就職してから約20年、44歳ぐらいになると役職付きになって
20代30代の頃よりは給料を多く貰うようになります。
ただ、過去の自分よりは多く給料を貰っているものの同年代の他の人たちと比べて
自分の給料が多いのか少ないのか気になったりもしますよね。
44歳会社員の年収の中央値は?
44歳会社員の年収の中央値は約450万円です。(https://doda.jp/guide/heikin/median/)
「思ったより少ない」と感じた人も居るかもしれませんが、
44歳会社員の年収の平均となると500万円を超えます。
中央値は対象者の年収を多い順に並べた時にちょうど真ん中になる数値で、
平均は対象者の年収を合計して対象者の人数で割った数値です。
例えば、年収がそれぞれ2000万円・800万円・500万円・400万円・300万円の
5人の44歳会社員が居るとします。
5人の年収の平均は(2000万円+800万円+500万円+400万円+300万円)÷5
で800万円ですが、中央値は真ん中の500万円です。
平均だと飛びぬけて多い2000万円の人の影響が大きいですが、
中央値は上下の影響を受けていないのでよりリアルな数値となるのです。
平均は、極端に多い人が居ると上振れしますし、
極端に少ない人が居ると下振れします。
しかし中央値は順番が真ん中ですから、
極端に多い人少ない人の影響を受けにくく、より実態に近い数値となります。
44歳会社員の平均年収は500万円超と聞いて、「平均に全然届いてない、
自分はめちゃくちゃ安月給なんだ」と落ち込んだ人も居るかもしれません。
しかし平均は、出世が早い・特別なスキルや資格を持っているなどで
同年代よりも飛びぬけて給料の多い人の影響を大きく受けています。
44歳会社員の年収としては、
中央値である450万円の方がよりリアルに近い数値と言えるのです。
同じ44歳でも男性と女性で格差がある
同じ44歳でも、男性と女性とでは年収に大きな格差があります。
44歳会社員で男性に限定した年収の平均は約580万円、
中央値は約530万円です。
44歳会社員の女性に限定した年収の平均となると約410万円、
中央値は約360万円となります。
年収の平均・中央値ともに男性は女性よりも170万円ほど、
月にすると大体14万円ぐらい多く給料を貰っていることになるのです。
25歳ぐらいまでは男女差はそれほど大きくありませんが、
26歳以降は男性は50代まで右肩上がりで年収が増えていきます。
対して女性は27歳ぐらいで昇給が止まり、
以降はほぼ横這いとなってほとんど年収が増えません。
単純な男女格差に加えて、女性は出産に伴う産休や育休によって
キャリアが停滞してしまうことが年収が増えない要因と考えられます。
どこで働いているかでも年収は変わる
同じ44歳会社員で同じ職種でも、「どこで働いているか」で年収が変わります。
44歳会社員の都道府県別の年収中央値は調べて分かりませんでしたが、
平均値は分かりました。
都市部とくに大都市部ほど年収が高く、特に東京の44歳会社員の平均年収は
47都道府県で唯一600万円(約670万円)を超えています。
次いで大阪(約570万円)・神奈川(約530万円)・愛知(約530万円)が高く、
それら大都市部の周辺の都市部も平均年収が500万円近くと高くなっています。
反対に大都市部から少し離れた青森・秋田・佐賀・宮崎・沖縄辺りは給料が安く、
44歳会社員の平均年収が400万円に達していません。
地域の産業や経済を考えると、
必ずしも大都市部に出て働くのが正解とは言えません。
