かねてより探していた家電は実は暖房器具だったのですが、
暖房器具を探すなら「Dimplex(ディンプルックス)」は外せません。
偉そうに「外せません」などと言いましたが、実はDimplexについては
どこの国のメーカーなのかも知らなかったので調べてみました。
Dimplexはどこの国のメーカー?
「Dimplex(ディンプルックス)」は、アイルランドの首都ダブリンに本社がある
家電メーカー「Gren Dimplex」の家電ブランドです。
(https://www.glendimplex.com/en-ie)
現在の本社はアイルランドですが、元々はイギリスで設立されたので
イギリスをメインとしてヨーロッパで展開しています。
ちなみにDimplexの読み方を「ディンプルックス」としましたが、
「ディンプレックス」の方が英語の発音に近いみたいですね。
Dimplexは家電ブランドと言うよりも暖房機器ブランドのイメージが強くなっています。
実際にGren DimplexのメインブランドはDimplexですし、
世界で初めてオイルヒーターを製造・販売したのもDimplexです。
現状でも暖房機器市場においては世界最大規模ですから、
家電メーカーというよりも暖房機器メーカーのイメージが強くなっています。
ただGren DimplexにはDimplex以外にもいくつかブランドがあり、
暖房機器以外の生活家電も作っています。
生活家電でも世界トップクラスのシェアを獲得しているので、
やはり暖房機器に限定しない家電メーカーと言った方が正しいのでしょうね。
Dimplexは日本市場にも参入している
Gren Dimplexは日本にも本格的に参入しており、
日本でもDimplexの暖房機器が購入できます。
日本法人が設立されたのは2005年ですが、
Dimplexが本格的に日本市場に参入したのは2019年のことです。
(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000049463.html)
2020年に日本法人はDimplexから独立して、ディンプレックス・ジャパンから
バーグマンに社名を変更してDimplexの日本総代理店となっています。
Gren DimplexにはDimplex以外のブランドもあると先に書きましたが、
バーグマンはあくまでDimplexブランドの総代理店です。
ですからGren Dimplexグループ全体の製品を取り扱っているだけでなく、
Dimplexブランドの製品のみを取り扱っています。
Dimplexは暖房機器ブランドなので、特に日本ではGren Dimplexは
家電メーカーというよりも暖房機器メーカーのイメージが強いわけです。
暖房機器以外のDimplex製品を日本で購入するのは難しい
Gren DimplexにはDimplex以外にも家電ブランドがありますが、
日本ではDimplex以外のブランド製品を購入することは難しいです。
日本市場に本格的に参入しているのはDimplexのみで、
Dimplex以外の生活家電ブランドは日本に進出していません。
家電量販店はもちろん日本向けの通販サイトでも、
Gren Dimplexの家電ブランド製品はほとんど取り扱いが無いです。
海外製品を専門的に取り扱っている通販サイトなら販売している可能性があり、
日本からでも購入できないことはありません。
しかし、日本に本格参入している暖房機器以外のGren Dimplex製品を
日本から購入するのは正直なところあまりおすすめできません。
(理由は後述します)
Dimplexはどんな製品を扱っている?
日本市場に本格参入していると言ってもまだ数年程度ですから、
どんな製品を扱っているのかよく知らない人も多いのではないでしょうか。
一口に暖房機器と言っても種類は色々あり、
Dimplexが主に扱っているのは「電気暖炉」と「オイルフリーヒーター」です。
暖炉と言っても、
実際に火を燃やして暖めるのではなく電気で暖めるタイプの暖炉です。
「電気で暖めるならエアコンや電気ストーブじゃないの?」と思うかもしれません。
暖める機能だけならエアコンや電気ストーブと同じですが、
Dimplexの電気暖炉は見た目が火を燃やすタイプの暖炉です。
水蒸気と光の反射や屈折を利用して「炎の揺らめき」、
さらには薪が燃えてはぜる音まで再現しています。
空気を暖めるのは電気ですが、
見た目は完全に薪を燃やした火で暖めるタイプの暖炉です。
オイルフリーヒーターは灯油を使わずに電気で暖めた空気を放出するヒーターで、
こちらは電気ストーブとほとんど同じです。
インテリア暖炉もある
暖房機器としての機能もありますが、
暖房機能OFFでも使える「インテリア暖炉」もDimplexにはあります。
私の父や母の年代、いわゆる団塊の世代が子供の頃や若い頃には
アメリカのホームドラマが日本でも放送されていました。
ちなみに私がまだ幼稚園か小学校低学年の頃だったと思いますが、
「奥様は魔女」というアメリカのドラマが放送されていたのを覚えています。
オープニングにちょっとしたアニメーションが使われているのですが、
そのアニメで描かれている魔女が怖かったのでよく覚えているのです。
日本のアニメと違ってアメコミっぽい感じだったので、今は見ても特に怖いと
感じないものの、小さかった私はアメコミっぽい感じが怖かったのでしょうね。
話がかなり逸れましたが、アメリカのホームドラマに出てくる建物には
必ずと言って良いほど暖炉がありました。
子供の頃や若い頃に見たアメリカのホームドラマに憧れて、
自宅に暖炉を設置したいと考える人も少なくありません。
ただ日本の住宅事情を考えると、
