政府や自治体が様々な子育て政策を行っており、我々アラフォーの親世代に
比べると子供を産み育てやすい環境になっているように思えます。
それでも少子化に歯止めがかからないのはなぜなのか、
今の若い世代が子供を作らない理由をランキング形式で見てみましょう。
子供を作らない理由のランキング
子供を作らない理由については様々言われており、
色んな研究機関やメディアなどのアンケート結果も出ています。
年齢層など回答者の属性によって子供を作らない理由が違っており、
アンケートによってランキングはバラバラです。
今回は複数のアンケートを総合して私の独断と偏見でランク付けしたので、
世間の声とは多少違うこともあるのでご容赦ください。
第1位:子育てにお金がかかる
少子化に関するアンケートをいくつかチェックしましたが、どのアンケートでも
子供を作らない理由としてトップに挙げられているのが「お金の問題」です。
子育てにはお金がかかるので、子供を作りたくない、
子供が欲しくても作れないというケースが多くなっています。
40代半ばである私の親世代が結婚したのは、
高度経済成長期とバブル期の間の安定成長期と言われる頃でした。
高度経済成長期やバブル期ほど好景気ではなかったものの、定期昇給で
毎年給料が上がり、働けば働くほど給料が増える時代だったとのことです。
働いた分だけ給料が増える時代であれば、
お金の問題で子供を作ることを諦めるケースは少なかったのではないでしょうか。
しかし近年は終身雇用や年功序列が崩壊して、
働いても働いても給料が増えないという時代が長く続いています。
退職金と年金だけでは老後の資金が2000万円足りないといった話もあり、
自分の将来がどうなるか分かりません。
自分の将来が不安なのに、
お金のかかる子供を作っている余裕が無いということなのでしょう。
生まれてから大学を卒業までに3000~4000万円
ちなみに、子供が生まれてから大学を卒業するまでにかかる費用は
1人当たり総額で3000~4000万円と言われています。
(https://www.smbc-card.com/like_u/money/education_funding.jsp)
最近は
・中学生まで医療費無料
・給食費無料
・高校の授業料無償化
など国や自治体の子育て政策によって経済的な支援が多少は受けられます。
それでも子供を1人育てるのに数千万円のお金がかかるとなると、
子供を作るのに二の足を踏んでしまうのは仕方ありません。
まして子育てにかかる費用が億単位なるかもしれないとなると、
子供1人は作れても2人目3人目は無理となるのも分かります。
第2位:子供を育てる自信が無い
若い世代が子供作らない理由の第2位は「子供を育てる自信が無い」です。
特にこれから結婚する世代や結婚して間もない夫婦を対象としたアンケートで、
子供を育てる自信が無いは割合が高くなっています。
40をとっくに過ぎた私でも子供を育てる自信はありませんから、
20代30代の若い世代はもっと子育てに自信が持てないでしょうね。
自分の親や周りの大人たちを見ていると、自分は全然しっかりしていなくて
親になる資格なんて無いと特に若い頃は思いがちです。
ただ子育てに関しては誰もが初心者であり、
自分の親だって自信があったから子供を作ったわけではありません。
子供ができることで親としての自覚が芽生えて、
子供とともに親も成長していくのです。
なので「子育てに自信が無いから子供を作らない」は
子供を作りたくない言い訳のように聞こえますね。
(私自身にも言えますが・・・)
第3位:子育ての負担が女性に偏っている
子供を作らない理由の第3位は「子育ての負担が女性に偏っている」です。
特に結婚したての女性や2人目以降の出産を躊躇っている女性に多い意見です。
最近でこそ男性も育休を取らないといけないようになってきており、
「夫の育児参加」の割合が昔に比べるとかなり増えています。
しかし日本には古くから「男は外で働き、女は家を守る」という価値観があり、
いまだに「子育ては女性の仕事」と思われている節があります。
また「ママの言うことしかきかない」「ママでないと泣き止まない」などと言い訳して、
子供の世話を妻に押し付ける夫も少なくありません。
夫の育児参加の割合が増えたと言っても、
日本ではまだまだ子育ての負担は女性に偏っているのが現状です。
昔のような専業主婦なら、
子育ての負担が女性に多少偏っていても良いかもしれません。
しかし最近は専業主婦だと生活ができないことも多く、
夫婦共働き家庭が一般的となっています。
女性も外で働いているのに家庭でも子育ての負担が大きいとなると、
子供は作りたくないと考えるのは当然です。
第4位:年齢的に難しい
子供を作らない理由の第4位は「年齢的に難しい」です。
30代以上で子供が居ないもしくは1人だけという夫婦が回答者に多い
アンケートでは、年齢的に難しいが1位になることもあります。
一般的に35歳以上で初めての出産するあるいは40歳以上で出産する場合は、
「高齢出産」となります。
女性は年齢を重ねるにつれて
・母体合併症(妊娠高血圧腎症、妊娠糖尿病など)
・流産
・難産
など出産時のリスクが高まるのです。
年齢に関係なく出産時に妊婦が亡くなる確率は2~3%ほどあり、
場合によっては母子ともに命の危険が及ぶ恐れがあります。
近年は晩婚化が進んでいて、平成の中頃までは第一子出産時の平均年齢は
20代でしたが平成後期からは30歳を超えています。