しかし個人として考えると給料が高い方が良いですから、都市部から離れていて
給料の安い地域よりは給料の高い大都市部で働く方が良いですね。
学歴によっても年収は変わる
日本でも海外のように実力主義になってきていますが、
学歴による格差は残っています。
高校より大学、大学より大学院と上の学校を卒業しているほど年収が高くなる
傾向ですが、4年制大学卒業以上の学歴があるか否かで大きく変わります。
中学・高校・専門学校・高専・短大のそれぞれの学校を卒業して就職した44歳の
平均年収はいずれも400万円台です。
中卒・高卒と高専卒・短大卒の年収の差は30万円足らずですから、
高専・短大卒まではそれほど大きな差はありません。
ところが4年制大学卒の平均年収は約640万円、
大学院卒の平均年収は約850万円となっています。
高専・短大卒と大卒では年収で約150万円、大学院とは2倍近い差があります。
就職した時の初任給に差があるので、同じパーセンテージで昇給しても
年齢を重ねるにつれて年収の差が大きくなるのです。
同じ会社で働き続けるのであれば、
より上の学歴を持っている方が給与面では有利となります。
ただし転職する場合は学歴よりもスキルやキャリアが重視されますから、
転職を考えているなら大卒以上の学歴が無くても問題ありません。
働く業界によっても年収は変わる
会社ごとに給料体系は違いますから、働く業界によっても年収が大きく変わります。
44歳会社員の平均年収が一番高い業界は「電気・ガス・水道」業界です。
いわゆるインフラ事業で、私企業ではあるものの事業の公益性が高くて
公務員に近い存在と言え、44歳の平均年収は約750万円です。
次いで金融・保険、学術研究・専門サービスが高く、
平均年収700万円以上となっています。
電気・ガス・水道と同じく公益性の高い事業ながら、
医療・福祉は平均年収が安くて約480万円です。
宿泊・飲食、サービス・娯楽はさらに低く44歳の平均年収でも
450万円を下回ります。
44歳の年収の中央値は450万円ですが平均は500万円ですから、
・医療、福祉
・宿泊、飲食
・サービス、娯楽
のそれぞれの業界の年収は平均以下です。
ただし医療・福祉でもメーカーとなると平均年収が一気に上がります。
医療・福祉業界で働いていて給料が少ないと感じているなら、そのキャリアを
生かして医療・福祉系のメーカーへの転職を目指しても良いかもしれませんね。
就業形態によっても年収は変わる
40代半ばである私が若い頃は会社員と言えば正社員でしたが、
最近は会社員でも正社員・契約社員・派遣社員など色々な形態があります。
正規雇用である正社員と非正規雇用である契約社員・派遣社員では、
同じ44歳でも年収に大きな差が出ます。
44歳正規雇用の平均年収は約570万円ですが、
同じ44歳でも非正規雇用となると平均年収は約300万円です。
年収で2倍近く、
月給にすると20万円以上の差が正規雇用と非正規雇用ではあります。
非正規雇用はいわゆる定期昇給の割合が小さく、ボーナスが無いことも多いので
正社員に比べると年収が低くなってしまいます。
多少責任の軽重がありますが、
それでも仕事内容は正規雇用と非正規雇用で大きな差はありません。
同じような仕事をするわけですから、
どうせなら給料の高い正社員として働きたいところですね。
「正社員になりたくてもなれないんだ!」と言う非正規雇用の人が
大半でしょうが・・・。
44歳公務員の年収は?
一般的に「安定していて給料が高い職業」と言えば「公務員」をイメージしますが、
44歳公務員の年収はどのぐらいなのでしょうか?
