毎日毎日休憩時間も惜しんで働いているのに定時に帰れず月の残業時間が40時間に達する、といったことがあります。
高度成長期やバブル期ならともかく現在では残業40時間はありえないですが、どうしていまだに長時間残業をしなければならないことがあるのでしょうか?
残業時間が長くなる原因とは?
私のようなグータラは残業時間が長くなるのも分かりますが、優秀な人が休憩すら惜しんで仕事をしても長時間残業しないといけないのは不思議ですよね。
月の残業時間が40時間にも達する原因として1つ考えられるのは、「慢性的な人手不足」です。団塊の世代の大量退職や少子化による労働人口の減少などによって、多くの業界や企業が人手不足に悩まされています。
シルバー人材や外国人労働者などを活用して何とか人手不足を解消しようとしている業界・企業では残業時間が長くなることは少ないです。人件費が削れると考えて、人手不足を解消する手立てを打たずに放置している業界・企業は残業時間が長くなりがちです。
新しく人材を雇うと人件費がかかるだけでなく、使える人材に育てるためにもコストがかかります。新しい人材を雇う・育てるコストよりも、今居る従業員に長時間残業させて残業代を払った方が安く済むと考えているのです。
人手不足による影響は、長時間残業だけではありません。
人手が足りなりと日常的に従業員は業務過多となりますから、思わぬところでのミスやトラブルに繋がってしまう恐れがあります。ミスやトラブルが重大なものだと、業界・企業そのものの信用を失うことになってしまいます。
人手不足を軽く考えている経営者も居るかもしれませんが、企業の経営そのものを揺るがす大きな問題に繋がることでもあるんですよね。
企業体質が古い
月の残業時間が40時間にも達する企業は、「企業体質が古い」ということもあります。プライベートを犠牲にしても企業のために働くことこそが美徳で、残業時間と頑張りが比例すると考えているのです。
私が20代の頃の管理職の中には、高度経済成長期やバブル期を経験した人が少なからず居ました。「モーレツ社員」とか「24時間戦えますか?」をリアルに経験してきた人たちなので、家族を犠牲にしても企業のために働くべしと考えていました。
体調不良で休みたいと申し出ると「気合が足りない」と言われましたし、定時で帰ろうとすると「やる気あるのか?」と言われたこともあります。
現在は、さすがに高度経済成長期はもちろん、バブル期を経験した人もほとんど定年退職してしまっています。ですが、高度経済成長期やバブル期を経験した人に薫陶を受けた我々世代の中に、長時間働くことを美徳と考えてしまっている人が居るのです。
また、体育会系出身の人も1つのことに長時間没頭することが良いと考えていることが多く、部下に長時間残業をさせるケースが多いように感じます。(私の偏見かもしれませんが・・・)
とにかく企業のために働くことこそがビジネスパーソンにとっての使命であるという古い企業体質が、残業40時間に繋がってしまっているわけです。
残業する従業員にも問題あり?
月40時間にも残業時間が及ぶ原因は、残業している従業員側にもあります。3時間も4時間も残業してノルマを達成したら、帰りの電車の中や自宅で「今日は頑張ったな」って思ってしまいませんか?
別に長時間残業したから頑張った、残業していない頑張っていないというわけではありません。定時で仕事を終えても十分頑張っているのに、残業による疲労と長時間労働からの開放感に酔ってしまっているのです。
頑張った自分に酔うことで月40時間残業を受け入れてしまい、企業とともに長時間残業するのが当たり前な雰囲気を従業員が作ってしまっているわけです。
月の残業が40時間にも達するなら、本来は経営者や上司と働く環境や条件を改善してもらうよう交渉しなければいけません。ところが、従業員が長時間残業する自分に酔って受け入れてしまっていることが、長時間残業が無くならない大きな原因となってしまっているわけです。
それでも残業せざるをえない、どうすれば良い?
残業40時間といった長時間残業の原因が分かったところで、従業員1人では改善のしようがありません。周りが残業する中で1人定時で帰るのも気まずいですし、残業せざるをえない状況でどうすれば良いのでしょうか?
時間のかかるように見える仕事をする
残業をせざるをえない状況になったら、とりあえず今できることをすべて書き出してみましょう。取り急ぎしなければならないことが無ければ、書き出した中で「時間がかかるように見える仕事」を実行するのです。
とりあえず仕事をしていれば、無駄に残業しているように周りから見られません。また時間がかかるように見える仕事をしているので、上司から新しい仕事を振られたり、周りからフォローを求められたりすることもないです。
新しい仕事を振られそうになったり、周りからフォローを求められそうになっても、「時間のかかることをしているから」と他の人に振るように仕向けられます。
急がなければいけないことでなくても仕事はしているので、無駄に残業していることにはなりません。だからと言って、必要以上に頭と体を使っているわけでもありませんから、精神的・肉体的な疲労もそれほど溜まらないです。
上司に責任を持たせる
どうしても残業せざるをえない状況であれば、上司に責任を押し付けてしまうのも1つの方法です。先に今できることをすべて書き出しましたが、その書き出した仕事の優先順位を上司に付けてもらいます。
急ぐ必要はないけどやらなければならない仕事は山ほどありますから、1日数時間程度の残業ではすべては終わらせられません。いずれも急ぐ仕事ではないため自分では優先順位が決められないので、上司に決めてもらうというわけです。
逆に言うと、今日の残業でしなくて良いことを上司に決めてもらうということでもあります。残業で行う仕事の優先順位を決めたのは上司ですから、もし何かあったとしても責任は上司にあるということになります。
責任を負わなくて良い仕事は、精神的にかなり楽です。どうしても残業せざるをえないのであれば、上司に責任を押し付けて精神的に追い込まれないようにすると良いでしょう。
単純作業を中心に
定時に帰りにくい雰囲気で残業をせざるをえない状況なら、「単純作業」を中心に行うという方法もあります。
企画書やプレゼン資料などを作るとなると、精神的にも肉体的にもかなり疲れます。そういった疲れる仕事は定時の中で行い、残業では顧客データの打ち込みや伝票整理など単純作業を中心に行うのです。
単純作業は、同じことの繰り返しなので肉体的には少し疲れますが、精神的にはほとんど疲れません。また時間がかかるように見える仕事でもあるので、周りは新しい仕事を振ったりフォローを頼んだりしにくくなります。
月の残業時間が40時間にもなると、肉体的にはもちろん精神的にもかなりの疲労感を覚えます。私のようなアラフィフともなると疲労は簡単には抜けませんから、できるだけ疲れを溜めないようにしなければいけません。
精神的な疲労が溜まりにくい単純作業で残業することで、自分の精神と体を守るというわけです。
そもそも残業40時間って多すぎない?
