MENU

リン酸鉄リチウムイオンバッテリーにデメリットはある?

アウトドアグッズとしても防災用品としても注目されている「ポータブル電源」、どうせ買うなら「リン酸鉄リチウムイオンバッテリー」のものが良いとされます。

良いと言われてもリン酸鉄リチウムイオンバッテリーがどんなものかよく分かりませんし、デメリットは無いのかも気になるところです。

目次

リン酸鉄リチウムイオンバッテリーとは

「リン酸鉄リチウムイオンバッテリー」はその名前からも分かるように、「リン」「鉄」「リチウム」の3つが主材料のバッテリーです。

スマホの充電池としても使われるリチウムイオンバッテリーですが、
 ・ニッケル系
 ・コバルト系
 ・マンガン系
 ・チタン酸系
 ・リチウムポリマー系
 ・三元系
 ・リン酸鉄系
 ・NCA系
といった種類があります。

ちなみに、現状スマホの充電池として使われているのは「リチウムポリマーバッテリー」です。リチウムポリマーバッテリーは、柔軟性があってコンパクトサイズにできて、その上に安全性も高いのでスマホのようなモバイル機器に適しています。

ニッケルやコバルト、マンガンなどはいわゆるレアメタルで、リチウムイオンバッテリーの材料としては高性能ではあるものの調達コストも高いです。また「レア」なので調達すること自体も簡単ではなく、レアメタルを使ったバッテリーだとポータブル電源の安定的な供給が難しくなります。

対してリンや鉄はレアメタルに比べると調達しやすく、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーはポータブル電源を安定的に提供するのにピッタリです。

リン酸鉄系リチウムイオンバッテリーの仕組み

少し専門的な話になりますが、リン酸鉄系リチウムイオンバッテリーがどうして充電池として使えるのかを簡単に説明します。

そもそも私は理系ではなく文系ですから、リン酸鉄系リチウムイオンバッテリーの仕組みを完璧に理解できているわけではありません。多少違う部分もあるかもしれないですが、できるだけ分かりやすく説明しているためと思って多めに見てください。

まずリチウムイオンの電解液で満たされた大きな器があり、正極と負極2つの棒状または板状の電極が電解液に浸かっているのがリチウムイオンバッテリーです。正極と負極は接触しないよう、器の中は電解液は通れるけど電極は通れないセパレーターで仕切られています。

電極に電気を流し、電解液内のリチウムイオンが正極から負極に移動することでバッテリーは充電されます。反対に負極から正極にリチウムイオンが移動することで放電、要するにバッテリーに充電された電気が使えるのです。

リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、リチウムイオンの電解液に浸かっている2本の電極の内の正極にリン酸鉄が使われています。

ちなみに、三元系だとコバルト・マンガン・ニッケル、リチウムポリマー系だと有機ポリマー材が正極に使われています。負極にはカーボン材が使われるのが一般的です。

正極の材質によって耐久性や安全性が変わるので、ポータブル電源ではバッテリーの種類が重要となるわけです。

簡単に説明しただけで正確でない部分もあるでしょうから、詳しくはリチウムイオンバッテリーの仕組みについて説明したサイトも参照してください。(https://www.y-skt.co.jp/magazine/knowledge/guide-li_ion_battery/)

リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのデメリット

リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは安定供給しやすい反面、デメリットもあります。

リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの最大かつ唯一と言っても良いデメリットが「エネルギー密度の低さ」です。

エネルギー密度は、「単位質量または単位体積当たりで取り出せるエネルギー量」のことです。(https://corp.furukawadenchi.co.jp/ja/news/news-20240417.html)

単純に、エネルギー密度の数値が大きいほど性能が高いと理解すれば良いと思います。

リン酸鉄リチウムのエネルギー密度は「90-160Wh/kg」です。コバルト酸リチウムは「150-200Wh/kg」、三元系リチウムは「150-220Wh/kg」で、リン酸鉄リチウムのエネルギー密度より高くなっています。(https://etekware.com/ja/energy-density-lithium-ion-battery/)

