「子供を作っておかないと歳を取ってから後悔する」、私のように結婚しない
(できない)人や結婚しても子供のいない人はイヤほど聞くことになる言葉です。
子供のいない人生に後悔するというのはよく聞きますが、
本当に後悔するのでしょうか、なぜ後悔するのでしょうか?
子供のいない人生を後悔する人もいれば後悔しない人もいる
一般的に「子供のいない人生は後悔する」と言われますが、
実際には後悔している人もいれば後悔していない人もいます。
日本が少子高齢社会になって久しく、
生涯結婚しない人や結婚しても子供を作らない選択をするケースが増えています。
5年ごとの国勢調査を基に生涯未婚率を計算したデータによると、
2020年時点で男性が約28%、女性は約17%です。
(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000092878.html)
また国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査では、
結婚5~9年で子供がいない夫婦の割合が2021年時点で約12%となっています。
(https://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou16/JNFS16_Report04.pdf)
いずれも右肩上がりに数字が伸びており、
独身で子供がいない、結婚しても子供がいないという人が増えているのです。
独身・既婚関係なく子供がいないからと言って
全員が後悔しているわけではなく、後悔していない人もいます。
子供がいなくても困らない、
むしろ子供がいなくて良かったと思っている人も少なからずいるのです。
多様な価値観が認められる現代では、
子供がいる人生も子供がいない人生も等しく認められないといけません。
「子供がいないと歳を取ってから後悔する」と子供のいない人に言うのは、
価値観の押し付けであり、人格の否定と言っても良いぐらいです。
子供の人生を後悔する理由
歳を取ってから子供を作らなかったことを後悔する人もいますが、
子供がいないことを後悔する理由は様々です。
自身の価値観の変化
若い時に子供を作らない選択をしたにも関わらず、
「自身の価値観が変化した」ことで歳を取ってから後悔するケースがあります。
著名人や身近の人の影響などによって、ある日突然考え方や価値観が
大きく変わることがあるものです。
(180度変わることも珍しくない)
突然でなくても、日々自分自身や自分を取り巻く環境などが変わることで
考え方も変わっていきます。
友人や親戚などの子供の話を何度となく聞いている内に、
「子供は要らない」と思っていたものが「子供が欲しい」という思いに変わります。
女性は子供を作るのにタイムリミットがありますが、
考え方が変わったのがタイムリミット内ならまだ子供を作ることは可能です。
ところが考え方が変わった時点で子供を作るのが難しい年齢になっていると、
「やっぱり子供を作っておけば良かった」と後悔してしまいます。
人間だれしもちょっとしたことで180度考え方が変わることがあります。
「子供を作らない」と強固な意志で決断したと思っていても、
数年数十年経つと「子供が欲しい」と後悔することもあるのです。
親に孫の顔を見せられない
親が歳を取ったと感じた瞬間に、
自分が子供のいない人生を選択したことを後悔することがあります。
特に自分が一人っ子の場合は、
親に孫の顔を見せられなかった後悔の念がより強くなります。
ちなみに私は父親が亡くなり母親も後期高齢者となりましたが、
兄に子供がいるので私自身の後悔の念はそれほど強くありません。
子供に対して親は責任がありますが、
孫に対して祖父母はそれほど責任がないのでただただ可愛いだけの存在です。
実際に「孫と遊ぶのが唯一の楽しみ」という高齢者もいて、
親の老後の楽しみを奪ってしまったのではないかと後悔してしまうのです。
私の母親は、兄家族が実家に遊びに来ると「孫が来ると疲れるし
お金はかかるし・・・」と嬉しそうに愚痴っています。
嬉しそうに孫の話をする母を見ていると、
自分の孫を見せてあげられてない現状を私は少し申し訳なく思います。
周りからとやかく言われる
子供がいないことを周りからとやかく言われることで、「こんなことを言われるなら
子供を作っておけば良かった」と後悔することもあるのです。
結婚して子供を作らないことに対する理解が深まってはいるものの、
「結婚したら子供を作るもの」という考え方の層もまだまだ少なくはありません。
結婚したことを上司などに報告したら「次は子供だな」と言われたり、
結婚してしばらくすると「子供はまだ?」などと言われたりします。
最初の内は子供は作らない考え方であることを説明しますが、
相手に理解されないと説明するのも面倒くさくなってきます。
毎回説明するのも面倒くさくなって、最終的に「こんなに言われるなら
子供を作っておけば良かった」と後悔するわけです。
ちなみに40代になっても結婚しない(できない)私は、
いまだに周りから「いつ結婚するの?」などと言われています。
結婚しない(できない)理由を説明するのも面倒なので適当にあしらっていると、
つには「女性に興味が無い」と思われるようになってしまいました。
中には私に直接「女に興味が無いから結婚しないのか」などと
デリカシーの欠片もない言葉をかけてくる輩もいます。
(セクハラで訴えてやりたいぐらい)
子供を作らない理由を聞かれて適当にあしらっていると、何かしら問題があって
子供ができないというレッテルを貼られている恐れもあります。
ひょっとすると「種無し」など酷いことを言ってくる年配層もいるかもしれず、
こうなると後悔よりもその輩に対しての怒りの方が大きいですけどね。
同年代の人と話が合わなくなる
同年代の人と話をしていて段々と話が合わなくなってくると、
