昇進を狙うと言っても簡単なことではありませんから、
できれば資格や特別なスキルを取得しておくと良いでしょう。
例えば
・日商簿記(3級以上)
・MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
・ファイナンシャルプランナー
辺りは、簡単には取得できないものの取得すると会社員にとってもかなり有利です。
スキルなら外国語で、英語は当然として最近だと中国語やヨーロッパ向けに
フランス語、スペイン語などもおすすめです。
いずれも今から取得したり身に付けたりするのは大変ですが、
昇格・昇進による年収アップを目指すなら検討しても良いのではないでしょうか。
副業を始める
現在勤めている会社で副業が認められているのであれば、
副業を始めるのも年収アップの1つの方法です。
「しがない会社員で資格もスキルも無いから副業なんて・・・」
と思っているかもしれません。
しかし、会社員にとっては当たり前のスキルもお金になる時代となっています。
会社員として20年ほど働いてきて、
これまでにイヤというほど色々な資料を作ってきたはずです。
その資料作成のスキルを求めている人も少なからず居ますから、
それだけでも十分に副業をやっていけます。
パワーポイントで資料が作れるというだけでもお金になったりします。
ただ現在でも副業が禁止されている企業が少なくないので、
副業を始める前に自社の就業規則を確認しておきましょう。
まとめ
東京で働く44歳会社員の年収の中央値は約520万円、平均は約580万円と
なります。
我々地方で働く会社員からすると羨ましい数字ですが、
東京は物価が高いのでこれだけの高給でも余裕のある生活はできません。
仕事にも生活にも追い立てられることが今のところありませんから、
多少年収が低くても今の仕事・生活が私には向いてそうですね。
(今から東京に出ていく気もありませんが・・・)