人事院の国家公務員給与等実態調査によると、
40~44歳の平均年収は約500万円、44~48歳だと約540万円となっています。
(https://www.jinji.go.jp/content/900031267.pdf)
また総務省の令和4年度地方公務員給与の実態によると、
44~47歳の平均年収は約440万円です。
(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/kyuuyo/pdf/R4_kyuyo_1_03-4.pdf)
公務員の給与は民間企業の給与を元に決められていますから、
一般的な44歳会社員の平均・中央値とそれほど差はありません。
ただ公務員は一般的な会社員に比べて安定性が段違いなので、
給料が少し安いぐらいでも公務員の方が個人的には良いですね。
年収と実際の手取り額は違う
社会で働いていれば分かっているとは思いますが、
「年収」と実際に手元に入るお金「手取り額」は違います。
年収は会社が社員に支払う給与の総額で、
手取り額は社会保険料や税金などを差し引いたものです。
フリーランスや個人事業主は、収入はいったん全て自分の手元に入りますが、
確定申告で前年分の年収を元に税金を納めることになります。
国民健康保険や国民年金などの社会保険料も手元に入ったお金から支払います。
会社員は社会保険料や税金を給料から天引きされて、
会社が代わりに納めてくれているのです。
なので確定申告や納税の手間が無い代わりに、
給料の支給額と手取り額に差があるわけです。
所得税は収入によって、住民税は住んでいる地域によって変わりますが、
支給総額の15~25%ぐらいを社会保険料や税金として納めることになります。
44歳会社員の年収の中央値は450万円で、
社会保険料や税金などを差し引いた手取り額は340~380万円ぐらいです。
44歳会社員の年収平均が500万円で中央値が450万円と聞いて、
「えっ!そんなに高いの?」と思った人も居るかもしれません。
しかし実際には社会保険料や税金でいくらか天引きされていますから、
手取り額はもっと少ないのが一般的です。
44歳会社員が平均や中央値より高い年収を得るには
現状で年収が平均や中央値に達していない44歳会社員が、
平均や中央値よりも高い年収を得るにはどうすれば良いのでしょうか?
今の会社で昇給を狙う
44歳会社員が年収を増やすには、
今の会社で働き続けて昇給を狙うのが一番手っ取り早いです。
転職していない場合は勤続20年ちょっとですから、
現状でもそれなりのポジションになっているはずです。
仕事を頑張って成果を上げてポジションが上がれば必然的に給料も
上がりますから、同年代の平均・中央値よりも上に行くこともできます。
40代で部長クラスになれば年収1000万円も夢じゃないので、
年収を増やすには今の会社で昇給を狙うのが一番です。
ポジションを上げなくても維持すれば定期昇給によって多少は給料が
上がっていきますから、最終的には年収が平均・中央値並に落ち着きます。
副業を始める
今の会社で頑張っても昇給には限界がある、
という場合は副業を始めてみるのも1つの方法です。
一昔前は会社員が副業を始めるのはハードルがかなり高かったですが、
最近は副業可能な会社も増えています。
スキルを売れるサービスもありますから、
44歳まで働いて身に付けたスキルを使って副業で稼ぐことが可能です。
特別なスキルでなくても、文書作成やパワーポイント資料の作成といった
ビジネスパーソンなら当たり前のスキルでもお金になります。
仕事をあくせく頑張っても給料が上がらないなら、
好きなことを副業にして収入を増やすのも良いのではないでしょうか。
ただし副業を禁止している会社もまだ少なくありませんから、
副業を始める前にまずは自社の就業規定を確認しておきましょう。
投資はおすすめできない
新NISAが始まり、
日経平均株価が史上最高値を更新したことで「投資」に注目が集まっています。
ただ44歳会社員が年収を増やす目的で投資を始めるのは、
あまりおすすめできません。
投資で短期的にお金を増やすには、いわゆるデイトレーダーのように
株式情報に張り付いて売買のチャンスを常に窺っておく必要があります。
また既に株価はかなり高騰しているため、
短期的にはこれ以上大幅に価格が上昇するとは考えにくいです。
これから投資を始めて短期間で年収を左右するほどに儲けることは
かなり難しいと言わざるをえません。
44歳時点で株式投資を始めて定年までの期間で運用して利益が上がれば良い、
という考えで投資を始める分には問題ないです。
しかし短期間で株式投資で年収を増やそうと考えるのは危険で、
かえって失敗して収入が減る恐れもあるので注意してください。
まとめ
44歳会社員の年収の中央値は約450万円です。
ただ性別や地域、学歴、業種によって、同じ44歳会社員でも年収が違うので、
中央値より上だから勝ち組、中央値より下だから負け組といったことはありません。
中央値より下だから副業を始めて収入を増やすのは構わないですが、
無理してまで収入を増やす必要は無いと個人的には思います。
収入を増やして贅沢な暮らしをするのではなく、収入に見合った生活をすることで
金銭的・精神的余裕を作る方が良いのではないでしょうか。