スマホなどに使われるリチウムポリマーのエネルギー密度は「100-265Wh/kg」で、リチウムポリマーよりもリン酸鉄リチウムはエネルギー密度が低いです。

エネルギー密度の数値が大きいほど性能が良いわけですから、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは三元系などと比べると性能が高くないことになります。

重い

リン酸鉄リチウムはエネルギー密度が低いので、同じ容量では他のリチウムイオンバッテリーと比べると重量が増えます。

同じ重さだとエネルギー密度が低い分だけ容量も少なくなるので、同じ容量にするには重くしないといけないわけです。

実際に比較すると分かりやすいので、大手メーカー「Jackery」のポータブル電源で比較してみます。

まず現在販売されている最新型でリン酸鉄リチウムイオンバッテリーが使われている容量1000Whクラスの重量は約10.8kgです。(https://www.jackery.jp/products/explorer-1000?variant=39867358249038)

現在は生産が終了してしまった、従来型のリチウムイオンバッテリー搭載の容量1000Whクラスの重量は10.6kgとなっています。(https://www.jackery.jp/products/explorer-1000?variant=39867358249038)

従来型のポータブル電源に使われているリチウムイオンバッテリーは三元系です。

容量は同じ1000Whクラスですが、重さがわずか200gほどですがリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを使ったポータブル電源の方が重くなっています。わずかな違いなのでデメリットと言えるほどではないものの、同じ容量だとリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは重くなるのです。

サイズが大きい

エネルギー密度が低いリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、容量が同じ他のリチウムイオンバッテリーと比べるとサイズも大きくなります。

重さ・体積当たりで取り出せるエネルギー量が少ないですから、同じ量のエネルギーを取り出すにはより重く・大きくせざるをえないというわけです。

ただ先の重量もそうですが、サイズも技術の進歩によって三元系と変わらなくなってきています。

重さを比較したJackeryの最新型と従来型の1000Whクラスだと
 ・リン酸鉄リチウムイオンバッテリー 幅327mm 奥行224mm 高さ247mm
 ・三元系リチウムイオンバッテリー 幅332mm 奥行233mm 高さ243mm
で幅と奥行はリン酸鉄の方が小さいぐらいです。

現在の技術なら三元系はもっと軽く小さく作れるかもしれません。しかしポータブル電源の現在の主流はリン酸鉄で、特に容量の大きなクラスでは三元系は少なくなっています。

ですから従来型と比較するしかなく、従来型と比べると重さもサイズも気にするほどのデメリットではありません。

リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのメリット

現在ポータブル電源の主流がリン酸鉄リチウムイオンバッテリーになっているのは、三元系などと比べてメリットが大きいからです。

安全性

リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの大きなメリットの1つが「安全性の高さ」です。

ポータブル電源で一番怖いのは「発火」ですが、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは発火のリスクが低くなっています。

リチウムイオンバッテリーの正極に使われている物質は、温度が高くなると分子を安定させるために熱分解を起こします。高温によって分子が大きくならないように、自ら熱を発して原子同士を切り離してより安定した分子になろうとするのです。

熱分解は熱暴走を引き起こす要因の1つで、熱分解によって熱暴走が引き起こされると発火や破裂といった事態に繋がります。

リン酸鉄リチウムで熱分解が発生する温度が700℃と非常に高く、少々の高温の環境下でも安全に使用できるというわけです。(三元系の熱分解温度は200℃)

長寿命

リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの大きなメリットとしてもう1つ「寿命の長さ」も挙げられます。

従来型のポータブル電源に使われている三元系リチウムイオンバッテリーは、充電サイクルを大体800回繰り返すと容量が大幅に減ってしまいます。スマホに使われているリチウムポリマーだと大体500回で、いわゆる「バッテリーの持ちが悪い」という状態になるのです。

リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは三元系の2倍以上、リチウムポリマーの4倍以上の長寿命で、大体2000~4000回の充電サイクルに耐えられます。

毎日充電したとすると、三元系だと3~4年、リチウムポリマーは2~3年でバッテリーの持ちが悪くなります。しかしリン酸鉄リチウムイオンバッテリーだと、10年毎日充電したとしてもバッテリーの持ちが悪くなることはありません。

