そろそろ家電探しに本腰を入れたいのに、
また「Amica(アミカ)」という気になるメーカーを見つけてしまいました。
今度こそ無視しようと思ったのですが、
やっぱり気になるのでAmicaがどこの国のメーカーなのか調べてみます。
Amicaはどこの国のメーカー?
「Amica(アミカ)」はポーランドの家電メーカーでした。
(https://amica-group.com/?_gl=1*10zgxu2*_up*MQ..*_ga*OTE0MTIzOTU3LjE3MzE0NjMwNTc.*_ga_QV6KTTWD8N*MTczMTQ2MzA1Ni4xLjAuMTczMTQ2MzA1Ni4wLjAuMA..)
1945年の設立で、
冷蔵庫や食洗器などのキッチン家電や洗濯機などを主に作っています。
かつてはポーランド国内はもちろんヨーロッパでもトップクラスの
家電メーカーでしたが、2010年前後から業績が低迷しているようです。
2024年10月には人員削減のニュースも出ていますし、ポーランド国内はもちろん
ヨーロッパでもAmicaへの需要が低迷しているとのことです。
やはりロシアとウクライナの間で問題が発生してから、
EUに加盟するヨーロッパ諸国の企業はロシア市場から撤退しました。
Amicaも例に漏れずロシアから撤退しており、
その問題が長期化していることもあって業績が低迷しています。
低迷はしているものの一定の人気は保っている
Amicaはこの十数年業績が低迷していますが、
ポーランド国内だけでなくヨーロッパでも一定の人気は保っているようです。
Amica以外にも
・Hansa(ハンザ)
・GRAM(グラム)
・CDA
・FAGOR(ファゴール)
といった家電ブランドを所有しています。
「Hansa」は東ヨーロッパで人気のある家電ブランドですし、
「GRAM」はデンマーク発祥で100年以上の歴史があります。
「CDA」はイギリスの家電ブランドで、
「FAGOR」はヨーロッパでもトップクラスの人気があるスペインの家電ブランドです。
業績が低迷して経営が苦しくなった場合、
所有しているブランドを切り売りして急場を凌ぐのが一般的です。
切り売りしない場合でも、
ブランドを統一して効率化することでコストを削減するといったことをします。
ところがAmicaは複数のブランドを所有したままで、
それぞれのブランドが得意とする地域で販売を続けています。
人員削減も数十人規模を話ですから、ヨーロッパ全土では一定の人気があって
業績が低迷していると言っても経営が苦しいといったことはないのでしょう。
ポーランドってどんな国?
Amicaはポーランドの家電メーカーですが、
考えてみると私は「ポーランド」がどういう国かよく知りません。
私が不勉強なだけかもしれないですが、
改めてポーランドがどういう国か見ていきましょう。
東はドイツ、西は旧ソ連(現在のウクライナ・ベラルーシ)という強国に
挟まれていることもあって、ポーランドの歴史では「分割と統合」が繰り返されます。
現在のポーランド人の祖先である部族が1つの集落を形成したのは
古代ローマ時代まで遡りますが、正式なポーランド建国は966年とされています。
1138年に国王が后と息子への相続のために国を7つに分割、ここからポーランド・
リトアニア共和国が誕生する1596年まで長い分割時代が続きました。
共和国の誕生でポーランドは黄金期を迎えますが、
17世紀に入ると周辺列強の争いに巻き込まれます。
18世紀には帝政ロシア・プロイセン・オーストリアの三国による干渉で、
実に4度に渡る分裂を繰り返すのです。
19世紀に入るとワルシャワ大公国として再度1つにまとまりますが、
それも束の間ですぐに3つに分割されます。
第一次大戦後にはドイツの影響から解放されてポーランドとして1つになりますが、
第二次大戦時にまた2つに分割されます。
国自体は旧ソ連の影響を強く受けた政権が統治していたものの、
国外に亡命政権が誕生しました。
旧ソ連崩壊に伴う東西冷戦終結で旧ソ連の影響から解き放たれて
現在の体制となり、ポーランドの分裂と統合の歴史は終結を迎えたのです。
日本とポーランドの関係は悪くないが・・・
東西冷戦下においては、ポーランドは旧ソ連をトップとする東側、
日本はアメリカをトップとする西側に所属していました。
そのため日本とポーランドの間に緊密な交流は無かったようですが、
冷戦終結後は緊密な関係を構築しています。
互いを「戦略的パートナー」と位置づけており、経済や人的・文化的交流だけでなく
政治・安全保障の分野でも関係を深めているのです。
特に2013年以降は、首相や大臣が互いの国を行き来したり、
国際会議の時に首脳会談の席を設けたりしています。
ただ現状では経済的にはそれほど緊密な関係になっているとは言えません。
外務省のデータによると、
日本とポーランドとの間の総貿易額は2023年で7000億円余りに留まっています。
(https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/poland/data.html)
日本の総貿易額は211兆円余りですから、
ポーランドとの貿易額が占める割合は0.003%程度です。
地理的な問題もあって、
わざわざポーランドから何かを輸入する必要がないといったところだと思われます。
ポーランド側から見ても同じで、輸送代などを考えると地理的に近い国から
輸入した方が良いということで貿易額がそれほど多くなっていないのでしょう。
Amicaの家電は日本でも買える?