実際に薪を燃やす本格的な暖炉を設置することは難しいです。
スペースや排気の問題があるので、せめて形だけでもということで
暖房機器としても暖房機能OFFでも使えるインテリア暖炉の需要があるのです。
日本のメーカーでインテリア暖炉を扱っているところは少ないですから、
Dimplexが日本の暖炉需要を満たす大きな役割を果たしています。
本格的な暖炉を設置するより経済的
「電気暖炉やインテリア暖炉は味気ないからやっぱり本物の暖炉でないと」と
思うかもしれませんが、電気暖炉やインテリア暖炉の方が経済的です。
まず設置にかかる費用ですが、Dimplexの電気暖炉はビルトインタイプだと
数十万円かかりますがインテリア暖炉だと数万円程度となっています。
ビルトインタイプは安いものでも10万円台、高いものは40万円以上で、
設置には当然別途工事費が発生します。
インテリア暖炉は安いものだと1万円台、10万円を超える機種もありますが、
高くても7~8万円台で別途設置費用はかかりません。
薪を燃やす本格的な暖炉を設置するとなると、
本体だけでも20万円~100万円ぐらいかかります。
その上、煙突などの排煙設備の部材費として50万円前後、
設置には工事が必要なので工事費として20万円~50万円ぐらい必要です。
安くても合計で100万円前後の費用が、
本格的な暖炉を設置するには必要となります。
次にランニングコストで、電気暖炉やインテリア暖炉は「強」で使用した場合で
1か月の電気代は大体8000~9000円ぐらいです。
薪を燃やす暖炉の場合、30坪の住宅で3立方メートル、
重さにすると2トンほどの薪が一冬で必要となります。
薪は1立方メートル当たり2万円ぐらいが相場ですから、
大体一冬当たり6万円の費用がかかります。
11月から3月までの5か月間使用するとしても、電気代が多くても5万円までで
収まる電気暖炉やインテリア暖炉の方がランニングコストもお得です。
Gren Dimplexはどんな家電を扱っている?
Gren DimplexグループのDimplex以外の家電ブランドでは、
どういった家電を扱っているのでしょうか?
公式サイトによると、Dimplex以外に
・モーフィ・リチャーズ
・ストーブ
・ベリング
・ロバーツラジオ
・ブリタニア
・ユーロメイド
・レックメディカル
などのブランドを展開しています。
「ロバーツラジオ」はラジオを始めとした音響機器、「レックメディカル」は
医療用冷蔵機器、それ以外はキッチン家電や生活家電のブランドです。
ロバーツラジオとレックメディカル以外は、
重複している製品はあるもののある程度住み分けはできているようです。
例えば「モーフィ・リチャーズ」は、キッチン家電の中でも
・電気ケトル
・トースター
・コーヒーメーカー
・ブレンダー
・フードプロセッサー
など調理家電に特化しています。
「ストーブ」は冷蔵庫と食洗機は扱っていませんがワインクーラーを扱っており、
「ベリング」は冷蔵庫も食洗機もワインクーラーも扱っています。
「ユーロメイド」はワインクーラーを扱っていませんが冷蔵庫も食洗機も洗濯機も
扱っていて、「ブリタニア」はレンジクッカー専門です。
大きいジャンルで分けると同じキッチン家電ですが、細かく見ると扱っている製品が
微妙に違うので住み分けができているというわけです。
またブランドを展開している地域も微妙に違うので、
そういったところでも住み分けができているのでしょうね。
Dimplex以外の家電を日本で使うのがおすすめできない理由
Dimplexの電気暖炉やインテリア暖炉以外のGren Dimplexの家電を
日本で使うのはおすすめできないと先に書きました。
その理由としては、
Dimplexの暖房機器以外は「日本仕様になっていないから」です。
日本とイギリスを始めとしたヨーロッパでは、
家庭で使用できる電気の「電圧」と家電のプラグの形状が違います。
日本で一般的に使われている電気の電圧は100Vですが、
イギリスは220V-240Vで日本よりも大幅に電圧が高いです。
実際にGren Dimplexグループの家電を見ると、
電圧は220V-240V対応となっています。
高い電圧に対応した家電を低い電圧で使うと、
十分な性能が発揮できないですし、故障のリスクも高まります。
またプラグの形状についても、日本がAタイプなのに対してイギリスはCタイプです。
Aタイプは2本の板状の突起物が付いたプラグで、
Cタイプは2本の棒状の突起物が付いたプラグとなります。
CタイプのプラグをAタイプの家庭用コンセントに繋ぐことはできませんから、
日本仕様になっていない家電はそのままでは日本で使えないわけです。
プラグの問題は、
家電量販店などで数百円で購入できる変換プラグがあれば解決できます。
しかし電圧の問題は昇圧変圧器の設置か家電のパーツ交換でないと解決できず、
いずれも数万円から数十万円の費用がかかります。
家電を購入する以外のことに費用をかけてまで使う価値が、
Gren Dimplexグループの家電にあるとは思えないのでおすすめできないわけです。
日本で販売されていない家電を扱っているわけではないですし、
日本で販売されている家電より優秀というわけでもありません。
それなら、そのままでは使えないGren Dimplexグループの家電よりも
日本で販売されている日本仕様の家電を選ぶ方が簡単ですし経済的です。
まとめ
Dimplexは、イギリスの家電メーカーGren Dimplexの暖房機器ブランドです。
電気で暖めるタイプの暖炉とオイルフリーヒーターを扱っており、
総代理店があるので日本でも買えます。
火を使わないので安全ですしインテリア暖炉なら工事不要ですから、
Dimplexなら憧れの暖炉が手軽に設置できますよ。