バッテリーが長寿命と言うことはポータブル電源の買い替えサイクルも長くなりますから、コスパが高くて経済的でもあるのです。

自然放電率が低い

リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは三元系リチウムイオンバッテリーに比べて「自然放電率が低い」です。

スマホをフル充電したまま一切触れずに放置しているだけでも、バッテリー残量は減ってしまいます。スマホの場合は電源が入っていることもありますが、バッテリーは使わなくても自然と放電するものなのです。

そもそも、自動車に使われている鉛バッテリーに比べるとリチウムイオンバッテリーは自然放電率が低くなっています。

鉛バッテリーは月に20%ほど自然放電しますが、リチウムイオンバッテリーは平均で月に5%ほどしか自然放電しません。リン酸鉄リチウムイオンバッテリーはさらに自然放電率が低く、月に1%程度となっています。

ほとんど自然放電しないと言っても良いぐらいで、長期間使わずに保管していても過放電の状態になりにくいです。

バッテリーが過放電の状態になると充電できなくなりますから、ポータブル電源を買い替えないといけません。リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは自然放電率が低いので、過放電のリスクも小さいです。

価格が安い

ポータブル電源ユーザーにとって何より嬉しいのが、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは「価格が安い」ということです。

三元系リチウムイオンバッテリーには、コバルトやニッケルといったレアメタルが使われています。対してリン酸鉄リチウムイオンバッテリーに使われているのはリンや鉄で、レアメタルは使われていません。

レアメタルは「レア」ですから手に入りにくく、枯渇の恐れもあることから価格が高止まりしています。レアでないリンや鉄は比較的安価に調達できますから、ポータブル電源の価格も安く抑えられるのです。

先に重量を比較したJackeryの最新型と従来型の1000Whクラスのポータブル電源の価格はどちらも139,800円となっています。

最新型の方がより長寿命で高機能ですから、同じ価格でもコスパは断然従来型よりも高いです。

バッテリーの調達コストが抑えられる分、色んな機能を付けても従来型と同じ価格で販売できるということです。

まとめ

リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、リン・鉄・リチウムを主材料としたバッテリーを指します。

三元系リチウムイオンバッテリーなどと比べるとエネルギー密度が低いので、重い・サイズが大きいというデメリットがあります。

ただ技術の進歩によって重さやサイズのデメリットはそれほど大きなものではなくなっており、気にしなくても大丈夫です。デメリットを気にしなくて良いだけでなく、安全性の高さ・長寿命などのメリットがあります。

これからポータブル電源を購入するのであれば、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを搭載したモデルがおすすめです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

はじめまして、こんにちは。
HN:ミカエルといいます。
1978年生まれ、40代独身の中小企業サラリーマンです。ずっと平社員、つまり「ヒラ」です。

もともと理系ですが、プログラミングなどの専門スキルはなく、PCも人並みに使える程度。性格は内向的で、人前で話すのは大の苦手。そんな自分なりに頑張ってきたつもりですが、気づけば40代になっても平社員のまま。悔しさや惨めさを感じたこともありましたが、これからは気持ちを切り替え、「仕事は仕事」と割り切りながら、健康に気をつけつつ、投資や副業で新しい道を模索していこうと考えています。


「ヒラサラ」について
「ヒラサラ」は、意識低めの40代平社員が、会社や仕事に振り回されず、無理なく生きるためのヒントを発信するブログです。

社会では「出世しないとダメ」「頑張らないと負け組」といった風潮が根強いですが、私は「優秀じゃないと受け入れられない社会」から降りる選択肢もアリだと考えています。

このブログでは、
✅ 仕事は仕事と割り切る考え方
✅ 健康を維持しながら無理なく働く方法
✅ 副業・投資を活用して人生の選択肢を広げるヒント
✅ 会社に依存せず、個人としての価値を高める方法

などを、リアルな経験を交えながら発信していきます。

「仕事一筋じゃなくてもいい」「平社員のままでも幸せになれる」
そんな生き方を、一緒に考えていきませんか?

目次