AmicaやAmicaグループが所有する家電ブランドは日本には
ほとんど進出していないため、日本で購入するのは難しいです。
家電量販店などの店舗はもちろん、
日本向けの通販サイトでもほとんど取り扱いがありません。
海外メーカーの製品を専門的に取り扱っている通販サイトであれば、
日本からでも購入できる可能性はあります。
ただAmicaの家電を日本で購入するメリットはほぼゼロですから、わざわざ高い
輸送費を払ってまでAmicaの家電を購入することはおすすめできないです。
Amicaの家電は日本では使えないかも
Amicaの家電がおすすめできないのには、
購入が難しいことに加えて日本では使えないかもしれないということもあります。
Amicaの公式サイトに詳しい製品情報が掲載されていませんが、
恐らくAmica製品はヨーロッパ仕様で作られていると考えられます。
私はこれまでいくつかの家電メーカーを調べてきましたが、
日本に進出していないメーカーの製品はすべてヨーロッパ仕様でした。
日本向けに販売しておらず、
ヨーロッパをターゲットにしているわけですから当然と言えば当然です。
日本とポーランドなどヨーロッパ諸国では、
家電を使うのに必要な「電圧」と「プラグの形状」が違います。
日本の家庭用コンセントの電圧は100Vですが、
ポーランドで一般的に使われている電気の電圧は220Vです。
220V対応の家電を100Vで使えないことはありませんが、
十分な性能を発揮できませんし故障の原因となります。
ヨーロッパ仕様の家電を日本で使うには、昇圧変圧器を設置するか
家電の電圧に関するパーツを交換しなければいけません。
どちらにしても数万円から数十万円の費用がかかりますから、
Amicaの家電を日本で使うのは現実的ではないわけです。
もう1つプラグの形状の問題ですが、日本で使われているプラグは
2本の板状の突起物が付いた「Aタイプ」といわれるものです。
ヨーロッパでは2本の棒状の突起物が付いた「Cタイプ」のプラグが使われており、
そのままでは日本の家庭用コンセントに繋げません。
電圧と違ってプラグの形状は、
家電量販店などで数百円で購入できる変換プラグがあれば解決可能です。
金額の多寡はあるものの、電圧やプラグの形状の違いを解決するには家電の
購入にかかる費用とは別に日本で使えるようにするための費用がかかります。
別途費用をかけてまでAmicaの家電を使うぐらいなら、
追加費用無しで使える日本仕様の家電を買う方が経済的です。
西日本は周波数の問題もある
Amicaの家電を西日本で使う場合には、
電圧・プラグの形状に加えて「周波数」の問題もあります。
日本は世界でも珍しい2種類の周波数を使う国で、
東日本は50Hz、西日本は60Hzとなっています。
新潟県の糸魚川と静岡県の富士川が境目とされており、
糸魚川・富士川から東は50Hzで西は60Hzです。
日本で電気が一般的に使われるようになった明治時代に、東京の電力会社は
ドイツから、西日本の電力会社はアメリカから発電機を取り寄せました。
ドイツの周波数は50Hz、アメリカの周波数は60Hzだったので、
東日本と西日本で違う周波数の電気を使うことになったわけです。
40代も後半になろうかという私が子供の頃は、まだ東日本と西日本を跨いで
引っ越しする時には同じ電化製品が使えませんでした。
現在は電機メーカーの努力によって、日本向けに販売されている電化製品は
50Hz・60Hzの両方に対応しており東日本西日本どちらでも使えます。
ポーランドはドイツと同じ50Hzで、
Amicaの家電は50Hzには対応しているものの60Hzには対応していません。
そのため東日本では使えるものの西日本ではそのままだとAmicaの家電は
使えないことになるわけです。
パーツ交換で対応できると思いますが、
電圧と同じでそこまでしてAmicaの家電を日本で使う必要はありません。
日本では別の「アミカ」の方が有名
今回調べているのはポーランドの家電メーカー「Amica」ですが、
日本だと別の「アミカ」の方が有名だったりします。
女性や小さいお子さんが居る親御さんだと、アミカと言えばファッションブランドの
「Amica」を真っ先に思い浮かべるのではないでしょうか。
「LOU」という日本のデザイン会社が手掛けるオリジナルブランドで、
主にキッズや女性向けのファッションアイテムを提供しています。
キッズは0歳から11歳ぐらいまでの女児が主なターゲットで、
出産祝いなどのギフトに選ばれることも多いです。
それほどリーズナブルではないものの高価でもないので、
ちょっとしたお出かけ用に最適なブランドとなっています。
業務用食品スーパー「アミカ」
中部・東海地方に住んでいる人なら、
「業務用食品スーパーアミカ」を思い浮かべることも多いでしょう。
業務用ではあるものの一般客でも利用可能で、
量が多いので割安で食品が買える家計に優しいスーパーです。
東京や滋賀などにも店舗があり、
今後は中部・東海以外の地域でもアミカを見かけることが増えるかもしれません。
現状ではアミカの店舗が無い地域でも、アミカのネットスーパーが利用できます。
クラウドファンディングサービス「amica」
人によっては、
クラウドファンディングサービスの「amica」を思い浮かべるかもしれないですね。
無料で資金集めができるアプリで、
立てた企画をSNSでシェアして応援を募って集まった資金は換金できます。
一般的にクラウドファンディングと言うと、
製品の開発などしっかりした企画が必要だったりします。
しかしamicaは「母の日にプレゼントを送りたい」「美味しいものが食べたい」
という簡単な企画でもOKです。
十分な金額が集まるかどうかは分かりませんが、
利用のハードルが低いクラウドファンディングサービスとなっています。
まとめ
「Amica(アミカ)」はポーランドの家電メーカーです。
HansaやFAGORなど複数のブランドを所有しており、
ヨーロッパ全土で一定の人気を獲得しています。
この十数年は業績が少し低迷しているものの、
現在でもヨーロッパではトップクラスの家電メーカーと言えます。
ただ日本には進出しておらず、
ネット通販などでAmicaの家電を購入したとしても日本で使うのは難しいです。