キャンプでの使用や防災対策としてだけでなく、「節電効果」を期待して
ポータブル電源とソーラーパネルをセットで購入するケースがあります。
では、ポータブル電源とソーラーパネルをセットで使って節電することで、
ポータブル電源とソーラーパネルの購入費用の元は取れるのでしょうか?
ポータブル電源とソーラーパネルを使って元は取れる?
節電効果について色々と調べましたが、結論から言うとポータブル電源と
ソーラーパネルを使っても元を取るのは「難しい」です。
絶対に元が取れないというわけではなく、使い方や条件によっては元が取れる
ものの、元を取るための使い方や条件を満たすのが難しいということです。
14~18年で元は取れる
例えば、容量が1000Whのポータブル電源をソーラーパネルでフル充電して
電気を毎日使うとします。
東京電力の従量電灯Bを契約しているとした場合、
1000Whの料金は大体30~40円ぐらいです。
(https://www.tepco.co.jp/ep/private/plan/old01.html)
毎日1000Whをソーラーパネルで充電して使うとすると、
1年間で約11,000~14,000円の電気代が浮くことなります。
1000Whクラスのポータブル電源とソーラーパネル2枚のセットの価格は
大体20万円前後です。
(https://www.jackery.jp/products/explorer-1000-new-100w?variant=41780046168142)
年間11,000~14,000円の節約で20万円の元を取るには、
14~18年ぐらいかかります。
14~18年という長い時間はかかるものの、ポータブル電源とソーラーパネルの
セットを使って節電することで元は取れるのです。
ポータブル電源の元を取るのが難しい理由
無理ではないものの、ポータブル電源とソーラーパネルの元を取るのが
難しい理由は「ポータブル電源の寿命」にあります。
ポータブル電源の充電池には、
スマホなどと同じ「リチウムイオン電池」が使われています。
ただリチウムイオン電池にも色々な種類があり、
スマホなどに使われているのは「リチウムポリマー系リチウムイオン電池」です。
以前はポータブル電源でもリチウムポリマー系が使われていましたし、現在でも
容量の小さいモデルにはリチウムポリマー系が使われていることがあります。
しかし1000Wh以上の大容量クラスには、
「リン酸鉄系リチウムイオン電池」が使われることが多くなっています。
リチウムポリマー系も長寿命ではありますが、フル充電して完全に使い切る
充放電サイクルを500回も繰り返すと容量が大幅に減ってしまうのです。
スマホを毎日充電していると2~3年でバッテリーの持ちが悪くなるのは、
リチウムポリマー系リチウムイオン電池の寿命なんですね。
リン酸鉄系はリチウムポリマー系の数倍長寿命で、
大体2000~4000回の充放電サイクルに耐えられます。
ポータブル電源を毎日充電したとしても10年は使えますが、
ポータブル電源の元を取るには少なくとも14年かかります。
元を取る前にリン酸鉄系リチウムイオン電池の寿命が来てしまうので、
ポータブル電源で節電しても元を取るのは難しいというわけです。
ソーラーパネルで毎日は充電できない
ポータブル電源を元を取るのが難しい理由としてもう1つ、
ソーラーパネルでの充電が「毎日はできない」ということが挙げられます。
ソーラーパネルは太陽光のエネルギーを使って発電しますから、
当然太陽が出ていないと充電できません。
365日毎日晴れて太陽が出ることは無いので、
ソーラーパネルを使ってポータブル電源を充電できない日も出てきます。
1991年から2020年までの30年間の晴天日数の全国平均は約212日です。
(https://todo-ran.com/t/kiji/13632)
一番晴天日数が多い宮崎県でも約240日ですから、
1年の内の大体6割ぐらいしか太陽が出ていないことになります。
1000Whの電気代が30~40円ぐらいで、ソーラーパネルで充電できるのが
212日だとすると、年間では6,000~8,000円の節電効果しかありません。
年間6,000~8,000円の節電効果で20万円の元を取るには
25~30年はかかります。
現状で最新のポータブル電源でも寿命は10年程度ですから、
ソーラーパネルを使って0円で充電しても元を取るのは難しいのです。
フル充電しても100%使えるわけじゃない
ポータブル電源の元を取るのが難しい理由としてもう1つ、ポータブル電源を
「フル充電しても100%の容量が使えるわけじゃない」ということもあります。
ソーラーパネルや家庭用コンセントでポータブル電源を充電すると、
「直流電流」として蓄えられます。
パソコンやテレビなどは直流電流で使えますが、
それら以外の大半の家電は「交流電流」でないと使えません。
ポータブル電源から家電に給電する際には直流電流を交流電流に変換しますが、
その際に電力ロスが発生するのです。
直流電流を容量そのままで交流電流に変換はできず、
ポータブル電源では2~3割程度の電力ロスが生じます。
(https://nomad-base.jp/archives/15913)
変換による電力ロスが2割と考えると、容量が1000Whのポータブル電源だと
交流電流として使えるのは800Wh程度となります。
ポータブル電源を使うことで1日800Wh節電したとすると、
25~30円程度の電気代節約となるのです。
これに1年間で太陽が出ている日数をかけると、
年間で節約できる電気代は5,000~6,000円となります。
年間5,000~6,000円の節約で20万円の元を取るには30年から40年の期間が
必要です。
何度も言うように現状で最新のポータブル電源の寿命は10年ですから、
電気代ゼロで充電しても到底元は取れないことになるわけです。
1日に2回フル充電はできない
1日1回の使用で元を取るのが難しいのであれば、
ポータブル電源を1日に2回フル充電して使えば良いと思いますよね。
家庭コンセントを使えば1日2回でも3回でもポータブル電源をフル充電