子供がいないことに後悔することがあります。
例えば、40代である私の同年代は大体結婚していて、
人によっては大学生の子供がいたりします。
40代も後半に差し掛かると健康の話や老後の話が中心になりますが、
40代前半までは奥さんの話、子供の話が中心です。
健康や老後の話なら独身の私も入れますが、
奥さんや子供の話になると私は会話に入れず疎外感を感じてしまいます。
疎外感を感じるからと言って私は「結婚しておけば良かった」とは思いませんが、
中には「子供を作っておけば良かった」と後悔する人も居るでしょう。
老後に不安を感じる
年齢を重ねるにつれて老後が現実味を帯びてきて不安を感じ、
子供がいないことに後悔することもあります。
三世代同居が当たり前だった時代は、
親が歳を取ったら子供が面倒を見るというのが当たり前でした。
最近は「子供に迷惑をかけたくない」ということで、
子供に老後の面倒を見てもらおうと考えている親世代は少ないです。
ただ面倒を見てもらうというところまで行かなくても、
子供がいると様子を確認するのにちょくちょく来訪したり電話をかけてきたりします。
普段一緒にいない子供と話すことで刺激を受けますし、
「迷惑をかけられない」ということで生活にもハリが生まれます。
子供がいなくてパートナーにも先立たれると、
話す相手がいない寂しい一人での生活となってしまうのです。
兄弟姉妹もいないとパートナーに先立たれたら天涯孤独となりますから、
老後のことを考えると子供がいないことに後悔するわけです。
子供のいない人生を後悔しない理由
子供のいない人生を選択した人が全員後悔するわけではありません。
自身の価値観が変化することなく、周りから何を言われようと子供のいない人生を
選んだことを後悔しない人もいます。
経済的に余裕がある
子供のいない人生を選択して「経済的な余裕」が生まれると、
子供がいないことに後悔することは少ないです。
一時金などの助成金が貰えるとは言っても出産にお金がかかりますし、
医療費や給食費が無償化されたと言っても子育てにもお金がかかります。
子供が生まれてから大学を卒業するまでにかかる費用は、
1人当たり大体3000~4000万円とされています。
高度経済成長期やバブル期のように働けば働くほど給料が上がる時代なら、
多少お金はかかるとしても子供を作るという選択をすることも難しくありません。
しかしこの30年ほどいくら働いても給料がなかなか上がらない時代が続いていて、
夫婦共働きでも3000万円超の子育て資金を捻出するのは簡単じゃありません。
子育てにかかる費用を丸々老後の備えに回せば、
夫婦2人揃って介護施設に入居することができます。
子供がいなくてもお金があれば老後の不安はありません。
経済的な余裕が生まれて老後の不安が軽減されれば、
子供がいないことを後悔する必要がないのです。
仕事で順調にキャリアが積める
仕事で順調にキャリアが積めると、
子供のいない人生を選択したことを後悔せずに済みます。
男性はパートナーが妊娠・出産するとなっても仕事にそれほど影響は無いですが、
女性は違います。
妊娠したら安定期までは仕事をある程度セーブしないといけませんし、
安定期に入ってもお腹が大きくなると妊娠前と同じように仕事はできません。
出産が近付くと産休を取らないといけませんし、
出産してもすぐには復帰できないのでしばらく育休を取ることになります。
そうすると妊娠初期から出産後しばらくまで、
年単位で仕事でのキャリアが停滞することになってしまうのです。
業界や業種によっては1年で取り巻く状況が大きく変わって、
職場復帰してもキャリアがリセットされたも同然となってしまうこともあります。
特に女性は仕事で順調にキャリアを積むことで、
子供のいない人生を選択したことを後悔せずに済みます。
キャリアを積むと給料もそれなりに上がりますから、
経済的な余裕も生まれてより子供がいないことを後悔しにくくなるのです。
子供のことで悩まなくて良い
子供がいないと子供のことで悩まずに済みます。
自分の子供が模範的に育ってくれれば良いですが、
病気をすることもあるでしょうし、学校でいじめられることもあるかもしれません。
子供が苦しんでいるのを見ると、親は自分のこと以上に苦しく辛い思いをします。
子供がいないと子供が苦しむ姿を見ることはありませんし、
子供のことで思い悩むこともありません。
周りから子供のことで悩んでいるという話を聞くと、
自分には子供がいなくて良かったと感じることもあるのです。
子供がいてもどうせ孤独になる
子供がいてもどうせ孤独になるのだから、
最初から子供がいない方が後悔せずに済むという考え方もあります。
子供はいずれ独立して結婚して自分の家庭を持つようになります。
親と同居するケースもありますが、最近は親と同居しないのが一般的です。
子供が就職して実家を出ると、
20年ほど一緒に暮らしてきた子供がいなくなって親からすると寂しさを感じます。
結婚して家庭を持って実家に帰ってくるのが年に数回となったら、
子供がさらに遠い存在となってしまいます。
たまに会いに来る電話してくると言ってもずっと一緒にいられるわけではないので、
パートナーに先立たれると孤独になるのです。
どうせ将来孤独なって「子供なんて作らなければ良かった」と後悔するなら、
最初から子供を作らない方が後悔せずに済むというわけです。
まとめ
子供のいない人生を選択すると後悔するかどうかは人それぞれです。
若い時に子供を作らなかったことで年齢を重ねてから後悔することもあれば、
子供を作らなくて良かったと思っている人も少なからずいます。
自分の人生は自分だけのものであり、
周りからとやかく言われたとしても自分の生き方を変える必要はありません。
ただやり直しがきかないのも人生ですから、年齢を重ねてから後悔しないように
子供を作る作らないは慎重に検討した方が良いと思いますよ。