(https://www.taiyo-seimei.co.jp/net_lineup/colum/basic/044.html)
結婚して数年、仕事の関係で子供を作るのが難しいあるいは欲しいけどできない
といった状況が続くと、妻は高齢出産の年齢に達してしまうのです。
子供ばかりでなく妻まで失うかもしれないと考えて、
年齢を理由に子供を作るのを断念するのも理解できます。
高齢出産にはメリットもある
高齢出産にはリスクもありますが、メリットもあります。
夫婦共働きでともに年齢が35歳以上だと、
経済的にはそれなりに余裕があるはずです。
出産一時金や出産手当など、出産すると国や自治体から助成金がもらえます。
しかし国や自治体の助成金は出産してから申請するもので、
出産時にかかる費用はとりあえずは本人負担となります。
出産にかかる費用は平均で50万円前後となっており、若い夫婦は
この経済的負担が大きくて子供を作るのを先延ばしにするケースがあるのです。
高齢出産だと経済的に余裕があるケースが多いので、
一旦の本人持ち出しもそれほど大きな負担になりません。
また周りに出産・子育てを経験している人も多くなりますから、
様々なアドバイスがもらえます。
初めての妊娠・出産では不安なことも多くて精神的に不安定になりやすいですが、
高齢出産だと周りからのアドバイスで精神的にゆとりが持てるケースが多いです。
35歳だと働き始めて十数年ですから、
仕事でそれなりにキャリアを積んで職場ではそれなりのポジションに就いています。
出産を終えて職場に戻るにしても転職するにしても、
キャリアがあるので復職が比較的スムーズです。
働き始めて数年で産休や育休に入るとキャリアが無いので復職のハードルが
高くなるため、若い時には子供を作るのを躊躇ってしまいます。
最近は高齢出産のケースも増えていることもあって、
医療機関では妊婦に対するサポート体制がより充実しています。
20代で出産するよりリスクが高いのは変わりませんが、
昔に比べると高齢出産のリスクもかなり低くなってきているのです。
第5位:仕事に支障が出る
子供を作らない理由の第5位は「仕事に支障が出る」です。
割合はそれほど多くないものの、
どの年齢層を対象にしたアンケートでも必ず入ってくる意見となっています。
女性は妊娠すると、
安定期に入るまでは仕事をある程度セーブしないといけません。
安定期に入っても、
お腹が大きくなってくると妊娠前と同じように働くのは難しいです。
出産日が近くなると産休に入りますし、
出産してからしばらくは育休で仕事を休むことになります。
要するに、妊娠初期から出産後しばらくまで1年ぐらいは
仕事をセーブしなければならず、キャリアが停滞することになるのです。
就職して10年ぐらいコツコツとキャリアを重ねている場合、
キャリアが停滞するとなると子供を作るのを躊躇ってしまいます。
男性はそれほど影響はありませんが、
育休を積極的に取得する場合にはキャリアが停滞する恐れがあります。
第6位:子供が欲しくない
子供を作らない理由の第6位は「そもそも子供が欲しくない」です。
特に20代の若い世代は「子供が好きじゃない、
苦手だから子供は欲しくない」という回答が多くなっています。
私は二人兄弟の次男で、親戚の中でも年下の方、
近所にも自分より年下が少なかったこともあって、20代までは子供が苦手でした。
私の経験から言うと、子供が好きじゃない・苦手と言うのは
これまで小さい子と接する機会が無かったからだと思われます。
ただ私の場合は兄夫婦に子供ができた時から、子供が苦手ではなくなりました。
まだ赤ちゃんだった姪っ子が私を見て笑った瞬間、
この世にこんな可愛いと感じるものがあるのかと思いました。
それから姪っ子が可愛くて可愛くて仕方なくなり、
他所の小さい子を見ても可愛いと感じるようになったのです。
とは言え、私も20代までは子供が苦手でしたから、子供が好きじゃない・苦手
という理由で子供を欲しくないと思う気持ちは理解できます。
番外:反出生主義
子供を作らない理由の番外として「反出生主義」が挙げられます。
どのアンケートでも上位には来ませんが、少ないながらも一定程度の割合で
反出生主義を理由に子供を作らないと答えている人が居るのです。
具体的には
・日本の将来に期待できない
・離婚するかもしれない
・環境問題などで未来が心配
などで「生まれてくる子供が可哀そうだから作らない」というものです。
厳密に言うと、「人が生まれてきたことを否定する」
「これから人を生み出すことを否定する」のが反出生主義となります。
なので子供が可哀そうだから作らないのは正確には反出生主義ではありませんが、
反出生主義に近い考え方と言えます。
まあ確かに、人間生きていると楽しいことや嬉しいことよりも
辛いことや苦しいことの方が多いです。
自分と同じような辛い・苦しい思いを子供にさせたくないので、
子供を作らないという選択をするのは理解できますね。
まとめ
子供を作らない理由のランキングを紹介しましたが、
複数のアンケート結果を総合して私の独断と偏見でランク付けしたものです。
必ずしも正しい順位とは限りませんからご容赦ください。
しかし国や自治体が必死に子育て政策を打ち出しているものの、
成果がなかなか表れないのはランキングを見ると何となく分かるような気がします。
これから子供を作る世代が求めている政策を打ち出せていないのが問題で、
将来子供を作ることへの不安が拭い切れていないのです。
現役の子育て世代の意見を聞くのも良いですが、
これから子供を作る世代の意見も取り入れて政策を作ってほしいですね。