最近は転職が当たり前になってきているとは言え、自分の職場以外の労働環境って分からないことが多いです。では、月の残業時間が40時間というのは多いのか少ないのかどちらなのでしょうか?
土日祝日休みだとすると、月の出勤日数は大体20日前後となります。出勤日数が20日前後で残業40時間だと1日当たり2時間ほどなので、それほど多くないように感じてしまいます。
ところが、総務省統計局や厚労省の調査によると、1か月の残業時間の平均は14時間前後です。(https://www.komon-lawyer.jp/qa/teigi/#i_heikin)
出勤日数20日前後で考えると1日当たりの残業時間は40分程度ですから、2~3時間残業する日もあれば全く残業しない日もあるのが実際のところです。平均が14時間前後だと考えると、月の残業時間が40時間というのは多すぎると言えるでしょう。
残業40時間は違法じゃないの?
残業40時間は総務省や厚労省が調査した平均残業時間よりかなり多いですが、違法ではないのでしょうか?
労働基準法には時間外労働いわゆる残業に関する規定があり、そこで月の残業時間の上限が決められています。労働基準法第36条で、時間外及び休日の労働の限度時間は1か月45時間、1年360時間と定められています。(https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049)
労働基準法で定められた1か月の残業時間の上限が45時間ですから、残業40時間は適法となるのです。ただし年間の残業時間の上限が360時間となっていますから、毎月40時間残業させるのは違法となる可能性が高いです。
残業40時間が労働者に及ぼす影響
月の残業時間が40時間にも達すると、単純に肉体的・精神的に疲れるだけではありません。残業時間が長くなると職場に居る時間が長くなりますから、その分プライベートの時間が減ってしまいます。
独身だと、仕事終わりに同僚や友人と食事に行ったり飲みに行ったりといったことがしにくくなります。食事や飲みの席で異性と出会うこともありますから、残業が増えると出会いの場が減って結婚が遠のくといったことに繋がるかもしれません。
結婚していると家族と過ごす時間が少なくなり、場合によっては子どもの行事に参加できなくなってしまうこともあるのです。
私の父親は仕事人間な上に日曜日が休みでなかったこともあって、参観日や運動会などの学校行事に参加してくれたことはほとんどなかったです。友達はお父さんとお母さんが来ているのに、自分はお母さんしか来ていなくて寂しい思いしましたね。
自分も働くようになってからは父親が学校行事に参加できなかったことを理解できるようになりましたが、子どもの頃は理解できませんでした。
かつては仕事一筋でも許されましたが、現在だと父親が仕事一筋で子育てを疎かにするのは許されません。
体調やメンタルに不調をきたす
残業時間が長くなると、体調やメンタルに不調をきたす恐れもあります。
長時間の残業によって肉体的に疲れますが、職場に居る時間が長くなると睡眠時間が多少削られます。入浴にかける時間も短くなり十分な休息が取れず、肉体的な疲労が抜けきらないまま出勤・残業でさらに肉体的な疲労が重なっていくのです。
肉体的に疲れたまま仕事をすることになると、思わぬミスやトラブルを引き起こしてしまう恐れもあります。
仕事をすることで精神的にも疲れますが、残業時間が長くなることでプライベートの時間が減りますからリフレッシュもしにくくなります。
リフレッシュできず精神的な疲れが重なると、自宅と職場を往復するだけの毎日が空しくなって、最悪の場合にはメンタルを病んでしまう恐れもあるのです。
体調やメンタルに不調をきたして出勤できなくなったとしても、会社は何か保証してくれるわけではありません。自分を守れるのは自分だけですから、できるだけ残業時間が長くならないようにするのがベターです。
どうしても残業しなければならないなら、先に紹介したように少なくとも精神的な疲労が溜まりにくい仕事でしのぐようにしましょう。
まとめ
残業40時間は違法ではないものの平均よりもかなり多いですから、ありえない残業時間と言えます。
現在は残業して当たり前の時代ではありませんし、残業したから会社から評価されるといった時代でもありません。可能な限り残業しないのが良いですが、残業せざるをえないならバレないように上手く手を抜いて自分の心と体を守りましょう。