することは可能ですが、ソーラーパネルだと1日2回のフル充電はできません。
最新のポータブル電源は急速充電に対応しており、
1000Whクラスでも家庭コンセントなら1~2時間ぐらいでフル充電できます。
ところがソーラーパネルでの充電には時間がかかり、
どんなに早くても数時間程度はかかります。
例えばJackryの1000Whクラスのポータブル電源の場合、
最大出力100Wのソーラーパネル1枚だとフル充電に15時間かかるのです。
(https://www.jackery.jp/products/jackery-solarsaga-100)
1日の平均日照時間は5時間程度で、
ソーラーパネルで発電できる時間は1日に3時間程度とされています。(https://www.tainavi.com/library/2420/#:~:text=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%85%A8%E5%9B%BD%E3%81%AE%E5%B9%B3%E5%9D%87%E5%B9%B4%E9%96%93,%E7%B4%845.2%E6%99%82%E9%96%93%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82)
最大出力200Wのソーラーパネルを2枚使えば3時間程度でフル充電できますが、
それでも1日に1回が限界です。
ソーラーパネルでのフル充電は1日に何回もできないので、
ポータブル電源の元を取るために1日に複数回使うことはできないのです。
ポータブル電源の元を少しでも取るには
ポータブル電源とソーラーパネルをセットで購入する費用の元を少しでも取るには、
「いかに安く買うか」ということが重要となります。
要するに、ポータブル電源とソーラーパネルのセットを安く買うことで
元を取りやすくなるということです。
2024年11月中頃から12月初旬にかけてJackry公式サイトではセールが
行われており、ポータブル電源が20~45%OFFになっています。
容量1000Whクラスだと通常価格は14万円ぐらいですが、
セールで45%OFFなので7万円台で購入可能です。
最大出力100Wのソーラーパネル1枚とのセットも10万円以下で買えます。
このようにセールで安く買える時を狙ってポータブル電源やソーラーパネルを
購入すれば、100%は無理でも何割かは元が取りやすいです。
ソーラーパネルの設置場所とメンテナンス
ソーラーパネルの設置場所を工夫することと、
定期的なメンテナンスを行って発電効率を上げると元が取りやすくなります。
当然ですが、
ソーラーパネルの発電効率が最も良いのは直射日光が当たっている時です。
日光を遮る物が無くて日中は日陰にならない場所にソーラーパネルを設置すれば、
発電効率が大幅に上がります。
屋上がベターですが、屋上が無い場合はベランダなどで時間ごとに位置を
微調整してソーラーパネルが日陰に入らないようにすると良いかもしれません。
それからメンテナンスですが、
これは単純にソーラーパネルの表面をキレイに保っておけばOKです。
ソーラーパネルの表面が汚れていたりゴミが付いていたりすると、
汚れやゴミの分だけ日光の当たる量が減ってしまいます。
別に毎日掃除する必要はなく、2週間から1か月に1回程度で大丈夫です。
汚れやゴミによる減少分はごく僅かですが、
少しでも元を取るためにはこまめな掃除は欠かせませんよ。
電力ロスの少ないポータブル電源を選ぶ
できるだけ電力ロスの少ないポータブル電源を選ぶことで、
節電効果がアップして元を取りやすくなります。
大手メーカーのポータブル電源でも、
直流電流を交流電流に変換する際には1~2割程度のロスが生じます。
容量1000Whクラスで比較的電力ロスの少ないポータブル電源は
・Smart TapのPowerArQ Pro(1000Wh)
・EENOURのEB120(1200Wh)
などです。
(https://nomad-base.jp/archives/15913#google_vignette)
特にEENOURのEB120は容量1200Whながら10万円以下で買えますし、
電力ロスも15%程度と低めになっています。
電力ロス分を含めても1000Wh以上使えますし、ポータブル電源の元を
少しでも取りたいと考えているならEENOURのEB120はおすすめです。
節電以外の目的でも使う
金銭的に元を取ることにはなりませんが、
節電以外の目的でもポータブル電源を使うことで気持ち的には元が取れます。
光熱費の高騰でポータブル電源は節電目的でも注目されていますが、
キャンプなどのアウトドアや災害対策での使用も想定されています。
山や川でキャンプをすると通常は電気が使えず、
調理するのも暖を取るのも一苦労です。
ポータブル電源があれば、
IHクッキングヒーターで調理できますし電気毛布で暖が取れます。
調理や暖を取る手間が省けることでキャンプがより一層楽しくなり、
キャンプをしている時間はプライスレスとなります。
ポータブル電源があることでプライスレスな時間を過ごせれば、
気持ち的には十分元が取れるというわけです。
また万が一災害に見舞われて停電が発生しても、
ポータブル電源があればある程度は電化製品が使えます。
スマホが充電できて照明が点けられて、扇風機や電気ストーブが使える
といったことが災害時にできると「ポータブル電源があって良かった」と感じます。
「ポータブル電源があって良かった」と感じられれば十分ですから、節電以外の
目的でも使えば金銭的・気持ち的合わせて元が取れるというわけです。
まとめ
ポータブル電源をソーラーパネルで充電して節電しても、
ポータブル電源とソーラーパネルの購入費用の元を取ることは難しいです。
高くなった電気代を節約するためにポータブル電源とソーラーパネルを使う
というのは、あまりおすすめできません。
キャンプで使ったり災害対策だったりと節電以外の目的でも使うのであれば、
金銭的には元が取れなくても気持ち的には元が取れますよ。